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農林水産省/口蹄疫に関する情報 2001年イギリスにおける口蹄疫の流行-wikipedia 口蹄疫により600万頭の家畜を殺処分――2001年のイギリスのケース 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所-口蹄疫 台湾の口蹄疫発生情報 口蹄疫に関する特定家畜伝染病防疫指針 WAHID Interface WAHID Interfaceの表の説明 Susceptibleは「感染しやすい、感染の余地がある」 Casesは「感染例」 Destroyedは「抹殺」 Slaughteredは「普通の食肉用の屠殺」
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宮崎日日新聞 激震口蹄疫記事へ飛ぶ(魚拓) (2010年4月24日付) 口蹄(こうてい)疫に感染した疑いのある牛が都農、川南町で相次ぎ確認された問題で、県は23日、都農町の和牛繁殖農家が飼育していた黒毛和牛3頭の口蹄疫(O型)感染が確定したと発表した。 20日に感染疑いの1例目となった3頭で、国内感染は2000年に本県と北海道で確認されて以来10年ぶり。県は23日夜、川南、都農町の2農場で5、6例目となる繁殖牛1頭、水牛1頭の感染疑いも確認。都農町の水牛1頭については3月末に採取した検体から感染疑いが判明した。殺処分対象は6農場で牛339頭、水牛42頭、豚2頭に上る。 県によると、23日、動物衛生研究所(東京都)が抗原検出検査で口蹄疫への感染を確定した。口蹄疫ウイルスには七つの血清型があり、O型は各国での発生の約半数を占める。韓国では4月に牛、豚、ヤギのO型感染8例を確認。1〜3月に牛とシカでA型感染7例を確認している。中国や韓国で発生した口蹄疫と同じウイルスかは、遺伝子の塩基配列を調べなければならず不明という。 感染疑い5例目となったのは、4例目の農場から西100メートルの川南町の肉用牛一貫経営農家で飼育されている繁殖牛1頭。22日、同町役場から連絡を受けた宮崎家畜保健衛生所が立ち入り検査。症状が見られた3頭の粘膜などを同研究所に送り、23日夕方、1頭の陽性反応を確認した。 6例目は、1例目の農場から北西600メートルにある都農町の水牛農家が飼育する水牛1頭。1、3例目と一部同じ飼料業者から飼料を購入しており疫学調査の対象となった。 22日、立ち入り検査で5頭から血液を採取。3月31日、同保健所が下痢症状の原因特定のため採取していた3頭の鼻の粘膜とともに同研究所に送付し、うち1頭の粘膜が遺伝子検査で陽性反応を示した。このため、これまでで最も早い時期の感染疑い例となった。農家は豚2頭も飼育。半径3・5キロには養豚農家が6戸ある。 2例目の埋却処分は23日までに終了。3例目も殺処分を終え、24日も埋却作業を続ける。4例目の埋却地も決定。5、6例目については未定。県は同日、県内の牛や豚などの偶蹄(ぐうてい)類飼育施設すべての消毒を実施することも明らかにした。 東国原知事は週明けにも上京。赤松広隆農林水産相と会談し、口蹄疫に対する支援などを要請する予定。 【地図】口蹄疫感染・疑い確認農場 ◇抗原検出検査 口蹄疫ウイルスの型ごとの特徴を示すタンパク質「抗原」にどの「抗体」が結合するかを調べることで、型を特定する検査。あらかじめ、いくつかの抗体を用意しておき、抗原と反応すれば発色する試薬を使って検出するELISA(エライザ)検査で実施した。感染疑い1例目の牛から綿棒で採取したぬぐい液のウイルスを試験管内で生きた細胞に接種して増やし、検査に使った。 4月 被害状況 防疫関係
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作品について 著者の餅月望は、一冊読めばわかる変態的な文体と、常人には思いつかない発想で人気の作家。 別作品では、裸割烹着や鼓笛隊とかいろいろやばい 本作品でもガールスカウトなどその才能を発揮している。 変態的な文章は過去作に比べて多少物足りない一般向けにされている気がしないこともないので、 初めてでも安心かもしれない。 あらすじから適当なハーレムモノに見えるかもしれないが、 「小学星のプリンセス」という多少ふざけたタイトルで、まじめな異種恋愛を描いている。 ラブコメではなくラブロマンスとも。 きっと本作品もそこらにあるハーレムモノと一味違うものになる。 ただし、家族モノという側面が強く妹とガチ恋愛は期待薄である。 妹について 未来人・超能力者・宇宙人・異世界人の妹 呼び方はお兄ちゃん、お兄ちゃん、兄貴、おにーたま 兄のことはガチブラコンっぽいのから家族として好きまで様々。 作者ブログのSS読むのが色々早いかもしれない→ 餅月の住む星 兄について 妹たちの誘惑にはあまりつられないが、すぐ踝とか太ももとか踝とか目に焼き付ける変態 1巻 900 イラストに騙された名無しさん [sage] 2011/11/28(月) 16 56 27.26 [夕方] ID 6jbSM/r1 スーパーダッシュ文庫の餅月望 「ある朝、ヒーローの妹ができまして。」 は あらすじ通り4人とも義妹で家族物だったけど、1人だけブラコン妹が居た。 ロリベスレで絶賛されてる変態的な文体は、読む人を選ぶから注意。 901 イラストに騙された名無しさん [sage] 2011/11/28(月) 18 41 21.32 [夕方] ID eb3IgHqx 「ある朝、ヒーローの妹ができまして。」4人の呼び方 お兄ちゃん、お兄ちゃん、兄貴、おにーたま 2巻 709 イラストに騙された名無しさん [sage] 2012/06/27(水) 18 29 19.56 [夕方] ID efpnJMOs 「ある朝、ヒーローの妹ができまして。」2巻読了 今回はフローラ(小3義妹)とキャスティア(中1義妹)がメイン とにかく妹たちが皆良い子でけなげで可愛すぎる。特にフローラはマジ天使 貴樹(主人公)も先輩キャラとの相合傘チャンスを迷いもなく捨てて妹を追いかけりとか妹第一で行動していて、まさに兄の鑑って感じがして好感度高め ストーリーはSF入っていてスケールは大きくなってるけど、家族モノとしては定番の「拾って来た動物をめぐるハートフルストーリー」になっていて、読み終わると凄くほっこりとする 家族愛方面の兄妹モノが好きな人にはマジオススメ。後はSFや小学生が好きな人にも ただ恋愛方面はあまり強くないので、そっちを期待すると肩透かしを食らうかも 「将来はお兄ちゃんと結婚する」っていつも言ってる凛(小5義妹)が貴樹に人口呼吸されてドキドキするシーンとかはあるけどね カウントダウンSSなどがある著者のブログ 餅月の住む星 1巻発売前インタビュー
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妹紅9 新ろだ2-229 藤原妹紅は迷っていた。 一人の男が縁側で眠っているその傍で、直立不動で立っている彼女。 ゴクリと生唾を飲み込み、じーっと男の顔を見て。 もはやドキドキする胸を抑えることも限界で。 「……」 藤原妹紅は迷っていた。 言うなれば禁断の果実に手を出すか否か。 目の前の実は甘くておいしそうだけれども、食べれば引き返せなくなることは必至。アダムとイブもかくや。 『それ』を行えば、きっと自分は『神様』に叱られてこの場所から追い出されてしまうことだろう。 あぁ、けど食べたい。『それ』はとても甘美で官能的だから、とろけるような幸せをもたらしてくれることは間違いない。 「すぅすぅ」 妹紅の迷いも知らず、縁側で眠る男はたいそう穏やかな顔をしている。 右向きになって「く」の字のように身体を折り、顔の前に両手を軽く開いて投げ出している。 口元からは微量の涎。まるで子供のような寝姿だった。 男の名は○○と言う。 ○○は外来人。数ヶ月前に幻想郷に飛ばされて来た、上白沢慧音の家の居候。 そして藤原妹紅の思い人であった。 「……う、うぅ」 妹紅は唸り、眠っている○○に手を伸ばしかけては引っ込める。 先ほどからそれの繰り返し。ゆうに半刻はこの反復運動を行っている。 彼女の頭にあるのは単純な考え。 (添い寝したいけどできないよ、うあああ!) という、ごくごくありふれた欲望と理性の板ばさみだった。 「落ち着こう、私。ああ、落ち着こう」 妹紅は深呼吸して考え始めた。 もし、ここで○○の横に寝転んだらどうなるか。 まずは眼前に○○の腑抜けた寝顔が迫ることは間違いない。 ○○とはまだ友人同士でしかなく、この想いも妹紅の密かな片思いでしかなかった。 よって普段から遠目で見るだけでドキドキするというのに、額同士をくっつけられそうな距離まで顔が近づくなんて……心臓発作を起こしてリザレクションしてしまいそうだ。 「……ま、○○」 妹紅は呟き、○○の顔をじっと見つめる。 はぁはぁ、と段々息が荒くなってきた。 次に○○の腕を少しどかして、彼の胸に飛び込むとしよう。 おそらく男性特有のちょっと汗臭い匂いが鼻をつくけど、決して不快ではなく、自分はむしろ全身その匂いで包んでくれと願い出るだろう。 さらに、自分の頭を抱きかかえてくれたら……と直立不動のままの妹紅が想像すると、 ……ボッ! 顔から火が出た。比喩ではなく本当に。 まずいと気付いて慌てて火を消す妹紅。もちろん○○を起こさないよう、無言で静かに。 だが、 「ん、んんー」 火が出た音に反応してか、眉をひそめた○○が唸りながら、横向きから仰向けへと姿勢を変えた。 妹紅は息を潜めてその模様を観察する。まさか起きたのか、と思った。 しかししばらくすると○○は唸るのを止め、また穏やかな表情へと戻ってくれた。 「ふぅ」 安心した妹紅はさらに妄想を働かせる。 仰向けになった○○。 そうだ、この身体の上に乗って跨ったらどうなるだろう。 身体は触れ合わないように気をつけながら、○○の顔の横に手を置き、覆いかぶさり。 徐々に顔と顔を近づけていく。 妹紅の視線も口も、○○の身体の一部分へと一直線。 触れそうになった所で止めて、はぁはぁと荒い息を静めながら舌を伸ばし、 ぺろりと彼の顔を舐める。 「……私は猫か」 自分でボケて、自分でツッコむ妹紅。 けど、もし本当にそれを実行したらどうなるか。 おそらく林檎のように甘く、刺激的であるに違いない。 味をしめて「もっと」と思い、頬だけでなく顎や額や鼻や、あまつさえ唇さえも…… 「……何を考えてるんだか、私は」 思考がピンク一色に染まる前に、自制心を働かせる。 そういうことをしたいわけではない。もっとこう、精神的に幸せな感じになりたいだけだった。 そうだ、と妹紅は思いつく。 ○○が仰向けに寝ていても、その身体に抱きつくように添い寝しよう。 いや、むしろ○○を抱き枕にしよう。 それだけでもう、幸せ過ぎて逝ってしまう。逝ってしまってリザレクション。生き返ってまた抱きつき、幸せ。 やったね二度おいしい。 「や、やろう」 そうだやろう。やってしまおう。 行過ぎた邪な欲望は自制したのだ。これぐらいは許される。そうに違いない。我慢した自分へのご褒美だ。 ○○を抱き枕に。 妹紅はついに一歩を踏み出し、縁側に乗り、○○の上に跨って、覆い被さった。 あれ? 抱き枕にするんじゃなかったか? と心の端っこで理性的な妹紅が疑問の声をあげ、脳内妹紅会議が開かれたが、 厳正な話し合いの結果、理性的妹紅以外の全妹紅(熱血妹紅、冷静妹紅、泣き虫妹紅…etc)が「続けてよし」と結論付けたので続けてしまう。 ○○の顔の横に手を置く。 自分の顔は○○のそれの真上にセット。用意は万端。 ドキドキで呼吸が苦しくなってくるが、まあ気にしない。心臓発作でもなんでも起きてしまえ。すぐ生き返るから。 ○○は相変わらず子供のように眠っている。なんだかかわいい。 それだけに、自分の長い髪が○○の顔をくすぐらないように注意。 ○○の匂いがした。ちょっとくらっときた。 さらに彼の手が動いてかすかに自分の手に膝に触れたので、なんだかもう脳が焼けきれそうだった。 しかし進む。後戻りはもうできない。 右手で耳元の髪を押さえながら、どんどんと顔を近づいていく。 狙いはもはや頬でも額でもない。愛しき人の―― 「妹紅」 「わうわあ!」 突然誰かに声をかけられ、妹紅はその場で飛び上がった。 その勢いで縁側から転がり落ち、したたかに背中を打ったが、それよりも混乱する頭の方が深刻だった。 今の声には聞き覚えがあった。 まさかと思いながら声の出所を見ると。 「何をしようとしていたんだ?」 玄関から庭に入ってきたのだろう、上白沢慧音が買い物袋片手に立っていた。 彼女の声は震えていた。その理由は怒り。怒りで顔に青筋も立てていた。 まずい、と妹紅は思った。 『禁断の果実』に手を出そうとした所を、『神様』に見られてしまったのだ。 「何をしようとしていたと聞いているのだがな、妹紅」 「あ、あはは。慧音、落ち着いてって」 「そういうことはこの家でやるなと、聞いた覚えはないか?」 「あ、うう」 ここは慧音の家。慧音は教師であり、子供が彼女を訪ねてやってくることもしばしばだ。 そのため『子供の目に毒だから』という理由で、慧音の家では○○に過剰なアプローチしないよう、釘を刺されている。 例えばさりげなく○○の腕を取って組んだり、後ろから抱きついたり。 そういう甘美な行動は全て禁止されている。いわば『禁断の果実』。 「今は私一人だったから良かったものの、子供たちが一緒だったらどうするつもりだった」 「あははは。魔が差したというか、なんと言うか」 頭を掻きながら笑うしかない妹紅だったが、 「妹紅!」 「は、はい!」 叱責を受けて、妹紅は慌てて直立不動の姿勢を取った。 慧音は腕を組み、教師然とした顔で言い放つ。 「お説教と頭突き。選べ」 「……もう少しすっきり終わるものでお願いします」 「そうか。では両方だな」 「え、えええ!」 「お説教をした後に頭突きをすれば実にすっきりする。私がな」 「う、うー」 「さあ、来い!」 「おたすけー」 妹紅は最後のあがきとばかりにじたばたするも、あえなく慧音に首根っこを掴まれ、家の中へと引きずり込まれていった。 ちなみに○○は、妹紅が悲鳴をあげようが、慧音が怒鳴ろうが、関係なく眠り続けているのであった。 ※ たまには女の子攻めもいいと思って書いた。ちょっとはっちゃけすぎた。 まず一言。妹紅かわいい。 では、反省文10枚を慧音先生に提出してきます。 Megalith 2010/12/24 「今年のクリスマスは中止になりました」 「お客さん、毎年言ってません?それ」 夜雀女将の屋台にて。 「やーもう恒例みたいな?」 御猪口片手にそう言うと、あははと愛想笑いを返された。 何も好き好んでこうして独り身でいる訳では無い。断じてない。しかし神様と言うのも中々薄情なもので、 他所には二物も三物も与えるくせにこちらには何も与えてくださらない。せめて女運だけでも恵んでくれと 願うばかりである。 「どーよ女将さん、これから俺としっぽり」 「お断りします(はあと)」 営業スマイル全開で言われてしまってはぐうの音も出ない。どうやら今年のイヴも独りきり。どうせ今年もひとりきり。 「やってるね」 「まーな」 妹紅だ。彼女も毎年ここでイヴの夜を過ごしている。黙っていれば美人なのだからちょっと頑張れば 相手の一人くらい出来そうなものなのに、何が楽しいのかこうして俺と徳利を空けに来るのだ。 ―“降りしきる雪を見ながら、寄り添って愛を囁き合う”だなんて私のキャラじゃないよ― そう言ったのはいつだったか。 「今年も独り?寂しいねぇ」 「鏡見て言えよ」 「違いない」 くつくつと笑いながら熱々の徳利を受け取る妹紅。 いつものように飲みかけの徳利を妹紅のそれにこつんとぶつける。 「「メリークリスマス」」 けれどそんな年に一度の恒例行事が、今年は少し違っていた。 「女将さん、おあいそー」 「はいはい、ちゃんとまっすぐ家に帰ってくださいね」 支払いを済ませ、二人で屋台を後にする。 ひやりとした感触に空を見上げると、ちらちらと雪が降っていた。 「ホワイトクリスマスって奴だね」 「 外 じゃあ中々降らなかったんだけどなぁ」 幻想郷では毎年この時期から降り出すのだ。まさに"幻想的"と言える。 「寒っ」 などと故郷に思いを馳せる間にも、着実に熱燗で温まった体から熱が奪われている。 冷え切る前に家に帰らなければ。 そう足を速めようとした俺を、不意に妹紅が呼び止めた。 「これだけ寒いとせっかくあったまった体と酔いが醒めてしまう。そう思ったんじゃない?」 「まぁ、そうだけど」 「うちで二次会なんてどう?」 確かに妹紅の家は俺の家よりここから近い。そこでもう一杯ひっかけてから帰るのも悪く無い。 「酒代は」 「奢り」 善は急げ。目的地を妹紅宅に切り替えた。 「今火入れるから」 そう言った次の瞬間、ばちんと音を立てて囲炉裏に火が灯った。彼女の持つ能力の一つだ。 「やっぱ便利だよなぁ、それ」 「 外 にもそんな道具があるって聞いたけど?」 「ここじゃあ使えないし」 「まあねぇ。これ、羽織んな」 手渡された半纏を羽織る。ふわりとかすかに女の子特有の甘い香りがした。 女の子の家で二人きり。 手際良く燗する妹紅を眺めながら、そんな事を考えていた。 状況だけ見ればカップルのそれとなんら変わりない。けれど囲炉裏に当たりながら熱燗で、なんて浪漫もへったくれもありゃしない。 それでも二人きり。女の子と、二人きり。 屋台の時とはわけが違う。正真正銘、俺と妹紅の二人だけなのだ。 そう思うと、妹紅の顔がいつも以上に女の子の顔に見えて。 「ねえ」 「ふおっ!?」 不意打ちな声に素っ頓狂な声が出た。 「つまみは何が良いか聞いてるんだけど」 「な、何でもいいっすよ」 「そ」 訝しげにこちらの瞳を少し覗き、直ぐに台所に消えた。 手を当てるまでも無く、鼓動が高鳴っているのがわかる。 相手はあの妹紅だ。毎年色気の無いイヴを演じる相棒の藤原妹紅だ。 なのに今日はどうしたことだ。見慣れた筈の彼女がまるで別人のように見える。 「焼き鳥だけど良かった?」 「おう」 「ん。っと、そろそろかな」 良い塩梅に温まった徳利を取り出す。 「ほい」 「おっとっと」 一口啜ると、冷め始めていた体にぬくもりが戻った。 「妹紅」 「なに?」 「好きだ」 「……遅いよ」 ぽすん、と妹紅が身を寄せた。 「良いのか?」 「好きでもない男と毎年イヴに一緒にいない」 「え゛。じゃあ去年、いやもっと前から……」 「朴念仁」 返す言葉も無い。 なら俺は? 今日? 違う。多分、俺も。 「好きでもない女と毎年イヴを過ごさないわな」 「自分で気付いて無かったと?」 「面目ない」 「……馬鹿」 今年は、いや、”今年から”は。 少しだけ違う、クリスマスイヴ。 去年も書いた気がするもこたんとイヴ。 前もって書かないからこんな低クオリティに(ry Megalith 2010/12/25 クリスマス。日本語で聖夜とも言うらしいこの日は、幻想郷では恋人と時間を共にする日と認識されている。 本当は神様の誕生日なのになあ、と○○は呆れ口調で言っていたが、神様なんてそこら中にいる幻想郷でそんなことを気にしていたら、毎日がクリスマスになるだろう。 そもそも世話にもなっていない神様の誕生日を、どうして私たちが祝わなくてはいけないのか? そんな至極当然な思考を持つ私もまた、この日を○○と過ごすべき日だと心に決めていた。 「んー」 「○○、お茶、渋くない?」 「いや、ちょうどいいよ。おいしい」 ちゃぶ台を挟んで私の目の前に座り、お茶をすすっている同居人兼恋人、○○。 彼の湯のみを覗き込んだ私は、中身が減っているのに気付き、すかさずお茶を足してやる。 ○○は「ありがと」と言って、私に笑顔を向け、また一口。 私も微笑みを返し、お茶を飲む。少し苦いけどおいしかった。 クリスマスのお昼時。私たちは穏やかで幸せな、2人だけの茶飲み時間を過ごしていた。 私はお茶を飲み干すと、ごく自然な体を装い、○○に話しかけた。 「今日ってクリスマスだね」 「ああ、そうだな」 「みんな、どういう風に過ごしてるのかな」 「んー、パーティとかかな」 私が振った話題の意味を、○○は悟ってくれるだろうか。 彼は鈍い人だから、分かってくれないかもしれない。 今日はクリスマス。クリスマスは恋人同士で過ごす日。 みんながどう過ごすか分からないけど、私達は恋人。だから今日は1日、一緒にいよう。 そう言外に込めた意味。遠回しすぎるかな、と自分でも思う。 ○○と一緒にいるようになってから、もう何年も経つというのに、私はどうにも素直になれない。 けど、それでいい。何も言わなくても、○○はたぶん分かってくれるから。 今日は1日、穏やかに過ごそう。馬鹿との喧嘩なんてもってのほかだ。 私はお茶を飲み、ぽつりとつぶやいた。 「ケーキ、買ってこようかな」 「あ、妹紅」 「うん?」 「ケーキはいらないから。晩ご飯の買い物もしなくていい」 「……え?」 ○○が何を言っているのか、一瞬分からなかった。 買い物をしなくていいとは、つまり家にあるもので夕食を作るということか? だとしたら、ご馳走なんて作れない。今日の夕飯はいつも通りの控えめなものになる。 恋人同士で過ごす日を祝うことなんてできない。 私は愕然とする。 ○○は、今日を特別な日だなんて思っていないのか? 「って、まずい、時間だ。俺、ちょっと外に出てくる」 「え? 今日って仕事だったっけ?」 「んー、まあな。ちょっとした野暮用っていうか。夕方には戻ってくる。昼食はいらないから」 「う、うん。分かった」 「夜は一緒に食べような」 「……うん」 そうして○○は慌てて外に出ていってしまった。 今日はクリスマス。クリスマスは恋人と共に過ごす日。 けれど、○○は出ていってしまった。 夕食はいつも通り。ケーキも食べない。 ○○は、共に今日を祝うつもりがないのか? 「まさか」 1人になった家の中で、私は湯呑み片手に呆然と玄関の扉を見つめる。 そこから出ていってその背中は、もう遠いところにいるのだろう。 ○○との距離が、遠い。 まさか――これが倦怠期というものか。 ぶるりと私の身体が震えた。 ※ どれだけ熱々のカップルも、時間が経てばその関係は冷えてしまうという。 共に過ごすことに慣れ、付き合い始めのドキドキ感はなくなり、お互いの愛情が薄れてしまう。 それが倦怠期。 「……はぁ」 私はため息混じりに竹林をとぼとぼと歩いていた。 冬の寒空、いつもの服にマフラーをつけているだけでは身体が寒いが、心はもっと寒い。 横に彼がいないと思うとますます寒い。 「倦怠期かあ……」 今朝の彼の様子を思い出し、そうなのかもしれないと結論づける。 クリスマスという恋人たちの一大イベントを、特に重要視していないとも取れる、○○の発言。 一緒に過ごすこともなく、夕飯もいつも通り。『祝うなんて面倒くさい』という彼の心の声が聞こえるようで、そこに愛情の薄れを見いだしてしまう。 ああ、○○もついに倦怠期になってしまったのか。 「何か、私にダメなところとかあったのかな……」 私の方は、○○への愛情が薄くなってなんかいない。むしろ日を経るごとに濃くなっていく。 素直になれないけれども、できるかぎり、彼にこの気持ちを伝えてきたはずだった。 今だって、寒さに晒された私は○○の傍にいたいと思ってしまう。 心が○○を求めている。 しかし彼はそう思ってない。 それが、とてつもなく悲しい。何か自分に足りないところがあるのだろうか。 「はぁ……」 適当な場所で手頃な岩を見つけると、私はそこに腰を下ろし、がくりと肩を落とした。 ひゅぅと風が吹き、私の身体の体温を奪う。けれど火を起こす気になれない。 散らばった髪を手櫛で整えたあと、またひとつ、ため息をついた。 「あら、妹紅じゃない」 声をかけられて顔をあげると、目の前に女が立っていることに気づく。 その女が誰なのかが分かると、私は大げさなまでに顔をしかめた。 「……なんだ、輝夜か」 「ええ、私よ。で、そこは私のお気に入りの場所なの。どいてくれない?」 腰に手を当て、黒く艶やかな髪をたなびかせているワガママお姫様は、私の座っている岩を顎で示し、手でしっしっと追い出す仕草を取る。 しかし、こんなところが彼女のお気に入りの場所なわけがない。周りには竹しかないのだ。風情も何もないこの場所が、彼女の雅心に触れるはずがない。 つまり、これはただ私に喧嘩を売っているだけだ。 「はぁ……」 私はそれに気付いても、心が燃え上がらなかった。 むしろ面倒だとしか思えない。 「気分じゃない。他を当たってくれ」 「あのね、私はそこをどけと言ってるの。なのに気分じゃないって、会話がちぐはぐだと思わないの?」 「うっさい」 相変わらず鬱陶しい奴だ。 本当に喧嘩を買ってやろうかとも思ったが、やはり炎を出す気力が湧かなかった。 膝に肘をつき、輝夜を無視するように顔を背ける。 そんな私の様子に興味を持ったのか、輝夜が「ねえ」と声をかけてきた。 「なに」 「なんかあったわけ?」 「何も」 「嘘ね。あんた、やけに落ち込んでるじゃない」 「別に」 輝夜がじっと私を見つめる。観察しているかのような目が、なんだか嫌な感じだった。 「今日はクリスマスね」 「……」 「○○はどうしてるの?」 「……」 「ふーん、黙ってるってことは、何かあったの」 「だから、」 そんなことはないと言おうとすると、輝夜が私の横に座った。 いったい何を、と怪訝そうに私が見やっても、彼女は平然とした態度で、ふんと鼻を鳴らした。 「散歩中の私の足を止めたんだから、それ相応の対価を払ってちょうだい」 「……」 これはまさか。 『落ち込んでるなら話でも聞いてあげるわよ』的な、相談相手を買って出ているつもりなのだろうか。 あの輝夜が? 極悪非道ワガママ宇宙人の輝夜が? 私は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。 「気は確かなわけ?」 「何よ、払わないってんなら、それこそ弾幕ごっこの的になってもらうわよ」 「……時々お前のことが分からなくなる」 「で、どうするの。話すの、話さないの」 私は少しの間逡巡する。 輝夜に聞かせて意味があるのか。いや、猫に聞かせる方がはるかにマシではないか。 しかし、今私の周りに猫はおろか、輝夜以外にどんな生き物もいない。 さすがに、中に誰もいない竹に向かって話すよりは輝夜の方がマシだ。 「……実は」 私は思いきって話してみることにした。 ※ 「倦怠期ぃ~?」 話し終えると、輝夜はとても楽しそうに笑った。口に手を当て、ぷぷぷと吹き出すのを抑えている。 「あんたと○○がねえ。ほんとに?」 「……多分」 「ふーん、へー」 何が楽しいのか、輝夜はにやにやと笑っている。 私はそれが不快で、つい言葉に刺が出てしまっていた。 「その顔、やめないと燃やす」 「おお、怖い怖い。それよりも、ねえ、あれなわけ? 倦怠期ってことは、寝る場所が離れてたりしてるの?」 「寝る場所? そんなのずっと『一緒』だけど」 何を当たり前のことを言っているのだろう、この女は。 そんなの変わるわけがないのに。 輝夜は若干残念そうな顔をする。 「なんだ、変わってないの。倦怠期なら別々の部屋で寝てると思ったのに」 「別々の部屋って……ずっと一緒の布団なんだから、そもそも別の部屋で寝られないし」 「は?」 輝夜の動きが止まった。口をぽかんとあけて、石像のように固まっている。 しばらくして、今度は慌て始めた。 「ちょ、ちょっと待って。『一緒』って、そういう意味?」 「そういう意味って?」 「まさか、同棲するようになってから、ずっとひとつの布団で寝てるの? 今も?」 「そうだけど……」 輝夜が何に慌てているのか分からず、その剣幕に私はちょっと引き気味に答えた。 一緒に寝ることがそんなに悪いのだろうか。まさか、時々は別々の布団で寝ろとでも言うのか。 そんなことはできない。布団に入って感じられる○○のあの暖かさがなければ、もはや私は一睡もできそうにないのだから。 「じ、じゃあ、あれね」 気を取り直した輝夜が続けて言った。 「スキンシップは? 手をつないだりとか、キスの回数が減ったとか」 「……確かに減ったかもしれない」 私は今日の生活を思い出して答える。 これには輝夜も納得がいったらしく、うんうんと頷いていた。 「あー、なるほどね。スキンシップが減るのは確かに倦怠期の証拠だわ。最後にキスしたのはいつ? 1カ月前とか?」 「今日の朝だけど。寝起きに」 「……は?」 輝夜の動きがまた止まる。 私は気にせず、今日の朝にあったことを思い出し、悔しさに任せて拳を握った。 「いつもは4半刻ぐらいイチャイチャしてるのに、今日の○○は『おあずけ』って言って、1回しかしてくれなかった」 「……」 輝夜が『何言ってんのこいつ』という目で私を見ている。 何かおかしいのだろうか。4半刻(30分)がたったの1回に減ったのだから、明らかにスキンシップの密度が減っているではないか。 それに今日の○○は素っ気無かった。寝起きに私の髪を梳かしてくれる時間も半分だったし、私が朝食を作っている間に後ろから抱きついてくることもなかった。 やはり倦怠期なのだろう。 また落ち込みそうになると、輝夜が私の肩をぽんぽんと叩いた。 その顔は満面の笑みを浮かべていた。 「ねえ」 「なに」 「ちょっと質問に答えていってちょうだい」 「はあ」 輝夜は矢継早に質問を繰り出してくる。 「全然デートしてないとか?」 「最近忙しいのか、本格的なデートはあまり……それでも昨日の夜、一緒に星空を見た。あ、けど、手を繋ぐだけで抱きしめてくれなかった」 「相手の嫌な部分が見えてきて、イライラする?」 「頭を撫でてくるのがちょっと……子供扱いされてるみたいで」 「会話がなくなった?」 「本を読んでる間はあんまり喋ってくれない。私が退屈で服の端を引っ張ったら、ぎゅって抱きしめてくるだけで、やっぱり話はしてくれない」 「……あんたから話しかければいいじゃない」 「○○に抱きつかれるとつい、ウトウトしちゃうから」 「えーと、○○が他の女性と仲良くしてたりするとか」 「はっ! そういえば、輝夜、お前と話してることが最近多いような」 「……はぁ。あれはあいつに『妹紅と仲良くしてください』って頼まれてるだけよ」 いくつかの質疑応答を続けた後、ついに輝夜は手を高くあげて「あー!」と叫び出した。 「アホらし!」 「なにが」 「どこが倦怠期よ! ばっかじゃないの! ほんと、ばっかじゃないの!」 竹林全体に響き渡るような声を吐き出し、輝夜は私の肩を掴んでガクガクと揺らし始めた。 「ラブラブじゃない! ていうか、あんた達付き合い始めて3年以上経ってるわよ! どうしてそんなにイチャつけるのよ!?」 「あ、う、けど、ふ、普通はもっと」 「あんたの考えてる『普通』ってどれだけ甘々なのよ! 砂糖100杯も50杯も、どっちだって紅茶に入れたら甘くなりすぎんのよ! あー、身体がかゆい!」 「ゆ、揺らすなって! ちょっと!」 しばらくの間、輝夜に身体を揺さぶられ続ける。 ようやく体力の尽きた輝夜が私の身体を離すと、もう私は気分が悪くなっていた。 「うぅ、ゆ、揺らしすぎ……」 「はぁ、はぁ。少しでも心配した私が馬鹿だったわ。何よこれ、のろけ話を聞いただけじゃない」 「心配? あんなにニヤニヤしてたのに」 「ああ、今のは忘れてちょうだい。戯言だから」 輝夜は岩から立ち上がり、んーっと身体の筋を伸ばし始めた。 おそらくもう帰るつもりなのだろう。空を見つめ、「もう太陽が高いわねー」と呟いている。 「はぁ。いつまでも馬鹿ップルでいとけばいいのよ、ほんとアホらし」 「……いつまでもなんて」 私がぽつりと呟いた言葉は、自分でも驚くほど深刻な響きに満ちていた。 輝夜ですら驚いた顔で、私を見下ろしている。 「何よ」 「やっぱり不安だ……いつまでもこの関係が続くかが、分からない」 「はあ? あのねえ」 「○○が、私と一緒にいてもつまらなさそうにしてる時が来るかと思うと、胸が痛くなる」 きゅんっと痛くなる胸を、私は手で押さえつける。 私と○○の未来はまだまだ続いている。これまでの3年が短い期間だと思えるほどに、長い道が続いている。 そんな中、○○が私に愛想を尽かさない保証なんてない。 精一杯、私は○○を愛したい。けれどその想いに、彼がいつまで応えてくれるかが分からないのは、怖い。 その恐怖に耐えるように、私が自分の身体の震えを抑えていると、輝夜が「ばっかじゃないの」と呆れがちに、かつ優しげに言った。 顔をあげると、輝夜はまっすぐと私の目を見つめていた。 その輝夜はいつものぐーたら姫ではなかった。 人を従えるだけの魅力を持った、絶対的な上位者。月の姫としてふさわしい、凛とした振る舞い。 ああ、これが『かぐや姫』なのだろう。 私よりも長生きしている彼女が、何かを伝えようとしている。 そんないつもの彼女とのギャップに戸惑い、私は呆然と彼女を見上げていた。 「そもそもね、人間同士の関係なんて不変なわけがないのよ」 輝夜はつらつらと話を続ける。 「そりゃあ、私達の身体は不変よ。いつまでもどこまでも、私達が変わることはない。 けど、人との間柄は別。時に出会い、時に別れ、時に親しく、時に疎遠に。 未来が永遠ならば、人との繋がりは無限回数的に変わっていく。現に、4,5年前まではこうやって私があんたと世間話に興じるなんてこと、なかったじゃない」 「……ん」 私と輝夜の関係が変わったのは○○のおかげだ。 昔の私たちはもっとギスギスしていた。少なくとも、今のように輝夜が目の前にいたら、私は有無を言わさず炎を浴びせている。 不死の身体を持っていようとも、人間関係は変化する。 「問題なのは、その変化をどんな方向に持っていけるかよ。 『愛』は不変ではない。けれど、『愛』が時間経過と共に『憎』や『嫌』に変わるとは限らない。 『愛』を『幸』に変えたり、『楽』に変えたり……なんだったら、『熱愛』に変えてもいいじゃない」 最後に「それができるかはあんた次第だけど」と付け加えた輝夜は、言いたいことを言ってしまったのか、くるりと背中を向けた。 「あっ」 私はその背中に何か声をかけるべきだと思った。 しかし口は言葉を紡がない。何か、ふさわしい言葉があったはずだったのに、声を出すのを躊躇してしまう。 輝夜は歩き出してしまう。みるみる内に離れてく。 私は胸の内から溢れる気持ちに従い、「輝夜」と彼女の名前を呼んだ。 輝夜の足が止まった。 「何よ」 「えっと、その……」 「何もないなら、もう帰るわ。これ以上砂糖にまみれたくないの」 「その、よ、余計なお世話だったし、具体的に倦怠期解決にはあんまり役に立ってないわけだけど」 「……喧嘩売ってんの?」 「あー、もう! そういうわけじゃなくて、礼を言ってるだけだ! 馬鹿!」 声を荒げる私を振り返ることもせず、輝夜は「ふーん」と大して興味もなさそうに、右手を上げてひらひらと振った。 「そ。じゃ、せいぜい無駄な悩みを抱えてやきもきしてなさい、この馬鹿」 今度こそ輝夜は止まることなく、竹林の奥へと消えていった。 最後まで悪態ばかりつく奴だ。性格の悪さが滲み出ているに違いない。 「よし」 輝夜の気配がなくなったのを確認した後、私は岩から立ち上がり、気合を入れる。 心が軽くなっていた。あの女のおかげだとは思いたくないけど、まあ話を聞いてくれたのだから、砂粒ぐらいは感謝しておこう。 「……帰ろう」 帰って、○○を待とう。 そしてクリスマスを共に過ごそう。 夜しか一緒にいられないなら、せめてその時間を濃密に。 関係が変化するなら、せめてもっと仲良くなれる変化に。 決意と共に私は空を飛び、家へと急いだ。 ※ 「あれ?」 自宅前に着くと、扉の前に2つの人影があった。 目を凝らしてみると、そこには 「お、帰ってきた」 ○○と、 「やっとね。まったくいつまでも待たせるのかしら」 なんと、八雲紫が立っていたのだ。 「……スキマ妖怪がここに何の用?」 「あら、怖い目をしちゃって。○○、説明してないの?」 八雲紫は私の刺すような視線から逃れるように、○○の後ろにひっついて隠れる。 ○○も、なんだか『まあまあ』とでも言いたげな顔をして、私をなだめようとしている。それがまた八雲紫を守っているように見えて気に入らない。 私はすかさず○○の手を掴んで引き離そうとする。 「○○、これはいったい、って」 説明を求めようとして、気付いた。 ○○の服装がいつもと違う。着流しではなく、なんだかよく分からない、白と黒のパリッと整った服を着ている。 「○○、何それ」 「これはタキシードって言う、外の世界の着物」 「外の世界の? なんでまた。それに、今日は夕方に戻ってくるはずじゃ」 「はいはーい。お話はそこまでで、さっさとこれに着替えてちょうだい」 八雲紫が私達の間に割り込み、突然巨大な赤い布を私に手渡ししてきた。 思わず突っ返そうになるも、よく見るとそれがただの布ではなく、すべすべとしたシルク状の生地だということが分かった。 不思議に思い、広げてみる。すると。 「……ドレス?」 「その通り。さあ、妹紅、家に入って着替えて着替えて」 それは真っ赤なドレスだった。袖と襟が白く、あとは赤。まるで炎のようなドレスだった。 私は意味が分からず、○○が背中を押してくるのを踏みとどまる。 「ど、どういうこと? なんでまたこんな服を」 「あれ、夕食は外に食べに行くって、言ってなかったっけ」 「え、ええ?」 初耳だ。今日は家にある残り物で済ませるのではなかったのか? 「○○、今日は買い物に行くなって」 「そりゃあ、外で食べるんだから買い物は必要ないだろ」 「あ、あー」 あれはそういう意味の言葉だったのか? 予想外の事態に戸惑いつつも、私はさらに○○に説明を求める。 「こんな服を着なきゃいけない店なんて、いったいどこの」 「えーと、まあ、外の世界のレストランでな」 「外の世界?」 ○○が照れくさそうに口にした言葉に、私の混乱は最高潮に達した。 そんな私を落ち着かせようと、○○が手を伸ばし、私の頭に乗せる。 子ども扱いされるのが嫌なのに、私はその手を受け入れてしまう。それぐらい、心地よくて落ち着けるから。 「……○○」 「ん?」 「いったい、どういうこと?」 「んー、ほら、神無月の外界ツアーがあったろ? あの時は、俺の仕事が忙しかったから行けなかったわけで」 確かにそんなこともあった。以前から楽しみにしていたツアーだったので、あれは残念だったけど…… 「今日はあれの代わりに、クリスマスに外の世界のホテルで食事と……ま、まあ、妹紅がいいなら1泊しようかなと」 「そのために、今月になって突然私に手紙を送ってきたのよね~。で、私が対価として命じた雑用を今日まで黙々とやり遂げた、と」 「ゆ、紫さん、それは妹紅には内緒だって」 八雲紫に真実をばらされて顔が赤くなる○○を、私はじっと見つめていた。 つまり○○は、今日の夜から明日朝まで一緒にいようと言ってくれている。 クリスマスだから。恋人たちが一緒に過ごす日だから。 「さっさとしてくれない? 私だって暇じゃないんだから」 「今日の朝から今まで、ずっと縁側でお茶飲んでたのに……」 「何か言ったかしら、○○?」 「いーえ、何も申しておりません、紫お嬢様」 「あら、お嬢様だなんて」 やんっとでも言いそうなポーズを取る八雲紫。 ここでツッコミを入れるような真似はやめておいた方がいいのだろう。 八雲紫が身体をくねくねとうねらせている間に、私と○○は互いに見つめ合う。 「○○、あいつに変なことされなかった?」 「大丈夫。身体中の筋肉は痛いけど」 「……まさか、肉体労働?」 「倉庫の整理とか、色々な。あー、本当は隠しときたかったのに」 知的労働者を自負する○○が肉体労働だなんて……信じられない。ペンより重いものは持てないくせに。 あの八雲紫のことだ。雑用という名目で、色々と無茶なことを言われたに違いない。 だけど、彼は外の世界のレストランに私と一緒に行くという、それだけの目的で耐え忍んでくれた。 ああ、そうだったのだ。 倦怠期だなんてとんでもない。 彼はこんなにも深い愛情を示してくれている。 本当に、どうしよう。 彼が愛しくて仕方がない。 あれ以上は惚れないと思ったのに、今はもっと愛しい。 これもまた、私達の関係の変化のひとつなのか。 「じゃ、着替えてきてもらっていいか? 予約の時間にはまだ早いけど、妹紅に外の世界を見せたいしさ」 「分かった」 こんな豪華なドレスが私に似合うかは分からない。私なんかが女らしい格好をしていいのかとも思う。 けれど、頑張った○○のためにも、精一杯のオシャレをしよう。 「あ、○○」 「ん?」 振り向きざまに、私の頭よりも少しだけ高い位置にある顔に向かって背伸びする。 私と彼の唇が重なる。少しだけ湿っぽかった。 「っ! も、妹紅?」 「メリークリスマス!」 できる限り最大限の笑顔と共に、今日の善き日を祝う言葉を告げる。 ○○が腕を捕んでこようとするのを、私はひらりとかわして家の中に入った。 さあ、これからはずっと一緒にいる時間だ。 変わりゆく私達の関係を良きものにするための、大切な時間。 「ご馳走様」 背中から聞こえる八雲紫の冷やかしの声も、もはや私には気にならなかった。 クリスマスだから急いで書いた。 お目汚し、失礼。 Megalith 2011/07/01 「あーぢーいー」 唸る。 畳の上で寝転がり、唸る。 じわじわと染み込んでくる暑さに唸る。 今日も太陽にさんさんと照りつけられ、気温も体温も凄い勢いで上昇中。 「あーづーぃー」 暑さで身体が溶けそうだと思った。滝のように落ちる汗は、もしかすると俺が溶けてる証拠なのかもしれない。 冷房器具のない幻想郷の夏は毎年辛いが、今年は特にこたえる。 高い気温、蒸れる湿気。クーラーの効いた部屋で育った現代っ子の俺には、やってられない暑さだ。 うつ伏せになり、唸る。 「あーづぃー」 「○○、うるさい」 横で文々。新聞(暑中見舞い号)を読んでいた妹紅が、俺の後頭部にぽんっと手を置いた。 羽根が滑るように、彼女の白い手が首筋をなでる。 「せっかくの休日にだらけてないで、どこか出かけたらいいのに」 「そんな元気は、最早ない!」 「……そんな格好で威張るのって、滑稽だね」 呆れたように笑う妹紅。 なんとでも言ってくれ。今の俺はもうダメダメなのだ。 だいたい、この暑さでも普段と変わらない長シャツもんぺでいられる妹紅は、どこかおかしいのだ。 そんな汗ひとつかいていない手が、俺の頭を撫でる。 「せっかく遊びに来てくれた妹紅には申し訳ないが、今の俺はちょっと撫でられたぐらいで元気は出ない!」 「別に元気出してもらうためにこんなことしてるわけじゃないけど」 「だったら、この手は?」 「んー……ちょうどいい所に手の置き場所があったから、かな?」 右手で新聞をめくり、左手で俺の背中をさわさわしてくる。くすぐったくて、思わず声が出そうになった。 さすが、俺と付き合うようになってから家事やらなんやら器用になった妹紅の手だ。なかなかの技術。だが、まだまだ耐えられる。 「あれ? 思ったより我慢するね」 「くっ……この程度で俺を起こせると思ったら大間違いだぜい」 「ふーん……ちょっと待ってて」 ふと、心地よい感触が首筋から消えた。新聞を置いた妹紅が立ち上がり、すたすたと台所の方へ行ってしまったのだ。 そして残された俺はうつ伏せの体勢のまま待機。立ち上がる元気がないのに加えて、『待て』と言われたことで動いてはいけないような気がしたからだった。 ……なんだか、妹紅にしつけられてるような気がする。 「……遅いな」 しばし待つが、妹紅は戻ってこない。 いい加減、畳の上で寝ているのも辛くなってきた。妹紅という清涼剤(気分的な)が近くにいなくなったことで、ますます気合が目減りしている。 じゃりじゃり そして台所から聞こえてくる、何かが削れるような音。 何か作業でもしているのか。その音は、妹紅がそこにいるということを示していた。 「も……」 衝動的に彼女の名を呼びたくなる。が、それはさすがにこらえた。 そんなことをすれば、主人恋しさに遠吠えをする犬のようではないか。それはなんとなく負けている気がする。 「うー……」 しかし、早く戻ってきてもらわないと本気で俺の精神がもたない。 このまま放置されれば、スライムのように溶ける自信がある。 やはり呼んでみるべきか、しかしそんな甘えん坊のような真似を、と俺が色々と葛藤していると。 「おまたせっ!」 「うひゃぅ!」 突然首筋に襲いかかった感触に、俺は叫び声をあげた。 痛い。いや、冷たい。何か冷たくて固いものが背中を這い回っている。 たまらず飛び起きた俺は、服の間に手を入れてそれを掴み出す。 すべすべぬるりとした手触り。氷だった。 「び、びっくりしたー、ほんとにびっくりしたー」 「あははは、『うひゃぅ!』だって。凄い声出してたよ」 「いきなりこんなもの入れられたら、変な声も出るっつーの! まったく……」 「でも、起きたね?」 うっ、と言葉に詰まる俺。 同じ目の高さにいる妹紅の顔が、とても嬉しそうに笑っていた。 「さ、これでも食べて元気出しなよ」 そう言って、両手にひとつずつ乗せられたものを差し出す。 「……かき氷?」 「そ。暑い夏にはこれっきゃないってね」 透明な器に盛られた、山盛りのかき氷。氷は白いまま、きらきらと輝いている。だからそれにかけられているのは、多分砂糖シロップ。 「……妹紅」 「うん?」 「これ食べたら、近くの川で涼みに行こっか」 「ん、りょーかい」 もらったスプーンで、しゃくりと一刺し。すくい上げて口に放り込む。 冷たくて甘い。夏にしか味わえないこの心地よさに、自然と笑みが浮かんでしまう。 「我ながら、けっこう上手くできたかな」 俺の隣で、同じくスプーンを持った妹紅が同じように笑っていた。 この距離の近さが、嬉しい。 「あー、つべたい」 「急いで食べたら頭痛くなるよ」 「その時は妹紅が撫でてくれるんだろ?」 「……はいはい」 呆れたように、俺の頭をぽんぽんと叩く妹紅。 お返しにこちらも頭を撫でてやる。 「んー」 照れくさそうに頭を振るが、すぐに観念してされるがままになる彼女さん。 かき氷を食べていても、自分達の体温は少し熱い。しかし夏のものとは違って、心地よい熱さだった。 妹紅に弄ばれつつかき氷が食べたい Megalith 2012/07/04 最近、妹紅は俺が後ろに立つのを嫌がる。 ……え? 意味が分からない? いやいや、そう難しく考えなくてもいい、言葉通りの意味だ。 『俺が妹紅の後ろに立とうとすると、さりげなく逃げてしまう』。 以上である。 喧嘩したのかって? 何を馬鹿なことを。俺と妹紅はラブラブだと自信を持って言える。出会って数年、紆余曲折を経て同棲するようになってから、喧嘩らしい喧嘩もしたことなく、毎日がパラダイスである。 だったら後ろに立てないぐらい気にするな、と人は言うかもしれない。きちんと彼氏彼女でいられるのだからいいだろう、と。 とんでもない。俺にとっては深刻な事態だ。 なにせ、妹紅を後ろから抱きしめることができないのだから。 ※ 今日の朝もそうだった。俺が先に目覚め、まだ寝床に入っている妹紅を起こした時のこと。 昨晩はお互いに寝るのが遅かったから、目を開けた妹紅はまだ半分寝ぼけていて、俺も疲労感が残っていた。起きるのが辛く、2人してうーうー唸っていたと思う。 それでも朝の挨拶はかかさず行う。親しき仲にも礼儀ありだ。 「はよー、妹紅」 「……おはよ」 朝一番に妹紅の声を聞くと脳みそがとろけそうになる。 寝ぼけ眼の妹紅を眺めてにやけそうになるのを我慢しつつ、しばらくの間彼女と並んでまどろんでいた。何をするでもなく座っているだけ。けどそれがいい。近づきすぎず、離れすぎずの距離はとても心地いい。 だが、朝ご飯を作るのは俺の役目なのでゆっくりとしていられず、さっさと立ち上がる。 「あー、何を作るかな――と」 ふと妹紅の後ろ姿が目に入り、その魅力に胸を打たれた。 妹紅は360度どんな角度から見てもかわいい。後ろからだと髪に隠れて身体が見えなくなるのがすばらしい。彼女の身体の華奢さと髪の美しさを同時に感じられるからだ。 これからこんな愛おしい彼女と離れて仕事に行かなくちゃいけないとなると、やりきれない思いが溢れてくるのも当たり前。白い髪がはらりと布団の上に広がるのを引き金に、俺の中の思いは臨界点を超え、抱きつき衝動へと変異した。 音を立てないよう、ゆっくりと彼女の後ろに近づく。驚かせたかった。いきなり抱きつかれてあたふたする顔が見たい。それに、髪ごと身体を抱きしめて、思いっきり頭を撫で回して、そしてできるなら顔を近づけて……などという邪な気持ちも湧く。 しかしそれを察知されたのか、ちょうど後ろに立った時、寝ぼけていたはずの妹紅が驚くべき速さで振り返った。 「……」 「……も、もこう?」 勝ち気な赤い瞳がじっと見つめてくる。桜色の唇をきゅっと閉じているせいで表情がない。そのくせまっすぐだ。 俺の邪念を見ているかのような視線に気後れし、一瞬目をそらしてしまうと、妹紅はそのタイミングを見計らったかのように立ち上がった。 こちらを見ずに一言。 「今日は私が作るよ」 「あ、ああ」 手近にあったひもで髪をひとくくりにまとめあげた妹紅は、またしても逃げていく。 所在なく俺の手は宙に浮いた。 他にもある。今日のお昼もそうだった。 俺と妹紅は、絶対にご飯を共にすることにしている。家で食べる朝と晩は言うに及ばず、互いに仕事やら用事やらで出かけていることの多いお昼ですら、待ち合わせをしてお弁当を食べていた。「執念すら感じられるわ」とは、以前食事場所として神社の縁側を提供してもらった某巫女さんのお言葉だが、別に無理をしているわけではなく、俺たち2人は好きでこうしている。2人で食べるご飯はおいしいのだ。 今日の昼食場所は里の広場だった。普段は子供の遊び場、お昼時は働き人たちの休憩場所であるそこには、俺たち以外にも家族連れやら大工連中やらがお昼をとっていた。 俺と妹紅は適当な場所に座り、草の上にふろしきを広げた。 「はい」と妹紅がそっけなくお弁当を渡してくれる瞬間は至福だ。その場にいる誰よりも幸せだと胸を張って言える。 「今日は魚が余ってたから、味噌づけにしてみたんだけど」 『妹紅が作る料理なら何でもおいしい』などと漏らせば大げさだと怒られるので言わないが、気持ち的には十分そうだった。一緒に暮らすようになる前の妹紅は料理が大の苦手だったのに、今では努力して作れるようになってくれたという事実を加味すれば、感謝の言葉を100以上は言いたくなる。 だが、過ぎた言葉は互いに胸やけを起こすだけなので、 「いつもありがとう」 一言お礼を言うだけで済ませる。「ん」と短く返事をした妹紅。 ちょっと味の染み込んでいない鯖の味噌漬づけに、2人して苦笑いした。 問題はこの後だ。 お昼を食べた後はまどろみタイムが始まる。午前中あったことをだらだらと喋ったり、晩ご飯について相談したりするのが常なのだが、今日はお互いに何も話さず寄り添っていただけだった。周りの視線も何のその、むしろこの可愛らしい彼女がうらやましいだろう! などと内心思いつつ、俺は午後から使う資料の確認をし、妹紅は俺の肩に頭を置いて目をつむっていた。 会話がない時間も悪くはない。肩にかすかに感じる重みはとても愛おしいし、少し視線を横に向ければ、身体を心ごと預けてくれている少女がいる。それ以上を望めば欲張りというものだ――まあ俺は欲張りなわけだが。 資料の確認が終わって手持ちぶさたになると、肩の1点に感じられる体温をもっとたくさん受け止めたくなった。そのためには後ろから抱きしめるのが1番いい。相手を自分の両足の間に座らせて、両手いっぱいにその身体を抱え込み、首筋に顔をうずめる。彼女の温かさと香りを一身に受け止められるその行為を想像しただけで幸せになれて、俺はさっそく実行に移していった。 小さな頭を肩からおろさせ、横を向いた時だった 「……○○」 妹紅が俺の名前を静かに呼び、またしてもその赤い瞳でこちらを射抜いてきたのだ。 横流しの瞳は、朝と変わらず直線的で鋭い。頬は強ばり、唇を引き締めているのは何かを我慢している証拠で、それが示す事実に俺は愕然とした。 が、それを表情に出してはいけない。気合を入れて表情筋を引き締める。 「そろそろ行くかなー」 前に出した手を引っ込め、そのまま上にやって背伸びする。ばればれの誤魔化しだけれど、そうするしかない。 すると妹紅は明らかに緊張を解き、次には気まずそうに顔を背けた。 「……だね、私も道案内があるから、戻るよ」 そう言って弁当箱を片づけ始める妹紅。 俺は気づかぬふりをしていた。色々なことを。 もちろん、相手の気持ちを無視してまで自分の気持ちを押し付ける気にはなれない。そこまでわがままではない。 が、心は痛い。 ※ 夕方の寺子屋は物寂しい。子供がいなくなった学校の静かさは外の世界も幻想郷も変わらない。 とうとうと俺の口から出てきた言葉たちは、相手に届くや静けさに溶け込んでいく。 「それを聞いた私にどうしろというんだ」 書類をひもで縛り上げた慧音さんが憮然とした表情で言った。俺は肩をすくめ、自分に割り当てられた書類の束を積み重ねていった。 オレンジ色の光が窓から差し込み、事務室の机を明るく照らしている。部屋の中を乱反射する太陽光。ひもを持つ自分の手がじんわりと汗をかいていることに気がついた。 授業終わりの後片付け。今までたまっていた書類を廃棄するための作業ももうすぐ終わる。今俺がまとめようとしているのが最後の束だった。 慧音さんが椅子に座ってじっとこちらを見ている中、俺は淡々とひもを結んでいった。 「ただの独り言のつもりだったんですが」 我ながら苦しい言い訳だと思う。どこの世界に自分の悩みを独り言でぶつぶつ言う人間がいるのか。 慧音さんも呆れ気味だ。 「なら、いくつか浮かんだ『言いたいこと』を言うのをやめておくとしよう。独り言に返事をするのはよくないと聞くしな」 「……えーと」 「聞きたいか?」 「はい」 「素直でよろしい」 口ではかなわないなと思いつつ、作業の手を止め、慧音さんと向き合う。 細くて綺麗な人差し指が、ビシッとこちらに向けられた。 「ひとつ。いい加減、普段のイチャつきっぷりを語るのはやめてくれ。恋人のいない私へのあてつけに聞こえる」 「そう、ですか? そんなつもりはなかったんですが……」 ならどんなつもりだ、と慧音さんの目が問いかけてきたので、俺は逆に「今の話の中にイチャつきっぷりがありましたか?」と問いかけてみた。 すると慧音さんは苦虫を3匹ほど噛み潰したような顔をした。 「あったとも。一緒に寝ているやら、寝起きの妹紅がかわいいやら、昼食はいつも一緒やら……お前たちが好き合っているのは分かったから、これ以上惚気話の飴あられを振りまかないでくれ」 「ははは、了解です」 頭を掻いて反省。気付かぬうちに自分の心のままに話していたようだ。自重しなくては。 けれどそうなるのは、慧音さんに頼りがいがありすぎるからだとも言いたい。昔からどれだけ格好の悪い相談をしても真面目に答えてくれた慧音さんの前でなければ、間違ってもこんな独り言はしない。 実際、書類をひもで縛る作業が終わっても、慧音さんは帰ろうとしない。俺が書類運びを止めて椅子に座っても、叱らない。受け入れてくれる。 だから頼っちゃうんだよなあ、と思いつつ、慧音さんが口を開くのを待つ。まだ『ひとつ』だ。 「もうひとつ」 慧音さんは指で『2』を示した。 「妹紅がそういう態度を取るようになったのは、いつごろからだと言っていた?」 「えーと、1週間ぐらい前です」 「正確には?」 「6日と半日ですかね。6日前の朝から、なんだかおかしかったような」 慧音さんの眉がぴくりと動いた。 「……」 「慧音さん?」 「その前の日、私とお前たちとで夕食を食べたな?」 ああ、そんなこともあったな、と思い出すと共に少し自嘲する。 確かに、俺、慧音さん、妹紅の3人で居酒屋に行ったのはちょうど1週間前だ。久々のお酒を、恋人および敬愛する人と一緒にできるということでやけにテンションが上がった。似合わないお酒をがぶがぶ飲んで酔いつぶれてしまい、妹紅に背負われて帰るという男として情けない結果になったので、記憶の底に封じ込めたかったのだが。 思えば、その翌朝、二日酔いで苦しむ俺にかいがいしく水を渡してくれた妹紅に感激し、後ろから抱きつこうとして逃げられたのが悲劇の始まりだったか。 「……ふぅ」 難しい顔をした慧音さんが軽くため息をついた。 いきなりどうしたのかと心配していると、慧音さんは続けて「さらにひとつだ」と指を『3』にした。 「お前は、妹紅をどう思っている?」 「大好きです」 即答するが、慧音さんは驚きすらしていない。聞き慣れているのだろう。 「それは分かっている。だが聞きたいのはそういうことではない。さきほどの話で散々恋人の魅力を語っていただろう。あれは本心か?」 「そりゃあ、もちろん」 「それを妹紅本人に言ったことは?」 「……そういうのをあからさまに言うのって、恥ずかしくないですか?」 何を言っているのだこいつは、という顔をされてしまった。これはちょっと落ち込む。 確かに散々語っておいて今更かもしれない。妹紅の魅力を話の肴にすれば、3日徹夜できる自信もある。 だが、それをそのまま本人に言うのはどうにもためらわれるのだ。 過ぎた言葉は真実味を失う。褒め言葉も繰り返せば嘘に聞こえる。「かわいい」「きれい」「魅力的」……色々と言葉は浮かぶけれど、どれもこれも陳腐で軽く聞こえるような気がしてしまう。だから妹紅本人にはなかなか言えない。 かっこつけていると言われるかもしれないが、妹紅のお相手として、軽薄な男にはなりたくなかったのだ。 「では、あまりそういう話はしないのか」 「言葉ではなく態度で示していますので」 「……そういうことか。まったく世話の焼ける」 小さくつぶやきつつ、眉間を指で揉む慧音さん。頭痛でもするのだろうか。 少し間を置いて、慧音さんはさらに質問した。指は『4』。 「お前はやけに後ろから抱きつくことにこだわっているようだが、なぜだ? 前からでもいいだろう」 「全然違いますよ!」 俺は思わず大声を出してしまった。 前からと後ろから。このふたつは似ているようでいてまったく違う。 前から抱きしめることは、気持ちのぶつかり合いだ。どれだけ相手の体温を奪えるのか競い合っているようなもので、2人の関係は対等である。もちろんこれも悪くはない。互いに求め求められていることがよく分かり、とても幸せな気持ちになれる。 一方、後ろから抱きしめるのは相手を大きく自分の中に包み込むような感覚に近い。髪ごと彼女の身体を抱きしめて、思いっきり頭を撫で回して……その時の妹紅の安らいだ顔といったら、それはもう可愛らしくて。 「ああ、分かった分かった。そう力説するな」 げんなりした顔で手をふりふりと振る慧音さん。俺としてはまだまだ説明し足りないのだが、やりすぎて怒られるのもまずいので黙っておく。後ろから抱きつくことが俺にとって大事だと分かってくれればそれでいい。 慧音さんが少し考え込む。その顔からはそろそろ答えが出てきそうな雰囲気が漂っていた。これは相談して正解か? なんて期待していると、ふぅという美女のため息が出た。『5』。 「では、これが最後のひとつだ。まさかとは思うが、自分が妹紅に嫌われたなどと思っていないだろうな?」 突然核心を突かれて、俺は言葉を失った。 言葉にせず、心の底で溜めていた思いを、ちょっと相談しただけで見抜くとは……さすが慧音さんだ。 薄い水色の瞳がじっとこちらを見つめている。あくまで俺の答えを待つつもりなのだろう。 ならば正直に話すまでだ。 「……頭によぎったことはありますけど、そうじゃないと思いたいです」 「ほう?」 「嫌われたなら、一緒に寝てはくれないだろうし、いちいち昼食の度に待ち合わせをしてくれないはずです。そもそも一緒に住んでくれもしないでしょう。妹紅はそういうところが直情的ですから」 「ああ、そうだな」 俺と慧音さんは互いに微笑んだ。妹紅のことを知っている者同士、通ずるところがあるのだ。 が、俺は笑みを浮かべたまま胸の底の淀んだ感情を口にした。 「同時に、妹紅が笑顔を浮かべることも、あっちから抱きついてくることも減ったような気もします。だから俺は思いました。もしかしたら、好きの度合いが減ったのかもしれないって。何か、妹紅の嫌がることでもして、愛情が薄れたのかもと」 「ふむ」 「今はまだ好きでいてくれてるんだと思います。けれど、愛情がどんどんと薄められていって、最後にはって思うと、すごく不安でもあって」 ギギッという音が部屋に響いた。慧音さんが椅子から立ち上がった音だった。 話の途中で中座するという彼女らしくない行為に、俺は驚いて言葉が喉で詰まった。 「……まったく、いつまで経っても」 慧音さんは何事かを呟きつつ、廃棄書類の山に近づいていく。そして山の頂から3つの束を片手で持ちあげ、おもむろに外への扉を開けた 俺は思わず「慧音さん?」とすがりつくような声をあげた。 振り返った慧音さんは、何をくだらないことをという顔をしていた。 「さっさと家に帰って後ろから抱きつくなりなんなりしてこい」 「え、けど」 「『お前たちは相変わらずイチャイチャしている』『1週間前から突然嫌がるようになった』『お前は妹紅に自分の気持ちを告げることが少ない』『後ろから抱きつかれた時の妹紅は可愛らしい』『妹紅はお前を嫌っているわけではない』」 指を1本ずつ立てながら、これまでの質疑応答を流々とあげ連ねていく慧音さん。 「えーと」 「まだ分からないか……いや、決定的な事実を知らないお前に推測しろというのも無理があるのかもしれないな」 何のことか分からず戸惑うしかない俺に、慧音さんはしょうがないという表情で笑った。 「お前が妹紅に嫌われてないかと心配しているなら、妹紅も同じような心配をしているということだ。ほら、まずは運ぶぞ」 顎で書類の山を指し示し、慧音さんは外へと出て行った。運べということなのだろう。俺は慌ててふた束を抱え込み、後を追った。 気付けば、オレンジ色の光は空から消えていた。鰯雲が端から端へと伸びていて、沈みかけた太陽が紺から黒へのグラデーションを描いている。もうすぐ夜だ。妹紅が家に帰ってくるまでそう時間はない。 ゴミ捨て場への道すがら、慧音さんは子供に言い聞かせるような調子で話を始めた。 「居酒屋で夕食をとった夜、こんなことがあったんだ」 ※ それは○○が酒に酔ってつぶれた後のこと。 すでに宴の盛りは過ぎていた。周囲の客はまばらで、居酒屋にしては騒がしくない。眠る○○。その彼の頭を撫でる妹紅と、対面に座り眺める慧音。机には食べ終わった皿がいくつも重なっている。 慧音と妹紅は静かにコップを傾け、気が置けない会話を進めていた。 「すー、すー」 「よく眠っているな」 「だね……久しぶりに慧音と一緒に飲めて、楽しかったんだと思う」 「妹紅、お前は楽しかったか?」 「もちろん。○○がこんなにお喋りになったのは、久しぶりに見たしね」 「ん? ○○はいつもこうだと思うが」 いつも「妹紅が」「妹紅が」とイチャつき話をしてくる○○。それを知っている慧音には少し引っかかるところがあった。 探りを入れる意味で、慧音は「ああ、長く一緒にいれば会話も必要ない、か?」とからかい気味に言ってみた。 すると妹紅の表情にかげりが出てしまう。 「そうだといいんだけどね」 「まさか、本当に会話がないのか?」 「そうじゃないよ。普通に話はする。けど……私たち、お互いに自分の気持ちとか感情を言葉にすることが少なくってさ。それはそれで気楽なんだけど、時々不安になることもあって」 「言葉はなくとも、お前と○○は仲が良すぎるぐらいだと思うが」 「ん……そうかな」 笑って日本酒を少し口に入れた妹紅。酔いのかけらも見えないその顔には、確かに不安が滲み出ていた。 これは話を聞く必要がありそうだと、慧音が追加のお酒を頼むと、今までずっと妹紅に頭を撫でられていた○○が唐突に身じろぎした。 「んんっ」 「っと、○○が机から落ちる」 「あ、いいよ慧音。私が」 「こ――か――いい」 ぶつぶつと○○の口から何かが漏れ出ていた。 何だ?と顔を見合わせた慧音と妹紅は、そっとそれに耳をすませてみる。 「――もこ――かっこいい――わいい」 どうやら寝言のようだ。夢の中でまで妹紅といちゃいちゃしているとは筋金入りだな、と慧音は笑う。 だが、○○を支える妹紅が動きを止め、目を見開いていることに気づいた。 何に驚いているのだろう、いつもの彼だろうに。 目をつむる妹紅。○○を机に戻すと、今までに見たこともない、愛情たっぷりの微笑みを彼に向けた。 「かっこいい、か」 「妹紅?」 「さっきの話の続きだけどさ」 妹紅は確かな決意の感じられる瞳で、とつとつと語った。 「私、自分が人に好かれるとか全然考えたことがなかったんだ。慧音みたいに色っぽくもないし、女らしさもない。悔しいけど、輝夜の方が美人だとも思う。昔は料理すらできてなかった……なのに、○○は私を好きだって言ってくれた。嬉しかったけど、変にも思った。私なんかのどこを好きになったんだって」 「それは卑屈になりすぎだ」 「だね。○○とそういう話をしたことがないから、卑屈になっちゃうのかも。だから、考えないことにしてた。○○は私の何かを見て好きになってくれたんだと、そう信じて」 けど、と妹紅は○○に揺るぎない目を向ける。 「今日、ちょっと分かったよ。私、○○の好きな自分でいたいって、そう思う」 「そんな風に気負わなくても、○○は」 「いいんだ。もう決めたから」 慧音にはそれ以上何も言えなかった。○○をしっかりと見据え、彼の存在ごと確かめるかのように頭を撫で続ける妹紅に対し、かける言葉が思い浮かばなかった。 恋する女性は、時に人を圧倒させる強い意志を持つ。それを変えることができるのは、同じように恋する者のみなのだ。 ※ 飛び込むように自宅の扉を開けた時、いの一番に探したのは愛する彼女の姿だった。 乱れる呼吸も流れる汗も気にせず、目を右往左往させて彼女を探した。夢中だった。 「おかえり。今日はちょっと遅かったんだね」 いた。藤原妹紅は台所に立ち、こちらを振り返ることなく包丁で何かを切っていた。普段着の上に割烹着をつけている。夕食の支度だろう。お肉の焼けるいい匂いがしていた。 「今日は良い牛肉が売ってたから、たまには豪勢に肉料理でもと思って」 「妹紅!」 靴を脱ぎ、一気に台所へと進入した俺は、そのままの勢いで妹紅の後ろに迫り、がばっと腕を広げた。 「!」 もちろん妹紅がそれに気付かぬはずもなく、とっさに包丁をまな板の上に置いて逃げようとする。が、そんなものは俺にとって何の障害にもならなかった。 妹紅の首筋に腕を回し、彼女の胸の上辺りでクロスさせる。そのまま華奢な背中にしっかりとひっついて、思いっきり抱きよせた。 白い髪が俺の顔をくすぐった。 「ななな! 何を!」 腕の中でじたばたと暴れる愛しい人を、しっかりと抱きしめる。1週間ぶりの感触に心が沸き立ち、もう止まらなかった。 「ちょ、○○、やめ……料理中で……!」 「妹紅を抱きしめるのはやっぱりいいなあ!」 「ななっ! ああ、もう!」 妹紅の身体が急に熱くなっていく。体温の熱さじゃない、妖術の炎で、俺を無理やり引っぺがすつもりなのだろう。 だが俺はそれでも離れるつもりなんてなかった。ためらう理由はもはやない。1週間も我慢していて、もう限界だったのだ。今は妹紅分をずっと補給していたい。 しかしまあ、焼かれるのは勘弁してもらいたいので、彼女の耳元に口を寄せることにする。 「俺はそのままの妹紅が好きなんだ」 妹紅の動きがぴたりと止まった。 やや見開いた目を真横に向け、こちらを見ている。驚いているようだ。かわいい。 俺は続けてささやいた。 「無理をして自分をとりつくろったり、我慢したりする必要なんかない」 抱きしめる力を少し強くする。妖力の熱はすでに引いていた。 代わりに出てきたのは心の熱。温かい。 「俺はかっこいいのが好きなんじゃない。妹紅が好きなんだ」 それからしばらく抱きしめ続けていると、妹紅の身体のこわばりが徐々に取れていった。 さらに続けると、ついにはぐったりとしてしまう。 これが後ろから抱きついた時の常だ。この状態の妹紅はもはやふにゃふにゃ。 顔を背けてしまったので今の表情は分からないが、耳まで赤くなっていることから彼女の内心は推し量れる。 「……」 「……」 「慧音に聞いた?」 「うん。聞いた」 「むぅ、慧音のやつ」 拗ねたような声がかわいらしくて、つい頭を撫でつけてしまう。 すると熱のこもった吐息がその小さな口から漏れ出た。文字にするなら『はふぅ』だろうか。 あまりにかわいすぎた。 「もーこー」 「うぅ……顔は見ちゃダメ。今、私すごいかっこわるい顔してる」 「『かっこわるい』じゃなくて、『かわいい』だ。やっぱり俺の言ったことを気にしてたんだな」 分かってしまえば簡単なことだった。 『1週間前』のあの寝言を聞いた妹紅は、俺が普段『自分の気持ちを告げることが少ない』せいで、とんだ思い込みをしてしまった。俺が妹紅を好きな理由を、「かっこいいからだ」と思ったのだ。 だからそういう自分でいるように努力していたのだろう。『俺を嫌っているわけではなかった』。むしろ好きでいてくれたからこそなのだ。 振り返れば、確かに最近の妹紅は妙に取り澄ましたようなところがあった。『相変わらずイチャイチャとはしていた』が、そんな中でも凜としていたというか、背筋を伸ばしていたというか。(そういう妹紅も十分魅力的だが) しかし、そんな彼女の努力を一度に台無しにしてしまう行為があった。それが、『後ろから抱き着かれること』だ。 「こんなの我慢できるわけない。顔が勝手にへらへらしちゃって」 不機嫌そうに呟く妹紅。 しかし逃げようとはしない。 「そういうこと聞くと、ますます抱きつきたくなるねえ」 頭をぐりぐり撫でると、妹紅は一層耳を赤くさせた。 「むぅ……かっこいい、わるい関係なく、自分がどれだけ○○を好きかって思い知らされるのって、恥ずかしいんだからな、もう」 『かっこいい自分』を崩されるのを防ぐために、俺が後ろに立つのを嫌がった――分かってしまえば簡単なことであり、身悶えしそうなぐらい嬉しいことだった。 だが、他方で反省もしなくてはなるまい。軽薄に思われたくないと黙ってばかりだったせいで、妹紅を不安にさせてしまったのは明らかな俺の落ち度だ。これからはもっと積極的にならなくては。 ああ、けどまあとにかく今は。 「あー、こうしてるだけで幸せだ」 「まったく、もう……私もだよ」 妹紅を、思う存分抱きしめよう。 ※ 「結局○○は私のことをどう思ってるの? あの寝言は嘘?」 「いや、妹紅はかっこいいと常々思ってるぞ」 「え、だったら」 「かっこいいし、かわいくもあるし、可憐でもある。そして何より愛してる」 「うぅ」 「けど、そうだな、あえて言うなら」 「言うなら?」 「かっこかわいい、だな」 「何それ……ふふっ」 ※ 1週間前と同じ夕焼けが寺子屋の事務室を照らしていた。部屋中がオレンジ色に染まり、慧音の足下から影が伸びている。 夏の日にありがちな風景。○○がいないことと、いらない書類が減ったこと以外は何も変わっていない。 椅子に座り、重たくなってきた肩をぐるりと回した慧音は、だからこれもありがちなことなのだと今の状況を納得せざるを得なかった。 目の前にいる白い髪の友人は、先ほどから熱心に自分の思いを言葉にしている。時々混じる彼氏への惚気には思わず辟易するが、長年の友人を無視するわけにもいかないので、仕方なく耳を傾け続けた。 「ふむ、つまり」 ようやく終わった長い話を頭の中で整理し、簡潔にまとめてみると、 「『○○が以前にもまして抱きついてくるようになったせいで、もうずっとドキドキしっぱなしで困る』というわけだな」 なんとも反応に困る相談事だった。 友人は赤い顔をしてうつむいている。 「……ふぅ」 1週間前と同じため息をついて、同じようにいくつかの言いたいことを頭に思い浮かべる。 まったく、いつまで経っても――この2人は倦怠期にならない。愛は深まるばかりだ。 「では、まずひとつ」 人差し指を立てながら、慧音は密かに決意していた。 可及的すみやかに自分も恋人を作らなければなるまい、と。 でなければ、いつか10本の指では足りなくなるような気がしていた。 かっこかわいい! Megalith 2013/01/03 あんなぶっきらぼうな奴のどこがいいの、とよく聞かれる。(主に月の姫様に) 確かに彼女には少々人当たりのきついところがあるかもしれない。基本的に人助け以外で自分から人と関わろうとはしないし、初対面の人相手だとあまりしゃべらず、親しくなっても自分のことはほとんど話さない性格だ。無口というわけではないけれど、少々そっけない。俺相手でもそこはあまり変わらない。 それに、あの美しさが人を引け目にさせる。白い肌の上に浮かぶピンク色の唇。それをきゅっと真一文字に結んだ彼女が、どこか冷めている赤い瞳をジロリと差し向ければ、誰だってその残酷な美しさに気圧されてしまうだろう。俺はむしろ見惚れるけど。 あの人があなたに愛の言葉をささやく場面が想像できない、と言われたこともある。(月の兎に) うん、それはそうだ。俺だってめったに聞かない。前に聞いたのは……もう3ヶ月も前になるだろうか。 それも全然イチャラブしたものではない。休日のある日、暇を持て余していた俺が、本を読んでいる彼女をむりやり後ろから抱きしめていたときのこと。俺は彼女の名前を呼びつつ、頭をくしゃくしゃと撫で回していた。彼女はページをめくりながら「んー」とされるがままになっていた。そんな時、不意に「好きだぞー」と言うと、彼女は本から目を離さないまま呆れ調子で「んー、私もー」と答えてくれた。 ただそれだけである。 頬を赤らめた女性が、おずおずと自分の恋心を打ち明ける――なんて、安い恋愛ドラマのような出来事は、俺たちの間で一度も起こったことがない。 あんたたちが付き合うことになったのもひとつの異変かしら、と不思議がられたこともある。(博麗の巫女さんに) 手をつないでいるところなんて見たことないけど、本当に付き合ってるのか? と聞かれたこともある。(黒白魔法使いに) そんなんで本当に幸せなのかウサ? と笑われたこともある。(竹林の不審な小兎に) まあ、彼らがそう言うのも仕方ないのかもしれない。彼女はひとりだちしているというか、孤高というか、そんな人だ。白い髪をひるがえし、赤い炎を全身からほとばしらせる後ろ姿からは、「1人でいても大丈夫。むしろそうしている」という雰囲気すら漂わせている。 炎は触れる人の手を焦がしてしまうもの。 そんな彼女のそばに、火傷しながらもしつこく居座っている俺は、相当奇特な人間だろうか。 しかし、どうとでも言えばいい。結局、俺は彼女のことが好きだし、彼女も俺のことが好きなはず。そう信じている。 愛も語ってくれない女性を、どうして信じられるのかと、不思議に思う人もいるだろうか? そういう人にはこう言ってやろう、「恋愛なんて人それぞれ」だと。 もちろん、ありきたりな恋人同士のじゃれつきや、ありふれた愛の言葉も、立派な愛情表現だ。というか俺自身、彼女相手に抱きついたりして、やりすぎとも言えるぐらいにイチャつこうとしている。自分の気持ちをストレートに伝えるなら、それが一番だと思っていたから。 だが、彼女との付き合いから気付かされた。行き過ぎた愛情表現だけが、心と心が通じ合っている証拠じゃないと。 気付いてから不安なんてなくなったし、より彼女を愛せるようになった。 よく分からない? だったら実例を出してみよう。 例えば、外を散歩しているときのこと。 最近は特に風が冷たくなってきたけれど、そんな中でも俺たちはあまり手をつなぐことがない。お互いに別々の手袋とマフラーをつけ、「寒いね」「うん」などと短い言葉をかわしながら、ただ隣り合って歩いている。 手もつながず、恋人同士っぽくない? いやいや、この『隣り合って』というところが肝心なのだ。 同じ目的地に向かって、歩調を合わせる。少し離れれば、すすっと近づく。思わずぶつかれば、それとなく距離を取る。横を向けば彼女の顔があり、声をかければ容易に届く。そんな肘と肘が触れ合うぐらいの距離を、いつまでも保っている。 意識してやっているわけじゃない。「隣を歩こう」とどちらかが言ったわけでもない。彼女が隣にいる。それが息をするのと同じくらい自然になっているのである。 ここに俺たちの関係のすべてが詰まっている。 まだ分からない? ならもう一つ。 例えば、夜。仕事から帰ってきたときのこと。 俺たちは別々の布団で寝ている。お互い、仕事や用事やらで就寝時間がずれることが多いため、2人で話し合ってそうするようになった。(時々はひとつの布団に入ることもあるけれど……その話をここではすまい) だから、帰宅すると彼女がすでに眠っている、なんていうことも日常茶飯事。 なんと寂しいと人は言うかもしれないが、そんなことはない。 眠っている彼女のそばに座り、そっと頭を撫で、白い髪に指を通す。すると、彼女の寝顔が子供のそれのようにやわらぐのだ。 出会った頃はこうじゃなかった。起きている時も寝ている時も、近づこうとするとすぐに気配を察知され、警戒されていた。「あのお姫様の刺客か?」なんて疑われ、あやうく炭にされそうなこともあった。 それが今では、こんな風に無防備で寝てしまうぐらいに、自分のことを信頼してくれている。 こんなに嬉しいことはない。 他にもたくさんある。 例えば、慧音先生から聞いたこんな話。 「お前といる時は、いつもより声が優しげだと思うよ」 例えば、稗田のお嬢様から聞いたこんな話。 「あの方のお話は、最近あなたのことばかりですよ」 例えば、里の男から聞いたこんな話。 「なんか前より綺麗になった気がするんだよなあ」 例えば……後ろから抱きついた時。 妹紅は少しだけ、体重をこちらに預けてくれる。 もっと挙げてほしいというのなら、いくらでも。 あからさまな「愛してる」も、激しい肌の触れ合いもない。日常のあちこちに見られるささいなことばかり。けれど100の言葉よりも、100の触れ合いよりも、よほど彼女の心が感じられる。 だって、ささいなことだからこそ、嘘偽りのない本心が映し出されているのだから。 さりげなくも確かな愛情。それに応えるために、愚鈍な俺は今日も「好きだ」と叫ぶ。 そして彼女は目を逸らすことなく、しっかりとこう答えてくれる。 「はいはい、私も好きだよ」 苦笑いもまた、ひとつの愛情かな? 今年もよろしくお願いします うpろだ0076 時々、昔のことを思い出すことが多くなってきた。 これまでの自分の足跡を振り返ってみても、そう大層なものじゃないけれど。 ふと、どこか昔にあった景色、色、形を目にすることで、自然に思い返すことが増えた。 決して良かったなんて胸を張っては言えないが、懐かしさを感じずにはいられない。 閉め損ねた襖から差す、朝焼けの光が天井に伸びきっている。 暗闇とは少し違う、薄暗い一部屋の中で、それが今日一番の合図だった。 あの日も、こんな感じだったはずだ。 「おはよう……」 でも、今日はあの日じゃない。 同じ日はもうやってこないのだ、昔が今ではないように、昔が今ではないように。 時計の針は嫌でも進んでいく。止めることも出来ない。 けれど、目の前にいる奴だけは、昔と何も変わらないでそこにいた。 あの日に見た少女の姿を今もそのままで、ずっと変わらないままで有り続けていた。 昔の思い出の中にある姿は、何一つ同じ。 「……えい」 ただ、それでも同じなのは姿だけだ。 時が経てば経つほど、その内側は違っていった。 あの凍てつくような赤い瞳から向けられる視線は、今はどこにもない。 何処か嬉しそうな、それでいて子供っぽさを隠せずにいる、見た目相応の少女の目だ。 「ないをふぅるの」 「よかった、死んでるのかと思ったよ」 「しぇないでひょ」 「そうね」 クスクス、とそう笑う彼女は、それで満足したらしい。 ゆっくりと掴んでいた俺の頬を離して、指先でゆっくりと労わるように撫で上げた。 能面みたいだと、まるで人形のようだと、初対面でそう感じたあの気持ちは、どこかに行ってしまった。 目の前にあるのは、悪戯が好きな、触れ合うことが大好きな、無邪気な少女だ。 「私は昨日死んでたけどね」 「知ってる」 「えっ」 「姫さんに持って帰ってくれって、頼まれた」 そう言うと、彼女は眉間にしわを寄せて不機嫌そうな顔をしてしまった。 どうやら俺が姫さんと話をしたのが気に食わなかったらしい。 けれど許してほしい、わざわざ姫さんが彼女を連れて俺を訪ねてきたのだ。 『あんたの連れがまた暴れに来たから返すわ、全く……これだけは変わらないのね』 ぶつくさ言いながらも、俺に預けに来た姫さんは、どこか嬉しそうでもあった。 お互いに暇だから、形はどうあれどコミュニケーションだと考えているのだろう。 こうしてわざわざ遠くから届けに来てくれたのも、悪い思いがあるからじゃない。 でも、彼女は気に入らないのだ。理由は、まあ――――いろいろだ。 「……へぇ、輝夜が来たんだ」 「うん、それですぐ帰ったけど」 「塩撒いとこう」 「助けた相手にすることじゃないな」 きっと姫さんも同じような立場になったら、全く同じことをするだろう。 そんな予想だけはすぐについたけれど、あまり褒められることじゃないので、言うだけ言っておいた。 ただ、その結果として、もっと不機嫌になった彼女が出来上がってしまったのだが。 「何?輝夜の肩を持つの?」 「違う、お礼くらい言っといたらどうって話」 「嫌よ、死んでも嫌」 「その結果死んでるじゃん」 「うるさい」 まあ、このくらいにしておこうか。 あまり言うと喧嘩になりかねないので、程々にして終わらせることにした。 どうも、姫さんの話題を出すと露骨に嫌な顔をするのは、今も変わらなかった。 「妹紅、そろそろ起きるよ?」 そう言って起き上がろうとするが、袖を引っ張られる何かに止められた。 確かめる必要はなかったかもしれないが、一応誰が犯人なのかは見ておくことにした。 当たり前と言われてしまえばそうだが、やはり俺の隣にいる奴以外しかいなかった。 「嫌」 駄々っ子と化した妹紅は、こちらが譲るまで決して動かない。 その教訓と事実を、何度も知り尽くしているからか、今回も同じだろうということを分かってしまった。 妹紅の顔を見れば、いつものあの不機嫌そうな表情とは違う、甘えを含んだ雰囲気を感じ取った。 我儘を言っているというのは、それだけで理解するには充分すぎた。 「……」 「嫌」 何も答えないでいると、二度目の否定が入った。 再度袖を引っ張って、こちらに戻ってこいと、私のいる場所に来てと指し示す。 無理矢理起き上がろうとはしてみたが、それでも行くなと袖を引っ張られた。 分かってはいたけれど、意地でも俺を逃がさない算段らしい。 「嫌、行かないで」 「………はぁ」 明確な妹紅の気持ちを聞いて、それ以上は何もできなかった。 多分、こうして甘やかしているからこそ、彼女もそれを理解しているというか。 自分を分かってくれているということは、知り尽くされていることでもある。 結果など、最初からわかりきっていたことだったのだ。 「分かったよ………っ!」 降参のポーズを取った所、手早く妹紅に引きずり込まれた。 バランスを取る暇もなく、布団の上に叩き付けられた後は、温かい何かに包まれた。 ふわりと、優しく背中に添えられた何かを感じて、安らぎを得た。 何をされたのかを知るまでには、少しだけ時間がかかったけれど、犯人は一人しかいなかった。 「苦しいんだけど」 「離すと逃げるでしょ?」 「逃げないよ」 そう答えたけれど、更に抱く力を強めてきた。 より近くに妹紅を感じてしまって、余計なことが何も考えられなくなっていく。 熱、柔らかさ、匂い、音、声、色といろいろなことが俺にまとめて向かってくる。 ただただ、それを味わうことに一杯になってしまって、他はいらなくなった。 「輝夜と仲良くした罰よ」 俺も抱き返すと、それで満足したのだろうか。 先ほどよりも抱く力を弱めてくれて、少々の息苦しさからは解放された。 けれど、決して離してはやらないと、その一線は超えようとはしない。 「別にそんなつもりじゃないさ、姫さんもそうだって思ってる」 「ううん、アイツはあなたを狙ってる。そうじゃなきゃ、簡単に近づいたりしない」 「そうかな」 「そうよ、絶対渡してやるもんか」 謎の自信を持ってか、そう力説する妹紅。 それが可笑しくて笑ってしまいそうになるが、本人は本気なので止めておいた。 どうも妹紅は姫さんが俺を狙ってる―――――と思い込んでいる。 違うのになぁと、毎回思うんだけれど、全く信じるつもりはないらしい。 曰く、見る目が違うらしいけれど、そりゃ妹紅とそれ以外だと違うだろうと突っ込みたい。 「輝夜に触れた分、私が上書きしてやるから」 そう言うと、頬に軽く何かが触れ合った。 今までの柔らかさとはまた違う、水気溢れる温かさがあった。 短いけれど確かに聞こえた音を耳にして、その言葉の意味を、行動に移した結果を実感した。 「別に触ってもいないんだけどな」 「でも手くらいは触れたでしょ?」 「まあ、受け取る時には」 「やっぱり」 それだけ言って、二回目が始まった。 否定すればよかったのだろうけれど、妹紅に嘘をつくのは躊躇いが出た。 それとも、こうされることを自分も望んでいたのかなと、どこか遠くでも見ていた。 「じゃあ、埋め合わせしてよ」 「………」 我儘は続く。 妹紅が望む限り、俺が嫌だと言わない限りどこまでも終わらない。 しかし、これでようやく見えてきたと、妹紅が何を求めていたのかが自信を持って言える。 ――――――ただ、一緒にいたいだけだ。 「分かったよ、今日は一日付き合うよ」 そう答えると、妹紅は満足したのか。 これでもかって見せつけるくらい、満面の笑みを浮かべて答えた。 「うん!」 今日もまた、妹紅と一緒の日々は始まる。
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(その言葉の意味は分かりかねますが─── ───何故だか、その言葉はとても響きました、とミサカは率直な感想を述べます) 電撃文庫より刊行されている鎌池和馬氏によるライトノベル『とある魔術の禁書目録(インデックス)』、 及びスピンオフ作品『とある科学の超電磁砲』等に登場するキャラクター。上記の名前で「シスターズ」と読む。 アニメにおける声優は 佐々木望 ささきのぞみ 氏が担当。本来は美琴と同じ佐藤利奈氏が演じる予定だったが変更となったらしい。 概要です、とミサカは説明します 作中におけるヒロインの一人、「超電磁砲」御坂美琴の体細胞を用いて作られたクローン達。 他作品で例えると、オリジナルである美琴が草薙京やアドラーであり、シスターズがKUSANAGIやエレクトロゾルダートである。 最初から使い捨て前提で作られている事を考えれば、エレクトロゾルダートには特に良く似ていると言えるだろう。どっちも電気系だし*1。 個体名は「ミサカ○○号」と表記される。単価は18万円。実に安い命である。 そのため、「俺にも売ってくれ!」という紳士たちの叫びを産むことに。あと作中にも存在を知ったら欲しがりそうな淑女が。 『超電磁砲』劇中のある人物の発言から察するに寿命も普通の人間と比べて短いようだが、具体的に何年程度生きるのかは不明。 表情に乏しいが無感情ではなく、基本的に感性は美琴と同じ(漫画の超電磁砲では色々な表情見せたり、美琴のアイスを横取りしたりしている)。 だが羞恥心が無いに等しく、パンツが丸見えになろうが全裸を見られようが平然としている。 挿絵でも結構パンチラの機会が多い。どうもありがとうございます。 また話し方がどことなくぎこちなく、一人称は「ミサカ」で、常に丁寧語かつ台詞の最後に「~、とミサカは○○します」 と自分の心理や行動の説明をわざわざ付け加える。ただし、美琴本人に似たのか稀に毒が混じることも。 容姿は美琴に似ているが目にハイライトが入っておらず、大きなゴーグル(電磁波を視覚化する補助道具らしい)を装着している。 あとオリジナルが短パンなのに対して彼女たちは縞パン。 しかし作中では本当に瓜二つのようで上条などはゴーグルの有無(時には縞パンか短パンか)でオリジナルとクローンを判断している。 ただしインデックスは彼女のことを「クールビューティ」と呼び、オリジナル御坂のことは「短髪」と呼んでおり、 オリジナルと初めて会ったときに「この間のクールビューティに似ているけど違う人だよね」と両者を判断している。 また、声優は違うが設定上は声も同じらしく、劇場版では黒子たちが通信越しに聞こえた彼女の声を美琴のものと認識していた。 能力は『 欠陥電気(レディオノイズ) 』。美琴と同じく電気を操る能力だが、その強度はせいぜいレベル2~3相当(美琴はレベル5)。 レベル0だらけの学園都市ならレベル3でも相当のはずだが、 それでもオリジナルの1%にも満たないらしく、電磁力線の視認などの力もない。 能力名の『欠陥』は、このオリジナルとの性能差に由来するのだろう。 しかしそんな欠陥でも、動物の体表面のノミだけを殺したり、空気中の酸素をオゾンに分解し敵の酸欠を誘うといった程度には器用な使い方ができる。 またクローンである上に同じ学習を施されているため全員が全く同じ脳波と精神構造を持っており、 これを利用して電気操作能力を応用し、「 ミサカネットワーク 」と呼ばれる独自の脳波リンクネットワークを形成しているという、 オリジナルにはない特徴がある。 妹達は常にこのネットワークを通して各個体間の遠距離通信を行ったり、経験や知識を共有している。 また並列コンピュータのように、全体を巨大な演算装置として使うこともできる。 見方によっては ミサカネットワークという一つの意思が全ての妹達を操っている と取ることもでき、現に本人たちもそのように振舞っていたが…。 + ネタバレ注意、とミサカは警告を試みます 元々は筋ジストロフィー(実在する病気。簡単に言えば体を動かす為の電気信号が不調になり全身が動かせなくなっていき、 最終的には心臓等生存に必要な筋肉さえ動かなくなり死に至る可能性のある難病)治療の研究目的という名目で、 病院を訪れていた幼少期の美琴が彼女の電気の能力を買った医者達からの提案を飲みDNAマップを提供したのだが、 それが美琴の意思に反して軍用クローンとして悪用されることに。 その後美琴と同じく学園都市に7人しか居ないレベル5の超能力者であり、 学園都市最強の能力者一方通行を絶対能力(レベル6)へと至らせるための実験に使用される為に生み出された。 その実験の内容は本来はオリジナルの美琴と同じレベルの能力者との戦闘により強化するものなのだが、 前述のとおり妹達の強度はとても低く、同等の成果を得るためには20000回のシチュエーションを変えた戦闘が必要という結果が、 スーパーコンピューター『樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)』の演算により出された。 つまり場所や時間、装備を変えた彼女と戦闘し殺害するということを20000回繰り返すということである。 このため20000体が製作されており、作中ではうち10031体が実験のため一方通行により殺害されている。 その存在は前述の経緯からもおおっぴらにはされてないはずなのだが、 数が数な上に妹達に隠れて行動しようとする気がさらさら無いため「超電磁砲のそっくりさんがたくさんいる」と都市伝説になっていた。 オリジナルの美琴は当初その存在も都市伝説も知らなかったが、 『超電磁砲』作中のある日外部研修中の9982号と遭遇して計画の存在、その日の夜に「実験」を目撃して内容を知ることになる。 激昂した美琴は一方通行に挑むも、圧倒的な能力差に打ちのめされてしまう。 ここから美琴は実験を阻止するため、学園都市にある研究施設を破壊して回るが、 一つの施設を破壊しても別の施設が研究を引き継ぎ、 しかも複数の施設に分散して引き継ぐという方法を取られた為、実験は止まらなかった。 最後は『樹形図の設計者』の破壊を決意した美琴だったが、 既に『樹形図の設計者』は破壊され、多数の演算依頼が処理できずに山積みになっていたことを知る。 (ちなみに破壊したのは3週間ほど前に放たれた大魔法。ある人物を攻撃中に軌道をそらされて偶然命中してしまった。 本人達も知る由はないし、仮にこの破壊がなくとも計画は続いていたはずだが。) 同じ頃上条当麻が10031号と接触。彼女の死(ページ冒頭画像)を目撃したことで実験の存在を知られる(『禁書目録』3巻)。 美琴の行動の意味を知った上条は彼女を説得にかかるが、 美琴は「185回で自分が死ぬという結果が出ているなら、一回で自分が死ねば前提が狂う。 すると研究者が再演算を行おうとするが、それもできないから実験は凍結せざるを得なくなる」と考え、 一方通行との再戦に向かおうとした。 それを聞いた上条は全力で美琴を阻止し、 「 レベル0(無能力者)の自分が一方通行を倒せば一方通行が最強の能力者という前提が狂う 」という結論にいたり闘いに赴くことになる。 結果、美琴の呼び掛けに応じた妹達の生き残りの協力もあって上条により一方通行が倒された事で実験は中止。 残った妹達はその大半が学園都市内外の施設へと引き取られた。 この戦闘で入院した上条は「美琴がDNAマップを提供しなければ彼女たちも生まれなかった」と美琴に諭した。 この経緯をミサカネットワークを通じて全員が体験した結果、1万人弱のクローン体全員が上条に惚れるというカオスな事態に。 前述したミサカネットワークの影響か、当初は個別の感情というものが希薄で、 特殊な個体を除く全員が一つの感情や思考を共有する郡体生物のような性格であったが、 学園都市の超有能な医者「カエル顔の医者」こと「冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)」の下に引き取られた4体が、 彼の個人的な趣向である「女性は痩せているほうが優秀である」「そして男性は優秀な女性を好む」 という言葉を真に受け、それをミサカネットワークを通じて全員が知り、ダイエットに励むことに。 結果として個体差が生じ、個性のようなモノが出来つつあるようだ。 美琴と違い上条へは攻撃的な態度はとろうとせず素直な態度で、むしろ姉とは違う道を選ぶとさえ宣言している。 ただし美琴のことも別に嫌ってはおらず、どころか自分達のオリジナルであり自分達のために戦ってくれた彼女を尊敬し慕っている。 また能力こそオリジナルより劣るが、実験のために与えられた記憶と10031回に渡る一方通行との戦闘経験により、 兵器・銃火器類の扱いや体術などでは美琴本人を上回っており、 さらにミサカネットワークによる一糸乱れぬ統率力もあって軍事作戦の実働部隊として優秀である。 因みに、『上条によって計画が中止され、その結果妹達が世界中に散らばる』という状況は、 学園都市を操る黒幕の計画の想定の範囲内だったらしく、 世界中に散った妹達のミサカネットワークを使った仕掛けが登場したりしているが、 非常にややこしいことになるため、ここでは割愛する。 通常個体で登場の機会が多いのは10032号(上条対一方通行で本来死ぬ予定だった個体)であり、特に区別して「御坂妹」と呼ばれる。 「みさか」で妹だがこの人とは無関係。 見分けをつけるようにするため上条にネックレスを買ってもらったが、 本人は指輪(左手の薬指にはめるものであろう)が欲しいと思っていたり、 もらったネックレスを美琴に見せびらかし、さらには自分から上条の腕に抱きついたりと、 妹達のみならず作中ヒロイン全体を通しても強く上条に対する想いを表現していたりする。 また、19090号は『超電磁砲』にて美琴とは違う方法で計画阻止を図った人物により感情データを入れられており、 彼女の感情は打ち止めを介しない命令として拒絶されているため一人だけ特に感情豊かな個体となっている。 女性週刊誌のダイエット効果により一人だけ他の個体よりちょっとスリムになったり。ファンからの愛称は「抜け駆け」。 他、彼女とミサカ10039号、ミサカ13577号、御坂妹が共に「カエル顔の医者」に預けられている。 ロシア編ではミサカ10777号が登場。ロシアの学園都市協力機関に預けられていた一体で、とある事情からロシアにやってきた上条や美琴に協力。 遠距離恋愛組は辛いなどの愚痴を溢す場面も見られた。 その他のミサカシリーズです、とミサカは紹介します 通常の個体の他にも「打ち止め(ラストオーダー)」や「番外個体(ミサカワースト)」といった特殊な調整を施された個体が存在する。 「打ち止め(ラストオーダー)」に関しては個別項目参照。 + ミサカ、番外個体(ミサカワースト)の説明に色んな所が勃っちゃいそう☆ 番外個体(ミサカワースト)は打ち止めとは逆にやや成長したような姿(高校生ぐらい)で、目つきは鋭く、目の下には濃いクマがある。 能力も(後述する理由から)通常の個体よりかなり高く、レベル4相当。 ミサカネットワークからは負の感情を優先して拾うよう調整されており、一方通行に対して強い憎悪を持つ。 悪意・敵意を抽出しやすく調整されている為か言動は下品かつ粗暴で、嘲笑・挑発が十八番。 学園都市に対して反旗を翻した一方通行を殺害するためだけに製造され、ロシア編にて実戦投入。 打ち止めの一件で妹達を守ると決めた当時の一方通行にとっては最悪の相手であり、彼を精神的・肉体的に苦しめた。 最終的に和解し、一方通行らと共に黄泉川家で共同生活を送っている。 前述通り「悪意」を拾う性質のためかいたずら好きな一面を見せており、 『新約禁書目録』では特に黒夜海鳥に対しいじめっ子の如く振る舞っている。 でも「悪意」を拾ってしまうので打ち止めがだだこねたりすると思いっきり影響を受ける。 具体的には、一方通行と出かけたがる打ち止め本人をぶっ飛ばして自分が一方通行と出かけたりする。そして凹む。 また、誕生の経緯などから上条に対してはかなり複雑な心境の模様。 口が悪く他の個体のような特徴的な口調は持たないが、それでも相変わらず一人称は「ミサカ」である。 体格に伴って戦闘力の方は他の妹達と違い( そして美琴と違い )中々のもの。 新約3巻では「クローンに劣るオリジナルってどうなの?」と美琴本人に突っ込み、「乳のことか」と問われると更に「出番の話かもねー」と返した。 本人曰く使用された成長促進剤が違うらしく、他の妹達や美琴もこうなる保証はないようだ。 まあオリジナルの母親がアレなので彼女たちにも遺伝子的には希望はある、ってミサカはミサカは(ry また、ミサカネットワークから切り離されている00000号(フルチューニング)という個体がいるようだが、登場しておらず詳細不明。 これとは(おそらく)別に、クローンの寿命を伸ばすための研究に用いられた0号という個体も登場した。 ギャグ番外では、作り過ぎて捨てられた「捨てミサカ」なるミサカ50020号なども登場している。 ちなみにオリジナル御坂は妹達の事を秘密にしているため、上条のように直接出会った場合を除けば彼女の知人、 友人はその存在を知らない(何度か目撃や遭遇しても、美琴本人と誤解されているケースもある)。 初春、佐天はもちろんのことルームメイトである白井黒子も例外ではない。 経緯が経緯なので美琴が教えていないのは当然だが、特に「黒子には絶対に知られたくない」とのこと。 真面目に考えても黒子が暗部に関わるのを良しとしないだろうし、 あれだけ美琴ラブな人間が、彼女そっくりな彼女らの存在を知ったら性的な意味で暴走するだろうし順当な判断である。 ただ、超電磁砲とのクロスオーバーを行った真・女神転生IMAGINEにおいて、 タイムマシンの事故でIMAGINEの世界に迷い込んでしまったオリジナルを救出するため妹達でタイムマシンを起動させる、 という話でイベントを締めくくっているのだが、その連絡を黒子が行っている。 無論、本編とは何の関係もない話ではあるものの、その後、妹達と黒子がどうなったのか……想像するだに恐ろしい事だろう。 二次創作でもネタにされやすく、妹達の存在を知った黒子がハーレムを築き上げようと目論むのはもちろん、 オリジナルから奪った借りた服で着せ替えを楽しんだり抱き枕にする漫画やイラストも多数投稿されている。 + ちょっとした余談 2013年から放映されている『とある科学の超電磁砲S』では、 妹達のデザインが多少変更(というか目がレイプ目から変わっている)され、よりオリジナルに近づいている。 + ... 残念ながら2018年放送の『とある魔術の禁書目録III』では従来のデザインに戻されたが、 2019年放送の『とある科学の一方通行』では『禁書目録』をベースにハイライトが入れられている。 …と、思ってたら2020年1月放送の『とある科学の超電磁砲T』ではS同様のデザインに戻った。流石に統一しろ 『超電磁砲S』のOPテーマ「sister's noise」は彼女たちとオリジナルがテーマとなっている。 MUGENにおける妹達(シスターズ)です、とミサカは動画と共に宣伝します。 うぉるふ氏によるものが製作されている。所謂ちびキャラで各種重火器を使用して戦う。 使用するのはライフルや手榴弾、設置技の地雷、ショットガン、対空ミサイル等。 ライフルは一定数ごとにリロードが必要なため、使い所を考える必要がある。 デフォルト設定ではどんな攻撃でもほぼ一撃で倒される程度のライフしかないが、その代わり複数人が同時に登場する。 最大で2万人まで設定でき、最大だと準論外級の耐性を誇る。製作動画ではバルバトスすら一方的にフルボッコするほど。 AIもデフォルトで入っているようだ。 出場大会 とある禁書の無限集合 [全員集合!] 論外未満 第四弾 希望vs絶望 無理ゲー!!挑戦大会 単騎無双VS数の暴力大会 真・単騎無双VS数の超暴力 大会 最も狂ったスタイル決定トーナメント ポイント大強奪サバイバル! 真お神杯凶下位~上位タッグバトル 超お神杯凶上位前後タッグバトル ユミナ11P前後チームトーナメント 単騎無双VS数の暴力 FINAL WARS クソゲーVS核ゲー 無理ゲー大戦 ランセレに愛されろ!空気勢滅殺シングルバトル! Aカイン前後 狂上位ランセレチームバトル 神速VS鬼弾幕 金ラオウ前後狂中位級ランセレバトルFINAL EDITION 出演ストーリー MUGEN STORIES INFINITY *1 全くの余談だが、妹達を演じたささきのぞみ氏とゾルダートの声優である滝野洋平氏は同じ事務所(東京俳優生活協同組合)に所属している。
https://w.atwiki.jp/fushimi_eroparo/pages/302.html
http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1289713269/397 う、ううん いたた あれ?、そうだ! 「あやせ、大丈夫?」 「ううん、いたた」 「え?あれ?」 なんであたしがもう1人いるの? 「あれ?わたし?え?」 もう一人のあたしはなんだかおかしなことを言っている えっと、確かあたしがあやせの家の階段から落ちそうになって、あやせが助けようとして もしかして、あやせと体がいれかわった? えええ、ありえないっしょ、入れ代わりとかエロゲじゃないんだから でも今、あたしはあやせで、あやせはあたしで しばらく、混乱していたあたしたちだったけど。 とりあえず結論として戻れるまでお互いの振りをしながら生活しようということになった 「じゃ、じゃあわたし、桐乃の家に行くね」 「う、うん。がんばってあやせ。あたしもバレないようにがんばるから」 あたしは一抹の不安を抱えながら、あたしの姿のあやせを見送った 「はぁ、どうしたら戻れるのかな・・・」 わたしは桐乃の家、高坂家に向かって歩きながらポツリとつぶやいた とりあえず不自然さがでないように、桐乃の話し方を思い出しておこう 「えっと、ただいまでいいんだよね」 高坂家の玄関までたどりつくとなんだかとてもドキドキしてきました ガチャ、「た、ただいまぁ」 記憶をたよりにあたしは桐乃の部屋に向かいます お、お兄さんと会ったらどうしよう 部屋に入ったら、直後に部屋の扉がノックされて、わたしは軽くパニックです 「桐乃、ちょっといいか」 「は、はい!」 お兄さんの声が聞こえて、あわてて扉を開けました 「な、なに?」 「ああ、この前渡されたゲームなんだけどな・・・」 げ、ゲーム?桐乃ぉ、わたしゲームのことなんてわからないよぉ 「えっ、えっとそれは・・・」 「お前、どうかしたか?顔色悪いぞ」 「だ、大丈夫だから、心配しないで。少し疲れただけですから」 「ん?お前なんかさっから変だぞ」 「へ、変じゃないし。いつもこんなでしょ」 こ、こんな感じかな? 「いや、まぁ、別にいいけどよ」 お兄さんが部屋に戻り、わたしは、床にすわりこみます。 「はぁ」 うぅ、わたし桐乃の振りなんて無理だよぉ わたしは着替えた後、お兄さんから「夕飯だぞ」と声がかかるまで うまくできるかずっと悩んでいました。桐乃は大丈夫かな? 夕飯のときも桐乃のお父さんとお母さんに話しかけられましたが 幸いわたしでも答えられる範囲の質問だったので助かりました、話し方もできる限り桐乃に似せた ので怪しまれてはいないみたいです。 ただ、お兄さんだけは、わたしのほうを訝しげに見ていたので内心冷や汗ものでした。 その後お風呂からあがったわたしは、桐乃に電話してみることにしました。 「もしもし桐乃?」 「あやせ?あはは、ちょっと驚いた。自分の声が聞こえてくるって変な感じだよね」 「それはわたしもだよ」 「それでそっちはどう?」 「あたしは何とかやれてる。今のところバレそうにはなってない。あやせは大丈夫?」 「桐乃のお父さんたちには大丈夫そうだけど。お兄さんがどうも変に思ってるみたいで」 「兄貴が?あいつ変なところで鋭いとか うざ!」 「ゲームのこととか、わたしわからなくて、それでどうも怪しまれてるみたいなの」 「あっちゃー。そういえばそれがあったか。あやせ明日あたしがいろいろ教えるからなんとかがんばって」 「そんなこといわれても」 コンコン 「あ、桐乃なんかノックされてる切るね」 「あ、あやせっ」 わたしはあわてて、ケータイを片付けるとドアを開ける 「よう」 「なっなに?」 「ちょっと聞きたいことがあってな。入るぞ」 「な、なに。聞きたいことって」 「お前やっぱり、おかしいな。」 「な、なにが。いつもと同じじゃん」 お兄さんは、ふぅと息を吐くとおもむろにケータイを取り出し電話を始める 「おっあやせちょっといいか」 「なっ、なんであんたがあやせの番号しってんの!?」 「はぁ、そういうことか。これなんてエロゲだよ。桐乃」 「え!?」「え!?」 わたしと電話の向こうの桐乃は同時に驚いていました 「ということは、ここにいる桐乃はあやせなんだな?」 「う、うん」 「なるほどわかった。それじゃあ、事情は今からお前の姿したあやせに聞くから」 「お前は明日、こっちに来い。じゃあな」 「さて、大体の事情は想像つくけど、あやせ。どういうことだこれは」 もう、誤魔化すのはむりだと観念したわたしはお兄さんに事情を説明しました。 「なるほどな、まさにゲームかアニメの世界の話みたいだな」 「わたしたちも、仕方ないから家族を心配させないようにお互いの振りをしていたんですけど」 「お兄さんはだまされてくれないんですね。」 悔しいけどお兄さんが桐乃のことをいつも見てるからってことかな 「なんか桐乃の姿でそういう口調で話されるとむずがゆいな」 「まぁ、とにかく知ってしまったからには、俺もできる限りは親バレして大事にならないように手助けするよ」 「お兄さん。ありがとうございます」 「あ、でも。桐乃がわたしの姿してるからって襲い掛かったりしたら。ぶち殺しますからね!」 「じゃあお前にならいいのか?俺はシスコンだからな襲い掛かるかも知れないぞ」 「せっセクハラですよ!。つうほうしますよ!」 「はは、よかった。桐乃の姿してても、あやせなんだなってわかったよ」 「それじゃ俺は部屋に戻るわ。なにかあったら遠慮なく頼ってくれ」 それだけ言うとお兄さんは部屋に戻っていきました。なんですかカッコつけちゃって。 でも、まだ本当に戻れるのか不安だけど。お兄さんのおかげで、気持ちがずいぶん楽になったな。 うぅ明日、学校で上手くやれるかなぁ。不安に思っていてもやるしかないし、仕方ないんだけど。 もしこのまま一生戻れなかったらどうしよう、早く戻れるといいけど そんな不安を抱えながら、わたしは眠りにつきました。 pipipipi 「ううん、朝?」 「あれ?ここどこ」 「そっか、わたし今、桐乃になってるんだ」 はぁ、学校不安だなぁ。桐乃はどう思ってるんだろ わたしは着替えると、髪のセットとお化粧をして部屋を出ました あれ、お兄さんまだおきてないのかな?さっきからずっと目覚まし鳴ってるのに。 お、起こしてあげましょうか// .// 「お兄さん、入りますよ」 思ったとおりお兄さんはまだ寝ています 「お兄さん、いつまで寝てるんですか、もう朝ですよ」 「早く起きないと、遅刻しますよ」 まず目覚ましを止めて、カーテンを開け、お兄さんを揺すります 「ううん、桐乃?」 「はい?」 パシ、お兄さんはわたしの腕をつかんできます。なっなんでしょう 「お前、本当に桐乃か?俺の妹様はこんな、かいがいしいやつじゃねぇんだよ!」 「あ、あのお兄さん?わたし、あやせなんですけど。」 「へ?」 「お兄さん寝ぼけてるんですか?」 「むぅ。はっ! すっすまんあやせ! そういえば体が入れ替わってたんだったな!」 お兄さんはあわてて、頭を下げてきました。わたしは別に気にしてませんけど それより、桐乃が普段こういうことをしていないということに驚きました。 「とにかく、早く起きてくださいね」 わたしは一足先に食卓へ行きました。えっとフランクに会話すればいいんだよね。 「お、おはよう」 桐乃の両親と挨拶をしたあとトーストを焼くために立ち上がったときお兄さんがやってきました。 「おはよぅ」 「おはよう。兄貴の分もパン焼いちゃうね」 「え?」 「え?」 「む?」 お兄さん、桐乃のお母さんが驚きの声を上げ、桐乃のお父さんがコーヒーを落としました 「うお!」「ああ、お父さん何やってるんです」 あれ?わたしなにか変なこと言ったかな? お兄さんが近づいてきてそっと耳打ちします 「桐乃は普段そんなこと絶対しねぇし、俺にそんな気遣いもしないんだよ」 「ええ!?」 桐乃、普段家ではどんなふうにしてるの? 「行ってきます」 わたしはお兄さんと2人で家を出て学校へと向かいます 「あやせ、桐乃をちゃんと家につれてきてくれよ」 「あ、はい。話し合わないとだめですからね」 「ああ、俺はこっちの方向だから、あやせ学校がんばれよ」 「はい、そこはかとなく不安ですけど」 教室に入ると桐乃はもう来ていました、わたしは素早く近づいて話かけます 「桐乃、家のほう大丈夫だった?」 「うん、今のところはなんとかなってる。あやせは?」 「わたしもなんとか」 本当はなってないけど 「それよりも、学校でバレないように気をつけないと。」 「呼びかけられたときとかは気をつけないとね」 その後、授業中なんどか当てられたけど。わたしたちはなんとかやり過ごすことができ。 友達とも話をあわせることには成功していました。 放課後になり、わたしは。桐乃を誘って家に帰りました。 「ただいま」 「お、お邪魔します」 「はぁなんだか自分の家なのに変な感じ」 打ち合わせどおり、桐乃の部屋でお兄さんが帰ってくるのを待っていると 30分くらいたったころお兄さんが帰って来ました。 コンコン 「あやせ、桐乃、入るぞ?」 「あ、はい」 わたしが部屋のドアを開けます 部屋に入ってくるとお兄さんはまず、わたしの姿をした桐乃に話しかけます 「桐乃なんだよな、どうだ、あやせんちでうまくやれたか?」 「大丈夫に決まってんでしょ、バカ兄貴」 「くっ、あやせに言われてる見たいでなんか変な気分だぜ」 「セクハラですよ、お兄さん」 わたしはお兄さんにジト目を向けます 「わ、悪い」 それからわたしたちは、今後の相談や普段の生活とか話し方を教えあったりしました。 結論として、わたしは桐乃として生活するうえで、陸上は身体が戻るまで休むことになりました 今日、体育があったのですが、桐乃から見ると、明らかに走り方が違うし、代わりに走るのは無理だとのことです。 「うう、桐乃ごめんね」 「いいよ、気にしないで」 「それじゃ、あたしはそろそろ、あやせんちに戻らないと」 「あ、うん。ホントにごめんね桐乃」 桐乃が出て行ってから、わたしとお兄さんは2人でもう少し話し合いを続けました 「お兄さん提案があるんですけど」 「ん、なんだ?」 「あの、わたし、兄貴って呼ぶの抵抗あるので変えてもいいですか?」 「あ、もちろん2人きりのときはお兄さんって呼びますけど。ほかの人がいるときの呼び方を」 「そうだな、じゃあ、お兄ちゃんなんてどうだ?」 「お、お兄ちゃんですか?わかりましたそれでいいです。」 「いただきます」 やっぱり、うちとは味付けとか違うなぁ 「あ、お兄ちゃんお代わり入れようか?」 「え?」 かしゃん、ゴトン お兄さんがすごく驚いた顔をして、桐乃のお母さんはお箸を落とし、お父さんはご飯茶碗を落としました お兄さんは、信じられないものを見たような顔をしていましたが、ハッとして 「あ、ああ頼む」 わたしに茶碗を渡しました 「き、桐乃?どうかした?なんか朝から少しおかしいけど?」 「え?なんでもないよ?」 「京介、あんた何か知らないの?もしかして、あんたが桐乃に何かしたんじゃ?」 「そうなのか?」 「ち、ちげーよ。俺は何もしらねーって。親父もお袋も何言ってんだよ」 わたしはそんな光景をみていて、楽しい家族だなと思っていました 京介Side 「ん?」 ベッドで寝ているとケータイがなっているのに気づき、着信をみるとあやせだった 「あやせ?なんだこんな時間に?ってそうだ、あやせは今桐乃だったな」 「モシモシ、どうした桐乃?」 「兄貴、お願いがあるの」 お願い?なんだ? それはともかくあやせの声で兄貴とかお願いって言われると興奮するぜ 「あ、うん、あのね。エロゲなんだけど」 「はぁ?エロゲ?」 「ちゃんと話し聞けっての。あたしのエロゲもって来てほしいんだけど」 「ちょっと待て!なんで俺が」 「あんたが持ってきてくれるのが一番不自然じゃないからじゃん」 「友達のお兄さんが、友達から頼まれて持ってきてくれたってことにするから」 「いつ、戻れるかもわからないし、これ以上エロゲしないでいるのは我慢できないんだって」 「まだコンプしてない分だけで良いから」 「ああ、わかったよ。明日もって行ってやる」 はぁ、まったく俺はとことん妹に甘いな、まぁあやせの声でこんなこと頼まれたら、どちらにせよ断れないんだけどさ。 「で、どのあたりに置いてあるんだ?」 「押入れの一番手前に、積んであるからそれ持ってきて」 「わかったよ。じゃあな」 さて、それじゃ取りに行ってくるかな、あやせに説明するのが怖いぜ 京介Sideend 「あやせちょっといいか?」 「はい?」 お兄さんが悪いなといって部屋に入って来ました。 それからさっき桐乃から電話で頼まれたことを聞かされました。 「わ、わかりました。いいですよ」 「え?いいの?怒ったりするかと思ったぜ」 「わたしだって桐乃がそういう趣味を持ってることは知ってますから。」 お兄さんは押入れをあけてその中から、いくつかのゲームの箱を持って部屋に戻っていきました 「この押入れの中、こんなことになってたんだ。それにしてもすごい数」 わたしは押入れを閉めて、ベッドに横になり、考え事をはじめた。 「ふぅ」ベッドに寝転び小さく息を吐く 1日が過ぎたけど、まったく戻れるような感じはしない わたしは、もしかしたら一生このままなのではと思い始めていた 決めた。もう、無理に真似をするのはやめよう、桐乃には悪いけど、こんなこと続けても無理が出るに決まってる バレることは避けないといけないけど、バレないようにしながらも素の自分でやっていこう 桐乃だってお兄さんにあんな電話かけてきたんだもん、いいよね。 わたしはそう決意を固めて眠りに着きました 「さ、今日からはくよくよしないぞ」 わたしは身支度を整えるとお兄さんを起こしに向かいます なんか、こういうのちょっといいかも 「お兄さん、朝ですよ起きてください」 そうだ、ちょっといたずらしちゃおっかな 「お兄ちゃん、起きてくれないとわたし・・・」 「お、起きた、起きたぞ」 「はぁ、あやせ。桐乃の姿でそういうことされると心臓にわるいぞ」 「ふふ、ごめんなさい」 「それじゃ、下で待ってますから」 「おはよう、お母さん朝ごはんの準備手伝うよ」 「え?桐乃いったいどうしたの?熱でもあるの?」 「大丈夫だよ」 お父さんが不思議なものをみたような顔で見ていたけど、これがわたしだから 「いってきまーす」 「あやせ、今日はいったいどうしたんだ?」 「わたし決めたんです、無理して真似するのはやめようって。もちろんバレないようにはしますけど わたしらしさもだして行こうって。」 「桐乃にも学校で話します。きっと桐乃もそういう気持ちだから昨日お兄さんにあんな電話をかけてきたんだと思います」 「そっか、お前がそう決めたんなら、俺はなにもいわねえよ」 「強いんだなあやせ」 「そんなことはありませんよ。それじゃわたし行きますね」 「ああ、気をつけてな」 京介Side 「ふぅ、今朝は驚いたけど、ああいう妹もいいもんだな。」 桐乃がエロゲにでてくるようなかわいい性格になったらこんな感じなんだろうかと俺は考えていた 「きょうちゃん、おはよう」 「よう麻奈美」 「きょうちゃんなんかうれしそうだね、なんかいいことあった」 「んなことねーよ」 昼休み 「なぁ赤木、もしだけどさ、瀬菜とお前も仲のいい瀬菜の友達が入れ替わったりしたらお前どうする?」 「はぁ?高坂どうしたんだ?なんかのマンガの話か?」 「いいから答えろよ。」 「俺と仲のいい瀬菜ちゃんの友達なんていねえからなんとも、言えねえけど」 「とりあえず、その子を少しでも妹のように見れるようにがんばるかな、一緒に暮らすわけだし」 「そっか、ありがとよ」 放課後 俺は急いで、家に戻り、用意していたエロゲを持って家をでて桐乃に電話をかける おれはあやせの電話番号を選んでコールする、ああややこしいったらないぜ 「おう、桐乃、これから持っていくから」 「うん、わかった」 新垣邸の前まで着くと、俺はもう一度電話をかけ桐乃を呼びだす はぁ、妹の友達の家に大量のエロゲもってくるとか傍目からみたらとんだ変態だな俺 「お待たせ」 「おう、これだ」 「うん、ありがと、ねえあがってきなよ」 「ああ」 部屋に通されたあと、一旦出ていた桐乃がお茶と菓子を持って戻ってくる あやせと2人きりになると恐怖を感じたものだが、今はまったく、そんな感じはしないな。 やっぱ、中身が桐乃だとかもし出す雰囲気みたいなのが違うね。 「なに、キョロキョロしてんの」 「いや、なんでもねーよ」 「ねえ、あやせからガッコで言われたんだけどさ。」 「ああ」 「身体が入れ替わってても、あたしたちらしくやろうって。兄貴も聞いてるみたいだけど」 「そうだな、今朝あやせから聞いたよ」 「お前はどうなんだ?」 「あたしも、同じ気持ち。だからエロゲもってきてってたのんだんだし。」 「そっか。ならいいんだ。この家では上手くやれてるのか?」 「うん、あたしは大丈夫。それよりあやせのが心配だよ。あんたが同じ家の中にいるだけでも心配なのに」 「おい、俺はそんな鬼畜じゃねーぞ。中身はあやせでも身体は妹なんだから」 「妹に手を出すようなことはしねーよ」 「どうだか、あんたシスコンだし」 「まあ、それはともかく。あやせなら上手くやってると思うぞ」 「親父たちのほうが、娘の変わりように驚いてるくらいだよ。飯の準備手伝ったりとかしてるから」 「お前はそういうの全然しなかったからな」 「へぇ、あたしここでもやってないけど、特に何も思われてないように思うけど」 「手伝ったほうがいいのかな?」 「そういう反応なら、あやせも、いつも手伝っていたわけではなさそうだけど、時々はやったほうがいいかもな」 「そうだね。関係が悪くなるのはいやだし」 「それじゃ、俺はそろそろ帰るわ。」 「あ、兄貴。」 「あん?なんだ?」 「や、やっぱりなんでもない」 「それじゃあな」 新垣邸をでたあと、俺は歩きながらさっきの桐乃が言いかけていたことを考えていた あいつ、きっと寂しくなってきてるんだろうな。 あのあと、また来てくれる?とか言おうとしてたんだろう 「なんて、そんなのは俺のうぬぼれかな」 俺が家に帰り、リビングへ入ると、キッチンにいたあやせが近づいてくる 「おかえりなさい。桐乃どうでした?」 「ああ、問題なさそうだったぞ。お前のほうが心配だって言ってたくらいだ」 「そうですか、お兄さんの目からみてそれならいいんです。」 「2人でなに話してるの?」 「何だよお袋、驚かせるなよ」 「わたし、料理のつづきやるね」 「なんだかずいぶん仲良さそうじゃない」 「んなことねーよ」 「そお?」 「ところで桐乃は料理とか言ってたけど?」 「ああ、あの子ね、なんか今日の夕飯の準備手伝うって言ってきて珍しいこともあると思って、手伝わせたんだけど ずいぶん手つきもいいし、いつの間にあんなにできるようになったのかしらね?1品任せちゃったわよ」 お袋のやつ、手抜きできて喜んでやがるな。そっかあやせは料理上手いのか。 「お父さん、このおかず桐乃が作ったんですよ」 「ん?本当か。どれ、うん上手いな。いつの間にかこんなものも作れるようになってたんだな」 「そんな、ほめるほどのことじゃないよ」 親父のやつ娘の手料理がよほどうれしいらしい、頬がゆるんでやがる 「お兄ちゃんどうかな?」 ぐ、このタイミングでくるか 喉詰まりそうになったぞ 「あ、ああ美味いよ。ずいぶん美味くできるようになったんだな」 「喜んでもらえたならよかった」 俺たちは和やかな雰囲気で食事を終えた 寝る前にあやせが俺の部屋へやってきた 「お兄さん、ちょっとお話いいですか?」 「ああ、どうした」 「お兄さん、桐乃の、そのオタクの友達にはどうしましょうか」 「わたし、そういう話はわかりませんし、かといって付き合いを絶つということもできないし」 「ああ、その件なら俺も気になってたんだよ」 「どうしたもんかな」 「なぁ、あやせ。あいつらには話してしまってもいいかな?」 「あいつらは信用のおけるやつらだってことは俺が保障するし、理解してくれるはずだ」 「桐乃の心の支えにもなってくれると思う。どうだ?」 「わかりました、お兄さんがそこまで言うなら安心します。近いうちに桐乃も交えてあって話しましょう」 「ああ、ありがとな、あやせ」 俺はベッドの上で目を閉じて、考え事をしていた 黒猫と沙織には早く話さないとな。そうやって、少しづつ解決していくしかないか いつ戻れるのか、わからないし。あまり考えたくはないがもしかしたら一生戻れない可能性だってあるんだ せめて、あいつらが悲しまないようにだけはしてやらないと。 俺の力でどこまでやれるかはわからないけど 全力は尽くそう。俺はそう心に誓った それから数日がたった この間、黒猫と沙織に俺の家に集まってくれるように頼み。桐乃にも俺の考えを伝えた。 「そう、事情は理解したわ」 「奇妙なこともあるものですな」 黒猫たちは事情を説明すると概ね理解してくれた。 ただ、これまよりも付き合いにくくなるのは間違いないから、やりにくいというのが実際のところだ まぁ、今までつるんでる相手の見た目が別人になれば戸惑うのも当然だと思うし 「あやせ氏でしたか?どうです、この機会に我々と同好の士となるのは?」 「わ、わたしはそういうのよくわからないし、あまり興味も持てないから」 あやせはそういって俺に近づき服のすそを掴んでくる。そんなにビビらなくても大丈夫だぞ。 「そうですか、残念ですが」 「ねぇ、以前のあなたより、中身が入れ替わったほうが妹らしく見えるのは私の気のせいかしらね」 黒猫があやせの姿の桐乃にそんな不穏なことを話している 「そ、そんなことないし」 「そう?なら気にしないで」 それからしばらく他愛ない話を続けてお開きになった その夜、あやせが俺の部屋へやってきた 「お兄さん、わたしなんだか変なんです」 「は?」 「今日、桐乃より妹みたいに見えるって言われたときもなんだか胸がザワザワして」 「お兄さんといると、話をしてると、なんだか気持ちが落ちつかないんです」 な、あやせのやついったいなにいってるんだ? 「お兄さん、確かめさせてもらっていいですか?」 「な、なにを?」 な、何を確かめるんだ?って、何目を瞑って唇を近づけて・・・・・・ 「うむぅ」 桐乃の姿のあやせにキスで唇をふさがれた、な、なんだこれ、どういう状況だ 俺、妹とキスしてることになるんだよな? 「やっぱり」 唇を離したあやせがポツリとつぶやく 「え?」 「き、キスしたら、気持ちがすごく満足して暖かい感じになりました」 「きっと桐乃の体になってるからお兄さんを無意識に求めてたんじゃないかと」 ええええ、桐乃が俺を?そんなバカな? 「お兄さん、そんなわけないとか考えてますね。わたしの感だと間違いないと思います」 「それにわたしだってお兄さんのこと、こうやって桐乃になってみたら、いいなって思いますから」 「そ、それじゃおやすみなさい」 俺は呆然としたまま、その後ろ姿を見送った え?、俺あやせとキスしたの?い、いや体は桐乃だから桐乃とキスしたんだよな? これどういう状況なんだ、だけど、唇柔らかかったな、いいにおいもしたし まだ残り香がある、ついクンクンしちまったぜ。 いかん、なんか変態みたいだな俺。 と、とにかく寝よう、そうしよう だが、俺は悶々としたままなかなか眠ることができなかった。 数日後、俺は桐乃から呼び出された まぁ体はあやせなんだけど、 中身が生意気な妹でも、あんな可愛いエンジェルボイスで呼ばれたら、いかないわけにはいかないだろ ここ最近よく来るようになった新垣家の玄関を見る。何を緊張しているんだろうね、俺は。 呼び鈴を押すと、あやせ(桐乃)が出てきた 「入って」 「おう」 通されたあやせの部屋はなんだかずいぶん以前来たときと雰囲気とか匂いとかが変わっている 桐乃の趣味が出てるのかね 「ねぇ兄貴。あたし、兄貴が好きなの」 「は?」 いきなり何言い出すんだ、こいつ?でもあやせの口から好きって言われるのは悪い気はしないね 「冗談じゃないから、ずっと好きだった。でも妹だから我慢してたの。でも今はあたしはあやせだもん、妹じゃない」 「あやせには悪いけど、はっきりさせる。あたし兄貴が好き、女の子として愛してほしい」 「お、おま、お前いきなりなんてこと言い出すんだ」 「いきなりじゃない、ずっと考えてた。今のあたしは他人から見るとあやせだから、兄貴の妹じゃないって気がついたときからずっと考えてた。」 「兄貴はあたしのこと嫌い?」 「そ、それは・・・・」 そんなことあるわけない、俺はシスコンだからな。それにあやせにこんな風に告白されて誘われてるシチュで断れるわけないだろ 「そんなことない、俺だって好きだ。キスだってしたいし、その先のことだってしたいさ」 言っちまったああ、ここまで言うつもりなかったのに勢いで何口走ってんだ俺は。やべえなこれは引かれたか? 「いいよ」 「へ?」 突然、唇にやわらかいものが押し当てられる 「ぷはっ、ねぇエッチしない?」 「え?ええええ?」 「大丈夫、今この家にはほかに誰もいないし、今日は夜まで帰ってこないから」 「いや、だけど、それは」 「だめ?あたしはしたい。妹じゃないんだからいいっしょ。あやせには悪いと思うけどもう我慢できない」 くそ、ここまで言われたらもう駄目だ。俺の理性はもう持ちこたえられそうにない 「いいぜ」 俺はあやせ(桐乃)を押し倒し服と下着を脱がせる そのあと俺たちはなんども愛し合った、気づいたらもう外が薄暗くなっていたから2時間くらいか 「ねぇ、兄貴、このことあやせには内緒だから」 「あ、ああわかってるよ」 俺が服を着ているあいだ、まだベッドで裸のままでいるあやせ(桐乃)からそんなお願いをされる いえるわけねーけどな。妹と身体が入れ替わってる間にエッチして処女喪失しましたなんて 「それじゃ、俺帰るから」 「うん、兄貴、今日はありがと」 「ああ」俺は軽く手を挙げて部屋をでて新垣家を後にした その夜 まさかこんな、展開で初エッチをすることになるとはな。 しかもあの、あやせと。まぁ中身は桐乃だけどさ。でも恋人になることもできる。 なんだこれ、夢のような展開じゃねーかあやせと恋人なんて。中身は桐乃だが。 だけど表立って恋人をするわけにはいかないよな、あやせの手前。 だけどさ、うれしいものはうれしいんだよ。俺だって男なんだからしかたないだろ。 俺の心はいつになく高揚していたのだった じりりりり 「お兄さん朝ですよ起きてください」 「ううん、後5分」 昨日、興奮がなかなか治まらなくて寝付けたのが遅かったんだよなぁ 「お兄さん、起きてくれないと、キスしちゃいますよ」 チュ !!!!! 「な、な、な、き、桐乃な、なにを!?」 「うふ、起きてくれましたね。それからわたしはあやせですよ。見た目は桐乃ですけど間違えないでください」 「あ、わ、悪い」 「早く降りてきてくださいね」 なんだかご機嫌な桐乃(あやせ)が去った後、俺はノソノソとベッドから降りて着替えを済ませた 「それじゃ、気をつけてな」 「はい、お兄さんも」 俺たちは通学路の途中でそれぞれの方向へ向かうために別れる 「きょうちゃん、おはよ」 「よう、麻奈美」 「ねぇ、桐乃ちゃん最近変わったね。」 「そ、そうか?」 「うん、なんかやわらかくなったって言えばいいかな。そんな感じ」 まぁ、中身はあやせだからな、桐乃みたいにツンツンしてないから当然か その夜、夕飯の時に 「あ、そうそう、あんたたち今週末からの3連休でお父さんとお母さん旅行に行くから」 は、なんだよ突然いいだして。 「え?そんなこといってた?」 俺と同じ疑問を桐乃(あやせ)も持っていたようだ 「言い忘れてたのよごめんね」 「あはは、うん、わかった家のことはわたしがちゃんとするから」 「大丈夫、任せて?」 「うん、任せておいて」 なぜか桐乃(あやせ)はやる気満々だった そして時間は流れ週末になった 「それじゃ、行ってくるから」 「うん、行ってらっしゃい」 桐乃(あやせ)がリビングに戻ってきたかと思うと小言を言い出した 「もう、お兄さんも見送りくらいしようよ」 「別にいいよそんなの」 「はぁ、まったく、休みだからってだらけすぎですよ」 「お掃除しますから、どいてください」 「あいよ」 桐乃(あやせ)はテキパキと家事をやっていく 桐乃のやつはこんなこと全くやらなかったから妹のこういう姿を見るのは、なんていうか新鮮だな エロゲの妹キャラとだめ兄貴の主人公の図みたいなのが、俺的には微妙だが。 「お兄さん、夕飯なにがいいですか?」 「ん?ああそうだな」 中身はあやせだってわかっているんだけど、妹とこういう会話ができるのは素直にいいもんだなと思うよ。 それから、俺たちは2人で買い物に行き、桐乃(あやせ)のつくった夕食を食べた 「片付けは俺がやるよ、全部任せきりにするのも悪いし」 「そんなこと気にしなくていいですよ、片付けもわたしがしますから、お兄さんはお風呂にでも入ってきてください」 「あ、ああわかったよ」 はぁ、結局今日は何もかも桐乃(あやせ)に任せ切りにしちまったな、俺は風呂に入りながらポツリとつぶやく 「あやせ、風呂空いたぞ」 「は~い」 桐乃(あやせ)はソファに座ってテレビを見ていたようだ そうそう、変わったといえば、あやせは桐乃が以前着ていたような、大胆な感じの部屋着は着ないこともそうだな あとは、最近髪を黒く染めなおしてもいたな。なんでも高校受験にあわせてとか行ってたけど。受験するのは有名な女子高だからとか。 髪が黒くなった桐乃は見た目もあやせに結構似ていて驚いたな。この姿を見て親父は喜んでたが。 部屋に戻りマンガを読んでいると、あやせがやってきた 「お兄さん、どうでしたか、わたし今日はお兄さんの理想の妹を目指して頑張ってみたんですけど」 「あ、ああ。それで今日やたらと張り切ってたんだな」 「はい、こうなってしまった以上、わたしは、わたしなりにちゃんと桐乃を、いえ。お兄さんの妹をしようと思うんです」 「あやせ、お前そんなこと考えてたのか、無理はしなくてもいいんだぞ」 「無理なんてしてませんよ。実のところ言うと、わたし、こういうの結構楽しいんです」 「わたしは一人っ子だったから、お兄さんのいる桐乃がどこかうらやましかったんです」 「だから、おもいきり妹というのをやってみようかなって。」 「そっか。うれしいぜあやせ」 俺はそっと頭をなでてやる。すると身をのりだして俺の口をやわらかい唇で塞いできた。 「お兄さん、わたし、お兄さんに抱いて欲しいです。」 「いや、だけど。妹を抱くなんて」 「お兄さんは妹が大好きなシスコンじゃなかったんですか?」 「それに、わたしはあやせですよ。確かに身体は桐乃ですけど。お兄さんの罪悪感は減らしてあげることはできると思います」 「大丈夫ですよ、誰にも言わなければバレることはないです。」 「わかった。本当にいいんだな。」 「はい。お願いします」 俺は桐乃(あやせ)をベッドに寝かせると服を脱がせにかかる 「あやせ、脱がせるぞ」 「はい、どうぞ」 俺はパジャマのボタンをひとつずつ外して上を脱がせる 「ブラはつけてないんだな」 「わたしは、寝るときはつけませんよ」 「そっか、それじゃ下も脱がせるぞ、腰を浮かせてくれるか?」 あやせが腰を浮かせると俺はパジャマの下を完全に脱がし下着も続けて脱がせた 「あんまり、マジマジと見られると恥ずかしいですよ」 「ご、ごめん、でも綺麗だ」 あやせは少し複雑な顔をしながら「ありがとうございます」と言った それも、そうか身体は桐乃なんだもんな。だけど妹の裸ということもあるのだろうか 俺は大きくなってから初めて見る妹の裸に激しく興奮していた 「あやせ、胸さわるぞ」 「はい」 俺は胸を揉みほぐすようにしながら乳首を捏ねくりまわしていた 「あ、だめ、そこ」 俺は、手を少しずつ下に下ろして行き、薄い恥毛の生えたアソコをなでる 「ん、そこは」 「あやせ、脚広げるぞ」 「あ、ちょっと待ってください、ああ」 俺の身体を割り込ませて、脚が閉じられないようにし、アソコを両手で広げると、もうすでにビショビショに濡れていた 「あやせ、すごい濡れてる」 「ううぅ、恥ずかしいですよ。」 「恥ずかしがることないさすごく綺麗だ」 アソコはもの欲しそうにヒクヒク動いて愛液を次々に湧き出していた 初めては痛いだろうし、まずはイカセてやるか。俺はそう考えてクリを中心に攻めることにした。 「ああ、そこ、だめです、ビリビリきて感じすぎちゃう、お兄さんそこはダメ、おかしくなっちゃう!」 「あ、ああああ」 身体をピンと突っ張ったあと、細かく痙攣している。どうやらイッたみたいだな。 「はぁはぁ」 「大丈夫か?」 「はぁはぁ、ひどいですよお兄さん」 「ごめんごめん」 「そろそろ挿れようと思うんだけど大丈夫か」 「あ、はい。きてください」 俺は、その膣穴に狙いを定めて腰を落としていく ずぷ 先が入ったところであやせが声をあげる 「ああ、なにか入ってくる」 「今、先が入ったところだ、ゆっくり入れていくから力抜いてろよ」 「はい」 俺はそのままゆっくり奥に押し入っていく 「痛っ、っぅ」 あやせは目に涙をためて痛みを我慢しているようだ、途中引っ掛かりを感じるところがあったがそこが処女膜だったのだろう、そのまま最奥まで押し込む 「あやせ、全部入ったぞ」 「はい、わかります、お腹の奥まで入ってるのが」 「あの、お兄さん動いていいですよ。男の人って動いたほうが気持ちいいんですよね?わたしは大丈夫ですから」 「わかった、動くぞ」 俺は、腰をとにかく奥まで突く感じで動いていたら、最奥に何か当たるものを感じだ。 もしかしてこれが子宮口かな? 「あ、奥、お腹の奥に、お兄さんが当たって、あ、ああ」 「っく、もうだめだ、出る」 「あっ、はぁん、出るって、射精するってことですか?」 「ああ、ゴムしてないし、抜くぞ」 「だ、大丈夫です、今日は大丈夫な日ですから中に出してください。最後までお兄さんを感じたいんです」 「はぁはぁ、いっ、いいのか?」 「っあ、ああ、いいです。中に出してください!」 「くっ出る」 俺は最奥にすべて吐き出したが、中ではまだ搾り出そうとするように締め付けてきていた 「あやせ、抜くぞ」 「はい」 アソコを抜くと、精液と愛液が混ざりあった中に血が混じってピンク色になった液体が零れでてきた 「おっと」 俺はティッシュをとり、股間を拭ってやる。 「あん。そこ、まだ敏感になってるんですからやさしくしてください」 「ご、ごめん」 後片付けを終えたあと俺たちは2人裸のまま抱き合って布団の中にいた 「ねぇ、お兄さん」 「ん?なんだ?」 「このこと、桐乃には秘密ですからね」 「あ、ああ当然だろ」 もう、あやせの身体の桐乃ともやっちまってるんだけどな こうして俺は2人とそれぞれの秘密を抱えることになった それから数ヵ月後 俺は大学に合格し、桐乃とあやせも同じ女子高に合格した 今もまったく元に戻る方法もわからないし、戻る気配もない だけど、もう俺たちは一生このままでもいいかと思い始めていた 最近、俺とあやせ(桐乃)が結婚すれば桐乃は大好きなお兄さんと結婚できて夢がかなうよね。 わたしもお兄さんの妹結構気に入ってるんだ、などと桐乃(あやせ)が言っていた。 もしかしたら、あやせは薄々俺たちの関係を気づいてるのかも知れない。 俺も同感だった。この生活は悪くないと思っている。 もしかしたら俺たちの願望を神様がかなえてくれた結果がこれなのかも知れないな。 そんならしくないことも考えちまってる。 今日は、高校の制服ができたらしく、着て見せてくれるというのだ。 「入っていいですよ」 俺はドアを空けて入ると息を呑んだ。 「どうですか?」 「どうかな?」 そこにはなんとも俺好みの黒髪の美少女2人がかわいいと評判らしい制服を着ていた 「あ、ああかわいい!2人ともすげえかわいい!」 「ふふ、ありがとうございます」 「まっ、当然だよね」 「それじゃ、このままどこか出かけよっか」 「うん、いいねわたしも賛成お兄さんデートしましょうか」 「美少女2人とデートできるんだからありがたく思いなさいよ」 「ああ、ありがよ」 正直すげえ、うれしいぜ。なんて豪勢な両手に花だよと自分のことながら思っちまうね。 俺たちは玄関を出ると、2人が腕を絡めてくる 「お、おい」 「それじゃいこっか」 「うん、どこ行きますお兄さん?」 「2人に任せる」 「まったく、男ならハッキリしたら」 「あはは、でもお兄さんらしいかな」 俺はこんな幸せな時がずっと続いて欲しい、そんなことを考えながら2人と共に歩き出した。 END
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出身スレ ゾンビの妹が欲しい 【らめぇぇぇ】ゾンビの妹とか欲しくね?【汁出ちゃうぅぅぅ】 【妹は】ゾンビ娘くれよ!【不死】 物語 妹「コンビニ行ってくるねー!」 俺「おい!待て待て!」 妹「むー?」 俺「今日暑いからやめとけって!」 妹「だって暇だもん゙」 俺「お前どこで脚が取れて歩けなくなるかわかんねーだろ……」 妹「ゔぅ~……ぢゃあオニーチャン゙遊ん゙でよ~」 俺「臭いからやだ」 妹「……ぐすっ……いいもん゙……もゔいいもん゙……」 俺「うそうそ」 妹「ほん゙と?」 俺「うそうそ」 妹「どっちだよぅ゙……」 俺「どっちでしょー」 妹「オニーチャン゙のばかばかばかばか!!」 ぽかぽかぽか 俺「いてってったっ」 ぶちん 妹「はぅ゙~手ー取れたー……」 俺「暴れるから くっつけるから待ってろ」 妹「ごめん゙ねオニーチャン゙……」 参考記事 まとめサイト
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■妹紅1 妹紅へ 「お前の焔で俺の凍て付いた心を溶かしてくれ!」 1スレ目 17 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「月が綺麗だね…こんな事を言うと、あいつが頭に浮かんで癪だけど」 そう言いながら、先を歩く妹紅は夜空の月に向かって手を伸ばす。 妹紅の長い白髪が、月の光を浴びてきらきらと輝いていた。 「そうだね…けど」 「?」 「僕は妹紅も綺麗だと思うよ」 「ばっ…!い、いきなり何をいうかなぁ!?」 少し色白な顔を赤く染めて、ぷいと妹紅はそっぽを向いてしまう。 こんな事を言えばこういう態度を取られるのは分かってるものの、ついつい言ってしまう。 …とはいっても、半分以上は本心なんだけれど。 実際、妹紅はとても綺麗だ。遠い昔は貴族の娘だったという話も頷ける。 そして話せば気の置けない友人のようにいつまでも語り合えて、楽しいのだ。 …そんな妹紅だから、僕は… 「…妹紅」 「ん?どうしたの?また変な事言うつもり?」 冗談っぽくこっちに言ってくる。けど、その瞳を僕は真っ直ぐ見つめ返した。 最初は笑っていた妹紅も、その眼に射られたように、表情がこわばる。 「ど、どうしたのよ…怖い顔しちゃってさ?そんな顔、似合わないよ?」 「……言いたい事が、あるんだ」 ごくり、と妹紅が喉を鳴らす。静かに、二人の間に緊張が満ちていくのが分かった。 妹紅は何も言わず、ただ僕の方を見つめている。 その瞳から眼をそらさないまま…僕は言った。 「僕は…妹紅が好きだ。妹紅と…ずっと一緒にいたい」 妹紅は、数瞬の間呆然としていた。 が…僕が言った意味を理解していくと同時に、顔がどんどんと真っ赤になっていく。 それこそ、彼女が扱う鳳凰の炎と比べても遜色がないほどに、だ。 「や、や、やだなぁ。きゅ、急にそんな冗談言われても」 「冗談なんかじゃないよ。冗談を言ってる眼に、見える?」 そういって、ずっと見つめていた目をさらに強める。 妹紅は急に落ち着きがなくなって、ポケットに手を突っ込んだまま石を蹴った。 「えーと、そのー…ちょ、ちょっと待って…」 そう言いながらも、顔の赤みは引かず、喉元あたりまで真っ赤に染まっていく。 どうやら凄まじく混乱しているみたいだった。 このまま告白しきれたらいいと、一瞬思った。 けれど、彼女は気が付いてしまうだろう。それは、変えようのない事実である。 「あ……」 呟くように小さな、妹紅の声。赤かった顔は色が引き、その顔には哀しげな表情が浮かんだ。 「ねぇ…私の体のこと、知ってるよね?」 「うん、知ってるよ。妹紅が見せてくれたんだもの」 「そう、だよね…私はさ、死ぬ事も…老いる事もないんだ」 そう呟く声は、言いようのないほどの寂しさが満ちていた。 俺のずっと一緒にいたいという願いと、彼女の身体の問題。 その二つをあわせれば…考えたくもない未来は簡単に予想できてしまう。 「私は…絶対にあなたを先に逝かせてしまうよ」 「そうだね…まず間違いなく、僕が先に死ぬだろうね」 僕のほうを見ている妹紅の瞳に、大粒の涙が一粒、二粒と浮かび始める。 それは頬を伝い、輝く軌跡を残す。 純粋な、悲しみの表情。それすらも僕は愛しく思ってしまう。 「私は、あなたが…皆が想像するほど、強くないよ…」 「………」 知っているよ。君は本当は凄く弱くて、寂しがりで、誰よりも温もりを求めてて… 「愛する人…失って、その後も生きていける自信なんて、ないよ…」 「………」 そう思ってしまった。だから、言うのを一度はためらった。けど… 「やだよぉ…困るよぉ……わた、私も好きなのに…大好きなのにぃ…!」 妹紅が言えたのは、そこまで。後は涙で声が出せなくなってしまう。 僕は、一歩一歩、ゆっくりと妹紅へ歩み寄り…そっと、妹紅に手を差し伸べた。 「…慧音さんに言われたんだ。告白して、応えてもらえたとしても、僕の先には苦難が多いって。 だから、一杯考えて、悩んで…全ての覚悟をした上で、思いを伝えろって」 妹紅は涙をぬぐいながら、僕が差し出した手を見つめている。 「僕は全て覚悟をした。死によって必ず分かたれる事も、妹紅をおいて逝ってしまう事も。 …それでも、君を愛さなければ、僕は…きっと生きていやしないのだから」 そう、最初に妹紅と出会ったときから…きっと、この結末は決まっていた。 あの時から…僕は妹紅以外を、愛せなくなってしまっていたのだから。 「僕は…きっと妹紅を苦しめる。生きていても、死んでしまったとしても… けど、僕は信じられる。妹紅と一緒なら、沢山の悲しみをも超える幸せを、見つけられるって」 一緒にこれからの時を、歩んで行けるのなら。きっと沢山のいい事がある筈だ。 それはきっと、潰されそうなほどの悲しみや、無限の時を背負って生きる妹紅の助けに、きっとなるはずだと、僕は信じている。 「勝手な思い込みだと思ってもいい。怖いのなら、否定してくれたって構わない。 けど、もし僕の言葉を信じてくれるのなら…僕の手を、取って欲しい」 これが僕の覚悟だ。そう言うようにもう一度、妹紅に手を差し伸べた。 「…………」 妹紅は、何度もしゃくりあげながら、僕の手をじっと見つめて… 僕の手を、握り締めた。二度と離すまいとするかのように、強く。 「私も…よ。きっと…今あなたと離れたら…私も生きてなんかいられない」 涙混じりの赤い瞳で、けれども…力強い眼で、僕を見つめ返す妹紅。 「…信じるよ。あなたの言葉を、全て。だから…」 妹紅は繋いだ手を引き、僕を引き寄せて胸元に飛び込んできた。 「私を幸せにして…!これからも、あなたが消えても、ずっと…ずっと……!!」 僕はその願いに、言葉ではなく態度で示した。 腕の中にいる妹紅を、強く強く抱きしめる。大切なものを、離さないために。 1スレ目 185 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「これで、ずっと…一緒だよ?」 ボタボタと血を流しながら、掌に肝を乗せ、差し出す妹紅。 痛みで顔を歪ませて、それでもしっかりと俺を見つめて。 …これはきっと、彼女の最大の我侭なんだろうと、思った。 不死の苦しみも辛さも、彼女は知っている。 そして、そんな人間を増やしたくないと彼女自身が言っていた。 …それなのに、今こうやって俺を不死者へと誘っている。 一体どれ程悩んだのだろうか?どれだけ、苦しんだのだろうか? 俺はその思いに、答えなければならない。 どれ程の痛みと苦しみが、先に待っていたとしても。 「あっ…!」 俺は差し出された肝を手に取った。まだほのかに暖かく、血に塗れている。 一瞬迷い……そして、ソレに齧りついた。 鈍い鉄の味と、形容の出来ない肉の味。何度も何度も、吐き出しそうになる。 「……っ!………っっ!!」 それでも吐き出さない。涙を零れても、食べることは止めない。 口の周りは血で真っ赤に染まる。きっととんでもない姿だなと、頭の隅で思ってしまった。 「……っはぁっ!げほっ、げほっ…!」 ついに、全てを食べ終えた。残ったのは零れた血に染まった手と服と…俺。 …俺"も紅"に、染まってしまったと実感した。 体中からエネルギーが沸いてくる。これが…蓬莱人というものなのか。 「…ありがとう。拒否しないでくれて…」 へたり込んでいる俺の肩を、妹紅は強く抱きしめた。 「これからは…永遠に一緒よ。私の…大切な、旦那さま……」 妹紅の腕のぬくもりは、これから続く永遠の蜜月の始まりを告げていた… 1スレ目 309 226のネタより 備考:> 266のネタ 226 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/22(月) 11 51 01 [ WEQNpfyw ] 185 妹紅自ら腹を切り裂き取り出した血まみれの肝を差し出すシーンが思い浮かんだ訳ですが。 「これで、ずっと・・・一緒だよ?」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「これで……ずっと、一緒に……いられる……よ」 自らの腹部を切り裂いたその手が、湿った音と共に引き抜かれる。 だらだらと流れる血は彼女の苦しみを現すかのように、地面に落ちると同時に重油のように炎を上げて燃えていく。 激痛に涙さえ浮かべた、僕の恋人。 そっと、鮮血に染まった右手が差し出される。 赤黒く、不死ゆえに本体から摘出されてなお拍動を続ける彼女の内臓。 これを口にすることは、永遠を我が身そのものに受肉させることに他ならない。 ああ、古来よりいったい何人の権力者がこの見果てぬ夢を追い、失望のうちに死神のお迎えをシカトしようとしてきたか。 人がエデンの園から家主に追い立てをくらう以前。生死の束縛を逃れ、まさしく「人」としてここに在るアダム・カドモンの具現。 まさか、その神秘中の神秘が、目の前の肉を食らうことによって得られるとは。 まさか、その永遠という名の苦界に身を置くことを、決断しなくてはならないとは。 「嫌だったら…………無理、しなくて……いいか……ら」 妹紅の泣きそうな言葉が、胸を抉る。 老いず、死なず、時の果てるそのときまで現世をさすらう。 果たしてそれが、どれほどの苦痛なのか。今の僕には分からない。 けれども、差し出すその手は震えていた。 僕を死なないものへ。いや生も死も忘れたものへと引き込もうとする罪悪感か。 始めは、僕はいつか死んでしまうものでかまわないと思っていた。僕がいなくなっても、代わりの友だちはまた見つかるだろうと思っていた。 いつから、変わったんだろう。妹紅のことを、特別に見るようになったんだろう。 でも、そんなのは嫌だ。妹紅と別れるなんて、考えられない。 共にいられる喜び。永遠を過ごす苦しみ。全てを分かって、妹紅は僕に自らの肝を差し出した。 好きな人と一緒にいたい。 そんなごく当たり前の幸せ。 普通の女の子が普通に思い描く、ごく普通の幸せ。 妹紅だって一人の女の子だったんだ。ずっと孤独に打ち震え、何人の想い人の最後を看取ってきたんだろう。 そして、僕はどうする。 拒絶されるかもしれない恐ろしさに震えている女の子を、どうして見捨てることができるだろうか。 そして、僕の恋人が泣いているのなら、その涙をぬぐうべきなのは僕だけだ。 僕は、差し出されたその手に、自分の両手を重ねた。 手が、紅に染まっていく。 「あっ……………………」 一瞬びくりと震える妹紅。その怯えたような様に、かえって愛しさが募る。 「ありがとう……。僕も、君と一緒にいたい。ずっとずっと、永遠に」 精一杯の、告白と共に。 「う…………」 「う?」 「うまっっっっすぎるぅぅぅうっっっっっッッ!!」 一切の恥、外聞、遠慮、理性。そういったものを亜空間のかなたに置き去りにして鍵をかけたような奇声。 無論、そんな声を出すのは妹紅じゃない。僕だ。 妹紅がびっくりしたような顔をしているけどかまうものか。 これは思考の美味を口にしたときに人間が発することを許された本能の叫びだ。 どっかの「法の書」の著者も「汝の欲するところを行え」って言ってるもんね。遠慮なく従わせていただきますマスターテリオンな故アレイスター・クロウリー氏に合掌九拝GOOD BAY. 何が美味いのかって? まあ見てください僕と妹紅が額をつき合わせて向かっている食卓を! そこにあるのは玄米ご飯と豆腐の味噌汁。これは今はいい。妹紅のとってもおいしい手料理だけどね。 重要なのはここからだ。おかずとして僕の前にだけ並べられたもの。その二つの尊き名は、 レバ刺し! そしてレバニラ炒め! ただ一口レバーとニラの炒め物を箸で口に運んだだけ。 それなのに脳髄を駆け巡る「美味!」の二文字、いや感嘆符を含めた三文字。 まさに 「最高(裏返る)だああああっっっ! もっと食わせろっ!」 僕の声が大塚明夫でないのが残念なところ。ちなみに魔法の森のキノコは「食えるかっ」。夜雀は「まあまあだな」。……そんなことはどうでもいいか。 こ、この妹紅の肝の美味しさ! それは蓬莱の如く到底言葉にできない。できてたまるか。 「そ、そうなんだ。一応、よかったかな…………」 「うん! ものっすごく美味しいよ妹紅。このレバニラの焼き加減がもう最高! レバーの独特の香りとニラの香りが溶け合って逆に食欲をそそる香りへと昇華していてもう箸が進む進む! ああ、こんな美味しいレバニラ食べるの始めてかも。そしてこっちのレバ刺しもまたねぇ、日本酒に合うんだよ~! 一口飲むたびに、一口噛むたびに、幸せが味蕾を通して大脳に直撃しているのがよく分かるんだ~。ありがとう、本当にありがとう妹紅!」 こんな肝を差し出してくれた妹紅に感謝の雨を降らす。 そしてありがとうお母様。一人暮らしをする息子にしっかり料理を教え込んだことが、今まさに報われたのですよ。仰げば尊し我が母の恩。 自分の肝を料理させるなんて僕にできるわけがなかった。庵の台所を借りて調理したんだけれども、まさかここまで美味しくなるなんて。 遠慮がちに嬉しそうな顔を作る妹紅。あはははは、もっと喜んだっていいのに。 これが本当の「私がプレゼント♪」ってやつか。こんなに美味しいものが食べられるんだったら、死ななくなったらどうしようなんて悩んでいないでさっさと食べればよかった。 自分の肝を美味い美味いと連呼されながら見る見るうちに皿からなくなっていくのを、妹紅はなんとも複雑な表情で眺めていた。 そして僕は懸命に、「また食べさせて」と口走りたくなるのをこらえていた。 この物語は、これで終わる。 こうして、一人の永遠の孤独を生きなければならなかった少女は、無二の想い人によって共に永遠を歩むという救いを得た。 そして一人の青年は、幻想郷に迷い込んだ果てに自らの伴侶を見つけ出すことができた。 その後の二人については、語る必要はあるまい。 ただ、人里離れた庵に居を構え、一人で巨大な鉈を研いだりしているときに、ふと青年は思い出したかのようにつぶやくことがある。 「妹紅…………あんなに肝が美味しかったんだから…………他のところはもっと美味しいだろうね…………くけ……くけけけけけけけけけけけけけけけ」 そう恍惚に浸ったような呟いては、あわてて正気に戻ることを、青年は何度も繰り返すのだった。 それは蓬莱の薬。人間は決して口にしてはならぬ禁忌の薬。 一度手をだしゃ、大人になれぬ。 二度手をだしゃ、病苦も忘れる。 三度手をだしゃ……病み付きになる。 どこぞのレクター博士な主人公エンド。逞しすぎです。クーリエにうpしたいんですがよくやり方が分からなくて。参照したのを貼り付けるのですが……。 1スレ目 235 238 226ネタ ─────────────────────────────────────────────────────────── 妹紅「私が過ごす時に、どうやってもついてこれない貴方が何を言うのかしら」 うわ、何こいつ、永まじキモ… 死なないだけで人間と変わらないくせに、 もともとの自分の力でもないくせに、 定命のものをそれだけの理由で見下すかの態度。 だいたい、あんたと数少ない「おなかま」を除けばどんなに長命な生物でも いつかは死ぬんだよ。 そういうのをすべて遠ざけて自分だけ特別、誰も私を幸せにできない、 みたいに勘違い気取ってるわけ? さびしいヤツ、永遠にさびしいなんて救われないヤツ あんたは死なないだけで人間だろ? 人は人の時間に生きて感じて 人の時間で幸せにもなって不幸にもなるようにできてる。 あんたは永遠を理由に、 誰にでも当たり前にある、けれどまた見てもいない不幸から逃げてるだけさ。 臆病者の勘違いキモ… でも、そんなお前を愛してる! 妹紅「・・・!(絶句) 私、間違ってたのかな ごめんね、気がつかなくて、悪いのは私だったんだね ・・・ アナタヲ問答無用デ殺ラナカッタノハ私ノ過チネ ・・・ さぁ、遺言はもう聞かないわよ(フェニックス再誕」 けーね先生 ひいて見たけどやっぱりダメでした 1スレ目 439 一蹴ネタ、 437を受けて 備考:> 437 一部省略 437 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/09/17(土) 00 31 20 [ 8RT4sFs6 ] 結論・強引な手段は何も生まない。押してだめなら引いてみようってけーねが言ってた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── ちょっとした昔話だ。 ある青年が、一人の少女に恋をした。 青年は幻想郷の外から来たただの人間。 少女はかつて蓬莱の薬を飲んでしまったただの不死の人間。 青年は本気で恋をした。少女もまた、青年を愛するようになっていた。 ただ、青年と少女とで決定的なまでに違う点が一つあった。 彼女が不老不死だということだ。 少女は老いず、死なず、変わることのないその命にいい加減飽いていた。しかし黄泉という名の安息は決して訪れることはない。 少女は青年の告白を受け入れられずに去っていった。 青年と少女は出会ってはいけなかったのかもしれないし、逆に青年と少女こそ出会うべきだったのかもしれない。 いずれにしろ、それから長い時が流れることとなる。 「妹紅っっっっッ!」 輝夜の五体を引き裂かれるような絶叫が竹林にこだました。 普段の淑やかな彼女からは想像もつかない、心の奥底から搾り出されるような叫び声。 その瞳は、目の前の信じられない光景のみを食い入るように見つめていた。 名を呼ばれた少女、藤原妹紅の全身が炎に包まれている。 それは特別おかしくはない。彼女は炎を操り不死鳥を使役する。炎に身を包みその体そのものを贄としてさらに炎熱の激しさを増すのが彼女の得意とする戦法だった。 けれども、目の前の炎は明らかに違った。 吐き気を催すような毒々しい灼熱の紅蓮。 邪な意志を持ち、見るものを狂気へといざなう様なその蠢き。 天を焦がさんばかりに吹き上がる揺らめきすら、この世のものではない何か別の法則にのっとって動いているかのようだった。 言葉では同じ炎だ。だが、何もかもが違う。幻想郷にあるどのような炎。それこそ竈の火から火山の溶岩さえも見てきた輝夜だが、このような火炎は一度も見たことがなかった。 熱い。妹紅が立つ地面が焼け焦げて黒く変色し、目の前の草と竹が次々と炎熱にあてられて異様な速さで枯れていく。 あまりにも異常な光景。まともに見たら間違いなく発狂する真の満月を見ても異常をきたさない輝夜でさえ、その炎を直視していると気が狂いそうになるのを感じた。 「姫…………お下がりを。あれは危険です。私たちの知るものではありません」 隣の永琳がそっとささやくが、輝夜には聞こえていない。 彼女が見ているのは、ただ炎に身を焼くに任せている妹紅の姿だけ。耳に聞こえているのは、その業火の吹き上がる音だけ。 妹紅は、こちらを見ていた。 炎に焼かれるのは特別なんともないのか、呆然とする輝夜とは対照的に穏やかな表情で輝夜を見ていた。 輝夜は、たしかに聞いた。 さよなら、かぐや。 その声を。 耳にではなく、心にだったのかもしれない。 それを最後に、妹紅の姿は炎の中に消えた。 一瞬で、終わった。 灰燼に帰す。 文字通りの、消滅。 五体が崩れ、炭化する暇さえなく灰となり消えていく。 燃えるものがなくなれば、炎は消えるのが道理。 あれほど激しかった異形の炎は、その凄まじさからは滑稽に思えるほどに一瞬で消えてなくなった。 肌を焦がすほどの熱風が吹きぬけた後、そこには焼け焦げた地面だけがあった。 「妹紅…………」 もう一度、魂が抜けたように輝夜は呟く。 着物のすそを引きずりながら、黒焦げになった地面にまで幽霊のように近づいていく。そこには何もない。灰の一つまみさえも残っていない。 いつもなら、この後何事もなかったかのように妹紅は空間から五体満足の状態で姿をひょっこり現してくるはずだった。 けれども、今回に限ってはただ沈黙だけがその場を支配している。 「何で…………蘇ってこないの…………なんで?」 誰ともなしに輝夜は虚ろに呟く。あまりの衝撃に泣くことさえ忘れてしまったかのように、ただ空っぽに。 気が狂うほどの、心を抉られるような静けさ。 けれども、 「魂魄のその一切を焼き尽くすほどの炎熱が、この世にあると思うかい?」 輝夜が眼を上げると、竹林の間から一人の青年がゆっくりと出てきた。手には分厚い本を一冊持っている。外見から察するにどうやら魔法使いだろう。 「幻想郷にはない。現世にもない。精霊の炎でも悪魔の炎でも地獄の炎でも、蓬莱の人の魂魄を遍く灰燼に帰せしめるほどの力はない」 「あなたが、妹紅を殺したのですか?」 いつの間にか傍に立っていた永琳が鋭く問いかけるが、青年は肩をすくめた。 「違うね。彼女を殺したのは時間さ」 青年もまた、逆に問いかける。 「あなたたちは、彼女の言っていた月の方々らしいね」 「ええ」 「なら、話が早い。見てのとおり、彼女はもう蘇らない。どこにもいない。魂魄全てを焼き尽くされ、決してここに帰ってくることはない。永眠したのさ」 「無理です。そんなこと…………」 「ありえないってね。私だってそう思っていたさ。そのとおり、現世ではありえない。この世ではありえない。ならば、この世ではない異界の存在ならば、それは可能ではないかな」 永琳は黙った。目の前の青年の正気を一瞬疑ったからだ。異界のことなど、どうして現世にいるものにわかるだろうか。けれども青年は何の表情も顔に浮かべぬまま、手に持っていた一冊の古びた本を掲げた。 「この『死霊秘法』に記された召喚の術式。星の彼方に住まう灼熱の邪神をこの世に喚起する禁忌中の禁忌。儀式を執り行い呼び出された炎はこの世のものではない。あなたたちも見ただろう。あれは絶対にこの世界にあってはいけない異界の業火。全ての生けるものが嫌悪すべき邪悪の神火。けれどもあれならば、あの神そのものが具現した炎ならば、たとえ蓬莱人であろうとも耐えることはできない。文字通り、死に絶える」 気の遠くなるほどの長い時を生き、人類とはかけ離れた文明を築いた月の民である永琳と輝夜。その二人とも全く知りえない事実を、青年は淡々と語った。 「帰りたまえ。彼女はもうここにはいない。妹紅は死んだ」 青年のその言葉に、初めて輝夜が反応した。 「どうして……殺したの」 ようやく失っていた感情が戻ってきたのか、輝夜の頬を一筋の涙が伝った。 「大好きだった……。私のことを嫌いだったことも、私のことを求めていたことも、やがて私のことをちょっとだけ好いてくれたことも、なにもかもひっくるめて私は妹紅のことが大好きだった。愛しくて愛しくてたまらなかった。永遠に一緒にいてくれるって信じてた…………。なのに、どうしてあなたみたいなただの人間が…………」 青年は、一瞬だけ後悔するようなそぶりを見せたが、ぽつりと 「あなたも……彼女のことが好きだったのか」 返答はない。けれども言葉などなくても、答えはまざまざと伝わってくる。 「私も、若いころに彼女に恋した。助けてもらったのがきっかけでね。自分でも驚いたけれども、どれだけ時間が経ってもこの気持ちは変わらなかった。そして、嬉しいことに妹紅も私を愛してくれていた。もう、だいぶ昔の話さ」 青年は目を横へ向け、少し前まで妹紅が立っていた場所を見つめた。 「私のほうから告白したけど振られてね。私だってお前のことはとても好きだ。でも自分は永遠を生きる人間。お前はすぐに死んでしまう。一緒になるべきではないって言われたよ。だったら魔法を極めて不死を手に入れてみせる。いや蓬莱の薬だって作ってみせるって息巻いたけれども、彼女は去っていった。ただこう言い残してね」 青年はため息と共に、一言呟いた。 「永遠に生きることは重荷だ。人という存在は永遠に生きることなど耐えられない。もし死ねるのならば、死んでやり直せるなら、私はそうしたい」 再び、青年は輝夜を見る。 「あなたたち月のものには分からないだろう。人間は永遠に生きられない。たとえ体が生きても、精神がそれを拒絶する。親兄弟が死に、親しいものが死に、出会ったもの全てが死んでいなくなるのに、自分だけが取り残される孤独。妹紅はその孤独に苛まれていたし、そして誰も自分のように苦しんで欲しくないと願っていた」 輝夜は無言。そして横に立つ永琳もまた無言。 「だから、私は魔術を極めた。唯一つの理由のために。彼女を永遠の苦輪から解放するという、ただそれだけのために禁忌に手を染め、異界を覗き見、正気と引き換えに禁断の知識を脳に刻み付けた。そして、それは今ここに成就した。妹紅に全てを話して、自分ならば君を殺せると提案してみた。提案しただけだ。選ぶのは妹紅の権利だ。長い間考えた末に、彼女自身が選んだ結論がこれだった。妹紅は永遠に現世を彷徨うことはない。誰の死をも苦しむことはない。魂魄を焼き払ったから冥界に行くこともない。ただ世界の中にようやく戻り、全てが新しく始まる転生の時を待っている」 青年の独白は終わった。 妹紅を女として愛したものと、妹紅を友として愛したものとが、ただじっと顔を向かい合わせたまま立ち尽くしていた。 「そう…………」 やがて、輝夜は袖で流れた涙をぬぐった。もう、取り乱した様子はない。いつもの静かな、月の姫君に戻っていた。 「よく分かったわ。私はこの永遠で満足していた。妹紅も永遠を生きるものとして満足しているものと思っていた。けれども、それは違ったのね」 「人間である、私の視点から見れば」 「故人のことよ。どう推察してももう分からないわ。御礼を言うべきかしら、私の愛した妹紅を解放してくれたことに。…………けれども、私は親しい友人を殺したあなたを許すわけにはいかない」 静かに、輝夜は右手を上げる。 伸ばした人差し指。そこに光がともる。 「難題を一つあげるわ。これから私が放つ弾幕は一条の閃光のみ。けれどもそれは確実にあなたの心臓を貫き、あなたを絶対に殺す。かわすことは不可能よ。私は永遠と須臾を操るから、どんなにあなたに届くまでに時間がかかろうともそれを一刹那にすることができる」 相手に逃れられない死を告げながら、なぜか輝夜はほほえんだ。 「今から五つ数えるまで待ってあげる。五つ数え終わったら、閃光は放たれる。数え終わるまで私は何もしない。けれども数え終われば、必ず閃光は放たれる。さて、どうすればあなたは死から逃れることができるのかしら?」 隣の永琳が何か言いかけ、けれどもまた黙った。 青年と輝夜と目が合う。 微笑する輝夜。その笑みは、あのとき炎に包まれていた妹紅とまるっきり同じ種類のものだった。 青年は、うなずく。 輝夜も、うなずく。 「一つ」 青年が手に持った本をおもむろに胸の高さまで上げると、ひとりでに本は開きページが次々とめくれていく。 「二つ」 空間を振るわせるような呪文の詠唱。これまでに存在したあらゆる言語とも似ても似つかない、軋るような唸るような呻くような聞いたことのない呪文。耳をふさぎたくなるような奇怪なリズムと胸が悪くなるような発声も、輝夜はものともしない。 「三つ」 詠唱を止めることなく、本を左手に青年は右手を輝夜に向ける。その手のひらに炎がともった。あのときと同じ禍々しい不吉な炎。 蓬莱人の永遠さえも食い尽くし、舐め尽くす異界の神火。 「四つ」 炎が吹き上がり、狙いを定める。それは避けられぬ直線上にいる輝夜その人。 輝夜は、ささやいた。 さようなら、えいりん。あえてよかったわ。 「いつ……」 つ、までは輝夜は口にすることはできなかった。 手のひらから放たれた炎が、狙い過たず輝夜に襲いかかり、その全身を包み込んだ。 炎に耐性のない輝夜など、神火の前では妹紅のように姿を保ったまま焼かれることさえ許されない。 一瞬で、燃え尽き灰となり消え去っていく。 地面は殆ど焦げなかった。炎が焼く対象があまりにも早く燃え尽きたせいだ。 もう、蘇ることはない。 彼女もまた世界に取り込まれ、転生の中に還っていった。 後に残ったのは、最初から最後まで殆ど口を出すことのなかった永琳と、都合二人を炎の犠牲とさせた青年だけ。 「終わりましたね」 「ああ、そうなるかな」 永琳はまるで、何事もなかったかのように平然としていた。 「さて、あなたはこれからどうします?まだ研究が残っているのでは?」 「くくくっ、こう見えていろいろ延命やら不老やらの術の厄介になっていてね。分かると思うけど見た目ほど若くないんだ、私は。それに研究にだいぶ正気をつぎ込んでね。遠からず気が狂うことになりそうだよ。まして、研究の成果など人に教えるべきものじゃない。あれは人間も妖怪も身を破滅させることにしか使えない知識だ。ここに来る前に全部処分したよ」 青年の額を、脂汗がつたった。 がくりと、不意に膝をつく。 「結局…………何も救えなかったな。私は」 「いいえ。永遠などどこにもありはしません。姫はあるとお思いだったかもしれませんが、永遠に互いに愛し合い、仲良く暮らすことなどできません。長い時の果てには幻想郷も滅びますし、月とて遥かな未来にはこの星よりなくなるでしょう。いいえ、この星さえも、やがては太陽に飲み込まれ滅びる定め。いつかはあなたが手を下さなくても、蓬莱人さえも滅びることでしょう。時間が姫たちを殺すよりは、はるかによいことだったと私は思います」 「だったら……いいけどね。私だって、妹紅をもっとよい形で救いたかったよ」 「それは、世界がするべきことです」 「ああ………本物の神がおられるのだったら…………そう祈りたい」 突然、青年の左手が燃え上がった。青年は驚くこともなく、炎を見つめる。 「二度の召喚は負荷が大きすぎたようだね…………。私もまた、邪神の炎に焼かれることになりそうだ…………ちょうどいい」 左手に握ったままの本が燃えて灰となっていく。炎はどんどんと青年の体を包み、禍々しい光と熱で彼の存在をこの場から消し去ろうと牙をむく。 「最後に…………一つ言っておくよ」 「どうぞ。遺言ですか?」 「いいや…………」 まだ無事な顔で、青年はにやりと笑った。魔法使いの顔で。 「私を焼くこの炎…………これも神火でね。私が死んでもしばらく燃えるだろう…………。姫と妹紅の後を追いたいのなら………使ってかまわないよ」 それだけ言うと、青年は力尽きたのかうつ伏して倒れた。 もう、頭を上げることも動くこともない。炎は自らを呼んだ主を焼き、轟々と音を立ててさらに燃え上がる。 あたかもそれは、弔うものもいない火葬の炎のように。 永琳はただ、じっとそれを見つめていた。 「どうだ、藤原。新しい学校にももう慣れたか?」 「はい。すっかり。ここがもともと私の学校だったくらいに」 「それはよかった。君にはよき先輩がすぐにできたからな」 「あ………分かりました?」 「もちろんだ」 放課後となった学園は、急に慌しくなる。部活に向かうもの、寮に戻ろうとするもの。逆に手持ち無沙汰になってうろつくもの。 ホームルームを終えて教室を出た私の隣を、一人の生徒が歩調を合わせて歩いている。 藤原妹紅。先日両親の都合でこの学園に転校し、私の受け持っているクラスにやってきたばかりの生徒だ。 広大な敷地に建てられた女子専門の学園。私はそこで国語の教師をしている。私の実家は何てこともない平凡な家だったが、ここに通う女の子たちはみんなお嬢様ばかりだ。少々場違いだと自分でも感じることもあるが、教えることは楽しく、またやりがいがある。 転校初日からいろいろと学校の中で面倒を見てやったせいか、藤原は親しげなそぶりを見せることが多い。今日もこうして、わざわざ職員室に戻るだけの私の隣を、こうして彼女は歩いている。 はたから見れば、私たちはどう見えるのだろうか。 「でも先生。先生には恋人とかっていないんですか?」 何がどう繋がって「でも」なのかよく分からないが、急に藤原がそんなことを私に尋ねる。 不意の質問に、なぜか私は黙った。 「恋人…………か」 思えば、女性と親しくした経験など殆どない。 告白されて付き合ったことはある。けれどもすぐに別れてしまった。 なぜだろう。私を見つめる昔の彼女の顔。 そこに誰か、別の見たこともない少女を一瞬だけ幻視してしまうのは。 「ああ。いないな」 私は当たり障りなく答えたつもりだが、藤原は足を止めた。 おいてそのまま歩くのも不自然なので、必然として私もまた足を止め、彼女の方を向く。 「女の子って苦手です?」 「いや、そういうものではないのだが……。ただ機会がないだけだ」 どうしてそのことに彼女がこだわるのだろうか。私が解せずにいると 「だったら、私が恋人に立候補してもかまいませんか?」 突然の一言に、心臓が止まった。 冗談はよせ、となぜか口に出せなかった。 こちらをじっと、身長差ゆえに半ば上目遣いに見つめる藤原。 その顔に、 懐かしい何かを、 遠い日の、見たことも訪れたこともないどこかの記憶を、 悲哀でしか語れない追憶を、 幻視した気がした。 「…………うそ」 「は?」 いきなりにやっと笑う藤原に、思わず間抜けな声がもれる。 「だ・か・ら・う・そ。あっ、先生本気にしちゃいました?だったらごめんなさい。でも教師と教え子の恋愛なんてだめですよ」 「わ、分かっているそんなことは。先生をからかうのはいたずらでもよせ」 「謝ってるじゃないですか、ごめんなさいって」 「まったく、誰かに聞かれたら冗談ではすまないことだ」 困ったことだ。どうにも生真面目な性格が災いして、私はまれにこうして教え子にからかわれる羽目になる。悪意はないのだから余計どう対応していいのか分からない。 再び廊下を歩き出した私に、それでも藤原はついていく。 「でもね、先生」 今度は、打って変わって真面目そのものの声だったので、やはり私は仕事柄返事をしてしまった。 「どうした」 「これは本当の話ですけど、先生と私ってどこかで会ったことがありませんか」 私は歩きながら横を向くと、藤原はこちらを見ないでまっすぐ前を見ていた。 どこか、遠くを見るような目つきで、独り言のように続ける。 「初めて先生と会ったときに、一瞬だけ感じたんです。この人と私ってどこかで出会っているんじゃないだろうかって。デジャヴって知ってますよね。そんな感じです。他人のようには思えないんです。ずっとずっと昔、本当に思い出せないくらいに遠い昔に、私と先生はお互い会っていたような気がするんです」 「……………………」 何も言えずに、私は彼女の横顔を見ていた。 「先生は、そう感じません?」 感じる、と答えるべきなのだろうか。私の感じていた幻視の正体が、これなのだろうか。 心の奥で、恐らくそうだと思っていた。この少女こそが、私の幻視の見せる少女なのだと本能が告げている気がした。 けれども私は、首を横に振った。 「理屈では、そんなことはないはずだ」 「そうですか。そうですよね…………」 少し残念そうなそぶりを見せた藤原に、私はけれどももう一言付け加えた。 「だが、もしかしたら偶然に偶然が重なって、そうなのかもしれないな。あるいは、お互いが覚えていないほどの昔に」 「前世って信じます?」 「いや。オカルト関連に興味はない」 私は、自分の心に生じた思いをそのまま封じた。たとえそれが計り知れない造物主のいたずらで事実だとしても、昔は昔のことだ。今の私たちが負うべきものではない。 「あ、先輩。それに八意先生」 ふと、横の藤原がひどく嬉しそうな声を上げたので、私は前に眼を戻した。 「あら、妹紅じゃない。それに先生も」 「こんにちは。奇遇ですね」 見ると廊下の向こうから歩いてくる、私と同じように生徒と教師という一組。 一つ上のクラスの生徒会役員の蓬莱山輝夜に、そこの担任の八意永琳だった。 「ごきげんよう」 丁寧に私たちの前で一礼する蓬莱山。大企業の一人娘という肩書きにまるで恥じない挙措だ。しわ一つない制服も、綺麗に伸びた烏の濡れ羽色の髪も、日本人形のような整った容貌も、まさに良家の令嬢といった感じだ。 「先輩、どうしたんですか」 「あら、藤原ったら約束を忘れたわけ。今日は放課後に図書室で調べ物って言ったでしょ」 「はい、だからこれから行こうと…………」 「もう。たまには迎えに行かせなさい。待っているあなたに会いに行くのもまた楽しいんだから」 「せ、先輩……その、嬉しいです…………」 なにやらずいぶんと深く感じ入っている様子の藤原。そうなのだ、藤原がこちらに転校してからというもの、この蓬莱山が何かと藤原の世話を焼いてくれているのだ。さっそく藤原は生徒会の書記に抜擢され、今ではまるで社長と秘書のようになってしまっている。 「ほら、はしゃがない。リボンが曲がっているわよ」 「あ…………」 藤原の頭に手をやって、髪に付けたリボンをそっと直す蓬莱山。目を細めた藤原は借りてきた猫のようにおとなしい。 友人というよりは蓬莱山が可愛がっていると形容した方が正しいのだが、藤原もその熱愛を一身に受けてまんざらでもないらしい。いや、大いに喜んでいる。 「でも藤原、何か先生とお話があったんじゃないかしら」 「いや、ただ職員室に帰る途中で一緒になっただけだ。安心しろ、藤原を取りはしない」 「ふふ、先生もだいぶ冗談が言えるようになってきましたね」 そっと蓬莱山は藤原の手を取る。 「では、藤原を借りていきますね、先生」 「ああ。生徒会の仕事は頼むぞ」 「もちろんです。それでは、失礼いたします」 手を軽く引っ張られ、私の横を通り過ぎる藤原。 こちらを見て、目だけで挨拶するその目は笑っていた。 まるで抱きとめられるように、藤原は蓬莱山の隣にきれいに収まった。 「さあ、行きましょう。あなたがいてくれて私も助かるわ」 「はい、先輩。そういってくれると嬉しいです」 肩を並べよりそって廊下を歩いていく二人は、仲むつまじい、という言葉がぴったりと当てはまる様子だった。 私がそれを見ていると、横で声をかけられた。 「教え子と堂々と逢い引きだなんて、先生も隅に置けませんね」 「冗談はよしてください。ただでさえ生徒によくからかわれるんですから」 「あら、それは先生がそれだけ生徒に愛されてるってことなんですよ。むしろありがたがるべきです」 そう言ってのけるのは八意先生だ。化学を担当しているため、いつも無造作に白衣をひっかけているが実はかなりの美人で、これでも博士号をもつ天才だとか。 「でも、藤原さんは先生と仲がよいみたいじゃないですか。告白なんてされたりしません?」 「もう少し若かったら、私のほうから告白していたかもしれませんね」 そう言うと、少しだけ八意先生は驚いたような顔をした。 「本気ですか?」 「ええ。何か?」 「いえ……先生もおっしゃるときはおっしゃるんですね」 私は笑って、はしゃぎながら遠ざかっていく二人を見つめた。 「藤原に言われましたよ。私と自分がどこかで会ったことがないかって。まるで前世の因縁のようなことをね」 「あら、それなら私も蓬莱山さんに言われましたよ。先生と私はもしかしたら前世で知り合いだったのかもしれないって。先生もそうだったんですか」 不意に私と八意先生は顔を合わせ、探るような目で互いを見た。 「もしかしたら…………」 「私と八意先生も…………」 その交錯する視線の向こうに、何かを見つけようとして。 …………けれども。 「そんなわけないですよね」 「ええ。きっと気分の問題ですよ」 二人は、お互いのしていることがおかしくて少しだけ笑う。 他人のようは思えない、か。 ならば何をもって「他人」と「知り合い」を区別するのか。自分以外は全て平等に他人だというのに。 私と藤原が、かつてどのような形で出会い、関係を持ち、そして別れたのかは興味がない。 私は私であり、過去は過去である。 現に今、藤原妹紅はとても幸せそうだ。 これが一番大事なことだ。 それ以外にいったい、何を望むというのだろうか。私と藤原はもしかするとかつて恋人であったかもしれない。そのときの自分は彼女を幸せにしようと願ったのかもしれない。 ならば、これこそがその成就だ。 彼女の隣には私ではなく、蓬莱山輝夜がいる。本当に仲のよい親友として。 彼女が幸せなら、私は幻視の眼を閉じたままでいい。 それが、妹紅の得た幸せならば。 それが、私の得た幸せなのだから。 …………え~、長すぎて申し訳ない。これでおしまいです。 なんか結局妹紅の隣にいるべきなのはてるよじゃないかと思いまして。仲良きことは美しきかな。 余談ですがえーりんも最初は生徒でしたが制服が似合わないということで教師に。やっぱり年齢ががががg 1スレ目 503-505 513-518 ─────────────────────────────────────────────────────────── 今日は満月…僕は今、竹林を歩いている。 この先には藤原妹紅という少女が住んでいて、彼女を僕の家に連れて行く為だ。 僕と妹紅は知り合ってから半年になる。 妖怪に追いかけられていて、それを救ってもらったのが僕らが知り合ったきっかけだ。 それ以来、満月の夜にワーハクタクである上白沢慧音と共によく3人で会い、語り合うようになった。 妹紅は不老不死で死ぬことが出来ない。そして毎夜のごとく永遠亭に住んでいる輝夜に殺されているという。 僕はその話を聞いたときに満月の夜だけ僕の家で匿えないものか?と提案し、そうすることとなったのである。 幸い、僕の顔は永遠亭の者には知られてなかったので見つかることも無く、満月の夜のみのくだらない駄弁り合いは誰にもジャマされずに朝まで続くのである。 そうして半年が過ぎて今日に至る… そして今日も僕は彼女を迎えに竹林を歩いている… ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「よぉ、無事だったか?」 「なんとかね、慧音は?」 「今日は遅れるそうだ。なんでも使い魔が言うことを聞かなくてお仕置きするとか何とか…」 「……」 「……掘られたな」 「うん…」 「ハハハ…行こうか…」 「そだね…アハハ…」 心の中でその使い魔の冥福を祈っておこう… 僕の家は人里離れた森の中にある。 おかげで、妖怪たちの溜まり場になったりすることもある。 まぁ、僕に危害を加えないなら別にかまわない。 …時々だが、「そーなのかー」が口癖の妖怪に食べられそうになることもあるが… 「ほい到着だ、上がってくれ」 「お邪魔しまーす」 「待っててくれ、今茶ぁしばくから」 「関西人…?」 「…冗談だよ…今淹れる」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「…というわけで、また宵闇の妖怪に喰われそうになったんだ」 「○○も大変だねぇ」 「まぁな…って僕はお前の方が大変のように感じるが…?」 「アハハハハ…またもや内蔵引きずりd」 「待て、それ以上言うと飲めなくなるからやめてくれ」 …あやうくスプラッタな話題になるところだった… 「ん、お茶が無くなっちまったな」 「あ、淹れてくるね」 「いや、僕が淹れてくるよ。妹紅は客だから座ってな」 「たまには客が淹れてもいいでしょ。○○は座ってて」 「う…まぁ、いいか」 「出来たよ~」 「おう、サンキュ…」 そこには…茶とは思えない色の(土留色)液体が… 「も、妹紅…これは?」 「えっ?お茶だけど?」 「…ハイ、ワン、ツー、スリー、フォー、からあげやん!…じゃなくて…お茶は普通緑色だろ!」 「それは…まぁ…か、隠し味を入れてるのよ!」 「どんな?」 「えーと…なんだっけ…知らん!忘れた!」 「…じゃあ、妹紅が毒見してくれ…」 「うん。(ゴクリ)…ブホッ(吐血)」 「げっ…妹紅!大丈夫か?」 「…ピチューン…(死亡)……(リザレクション)し、死ぬかと思った」 「…いや、死んでるだろ…何を入れたらそんな風になるんだよ…」 「…ゴメンナサイ」 「いや、まぁいいけどな…」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 「…どうでもいいけど慧音遅いな…」 「何してるんだろね?」 「……」 「……」 「…すまん、いま慧音が満面の笑みで使い魔をcaved!!!してるのが幻視出来た」 「…私も…」 …ちょっと待てよ…ってことはどう考えても慧音は今日は来れないよな… 夜明けまで妹紅と二人きりなんですか… う、顔が赤くなってきた… 「○○?顔が赤いよ…大丈夫?」 そういって妹紅が顔を覗き込んできた 「いや!大丈夫だから!」 思わず目線を逸らしてしまう。 一連の行動から妹紅も流石に気が付いたようだ。 あっという間に顔が赤くなっていった。 「あ…う…」 「……」 「なぁ…」「ねぇ…」 「あっ、ゴメン。○○先にいいよ」 「いや、妹紅から言えよ」 「ん…あのさぁ…今日って慧音来ないのかなぁ」 「…多分な…今頃お楽しみかな…」 「ってことは…今日って私と○○とで二人きり…」 「う…」 ~5分ほどの静寂~ 「ねぇ、○○は何が言いたかったの?」 「ん…同じことだ…」 「そう…」 「……」 「……」 気が付くと僕らの距離はだんだん近づいていった。 「…なぁ、妹紅」 「…何?」 「二人きりだから言えるんだが…僕はお前が好きなんだ」 「…え…い、いきなり何を言い出すの!?」 「…スマン、いきなり過ぎたな…忘れてくれ」 「あ…わ、私も…○○は好きだよ…」 「そうか……」 「うん……」 そして僕らはいつの間にか抱き合ってキスをしていた。 そして僕が妹紅を押し倒した瞬間だった。 「いやぁ~スマンスマン。すっかり遅れてしm…」 「「ッ!!!!!」」 「…○○キサマ…何をしているんだ?」 「あ…その…これは…その…」 「ほぉ…答えられないのか…妹紅、何をしているんだ?」 「え…その…あ…う…」 「フフン…二人して答えられないか…でもその状態…まぁ、お仕置きに値するなぁ」 「「え…」」 「さぁ、尻を出してもらおうか!」 「「か、勘弁して~!!!」」 ハハハ…なんかネタだらけだ…アハハハハ…はぁ… 183 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「にゅーくれらっ…ぷー?」 「はは、ははは…」 ヤバイ。超ヤバイ。とにかくヤバイ。 ヤバイとかっても 「黄金聖闘士全員が同時に喧嘩するくらい?」 とか、もうそういうレベルじゃない。 ゴメン今の嘘。多分そっちの方がヤバイ。千日戦争とか終わらないし。 でも俺も負けず劣らずヤバイ。スカーレットニードルの性能と同じくらいヤバイ。 てか今日変。凄く変。まず今の状況に至るまでが変。 ※ ※ 今日は買い物して、近道をして帰ろうと思ったんだよ。 何でかって? だって米が重いんだもん。10kgとか半端ない重さだよ、マジで。 そしたら道に迷った。東西南北なんてわかりゃしねーよ。 その上、日が沈んできてたから前も見えない。東西南北中央不可視ってまさにこのこと。 で、なんか穴に落ちたんですよ。ええ、穴です穴。そりゃもうスポーンと。 そんで、落ちた先がこのボロ屋ってワケですわ。本当にボロい。なんかキシキシ言ってる。 まずこの時点でヤバイ。何処だよここ。この年になって迷子? そんなノリでヤバイ。 次にヤバイのが、この床。よく見たら亀裂が入ってる。押せば壊れる、みたいな感じ。 これだけでも十分ヤバイけど、ヤバイことはまだ続く。家の人間がこっちに来てる。 だって床がキシキシ言ってるもん。こっち来てる。音はみっともないけどこれはヤバイ。 あ、襖開いた。超ヤバイ。もんぺ履いてる少女がこっち見てる。頭に「?」を浮かべてこっち見てる。 テラモエスwwwっうぇwwwwwとか言ってる余裕無いけど萌え萌え。テラモエスwwwww テラモエスしてるけど余裕は無い。ダメだしのもう一本ならぬもう一ヤバイ。言葉が通じない。 例えるならイクラちゃん。でも多分あいつの方が実力は上。何故かって? イクラちゃんは「ハーイ」「チャー」「バーブー」って三種類喋ってるけど、このもんぺは違う。 一語だけ。「にゅーくれらっぷー♪」の一語だけ。多分タラちゃんでも理解出来ない。 この言葉が理解できる人がいったい何人いるのだろうか…? 50人ぐらいはいるのだろうか?100人ぐらいだろうか? 『自分は違う』 無茶言うなよ、無理無理。なにせ一語だけ。エキサイト翻訳でも多分二種類の和訳が限界。 そんなこんなでヤバイけど、回想終了。回想の長さもヤバイけど、俺の方がヤバイから終了。 ※ ※ 「にゅーくれらっ…ぷー?」 「はは、ははは…」 「に、にゅーくれらっぷー?」 「お、俺は○○ってんだ。よろしく」 「にゅーくれらっぷー!」 「い、家に入ったのは悪かったって。でも俺も状況が把握できてないんだ」 「にゅーくれらっぷー?」 「森に入ってさ、穴に落ちたらここに辿り着いたんだよ」 「にゅーくれらっぷー…にゅーくれらっぷー?」 「えっと…」 ヤバイ。アゲインヤバイ。もんぺのイントネーションに合わせて適当に会話してたけど、ヤバイ。 何聞かれてるんだか予想できない。今までのが合ってたのかもわかんないけど。 「妹紅、今帰ったぞ!」 「にゅーくれらっぷー♪」 誰か来た。ありがたいけど逆にヤバイ。ヤバさ倍増中。 だって人数増えるし。ツェペリのおっさんとジョースターさんの波紋の如く、ヤバさが相乗効果受けてる。 「む、お前は誰だ?」 「俺は○○。森で迷ってたら穴に落ちて、ここに辿り着いたんだ。 さっきまでそっちのと喋ってたところ。言葉が通じたんだかわからんけど。」 ヤバイ。もんぺよりこっちの方がヤバイ。だって角生えてるもん。牛っぽい角。 しかもリボン付き。ブルーリボンじゃなくてレッドリボン。悪い軍隊。 「そうなのか、妹紅?」 「にゅーくれらっぷー」 「ふむふむ…襖を開けたらこの男が座っていたから話してみたところ、 言葉遣いはともかくとして落ち着いて話をしたら悪いヤツじゃ無さそう。 もう夜も遅いし事情も事情だから、今晩は泊めてやってもいいんじゃないか、って?」 ヤバイ。やっぱりもんぺよりヤバイ。なんであの言葉理解できんの? でもよく考えたらもんぺのあの言葉が一番ヤバイ。意味がたっぷり詰まってる。濃縮還元。 某コンニャクとかでも多分翻訳出来ないくらいぎっしり意味が詰まってる。潰すと弾けるイメージ。 「○○といったな。そういうことだ、今日は泊まっていくと良い」 「す、すまないな。えっと…」 「上白沢慧音だ。慧音と呼んでくれ。こっちは」 「にゅーくれらっぷー」 「聞いてのとおりだ」 「わかるかーーー!!!」 (わかるかー わかるかー わかるかー…) ※ ※ 「ん…ここは…」 「おはよう○○、今日は良い天気だぞ」 「…誰だ?」 「むぅ、昨日自己紹介しただろう?」 「もしかして…くれらっぷー?」 「はあ…慧音だ、私は慧音」 「慧音だって? 昨日の角は…」 「あれか。満月の日にはああなるんだ」 やっぱりヤバイ。言ってることがワケワカメ状態。 「慧音、○○は起きた?」 「妹紅か。彼は今起きたところだ」 チヨツト待テ。何カガオカシイゾ? 「じじじじじ人語喋ってるー!?」 「挨拶も無しに失礼な、私は人間よ」 ん な 馬 鹿 な あ ー ー ー ー ! ! ヤバイ後書きヤバイ後書きヤバイ後書きヤバイ後書きヤバイ後書きヤ バ バ イ まだ数回しか妹紅に会って無いけどついカッとなって書いた。イ 後 にゅーくれらっぷーと書けるならなんでもよかった。 後 書 今はにゅーくれらっぷーしてる。 書 き き ヤバイ後書きヤバイ後書きヤバイ後書きヤバイ後書きヤバイ後書きヤ 210 ─────────────────────────────────────────────────────────── 深夜の竹林にある、家の中。 「俺が、応えられる事は……少ない。 応えていられる時間も、あんたに比べれば、閃光みたいなもんだ」 年が変わる日。 彼女の部屋で、彼はそんなことをつぶやく。 彼女…妹紅は男に背を向けて座る。 月明かりにその蒼い髪を照らされたまま、耳を傾け、何も語らない。 「俺は、何かが出来るっていう人間じゃない、けど……」 男は妹紅の背に歩み寄り、その首にそっ、と腕を回す。 「そばに、居させて欲しい。俺が生きている間だけでも、 あんたの『今』を、色あるものにしたい」 「いや……」 ぽつり、と言葉が漏れた。 「……妹紅?」 しかしそれは拒絶ではなく 「あなたが生きている間だけなんて、いや……。 ずっと一緒に居て欲しい。私の、この『今』という甘い夢を ずっと見ていたい…夢から醒めたく……ない………」 腕に頬を寄せ囁いた、ずっと思いつめていたであろう……ささやかな、我儘。 白黒の魔砲使いから聞いたことが男の脳裏を掠める。 『禁薬とすら言われる蓬莱の薬を服用(の)んだ者は不死身になる。 そして、その不死身になった奴の肝を喰った者も、不死。つまり……死ねない体躯を持つんだ』 『……そう、だったのか』 彼には永い時を生きる孤独というモノは解らない。 ただひとつ言える事は、少なくとも彼が不死となっても孤独ではないということだけ。 つまり、彼が不死となることは同時に彼女の孤独に自分の孤独が寄り添うということ。 「……わかった、」 「え…」 まさか、確認も取らずに男が承諾するとは思っていなかっただろう。 呆然としたまま、正面を向かされ、男に抱きしめられた。 「で、でも……」 言い出したのは自分ではあるが、あっさり応えられたことにうろたえる妹紅。 たとえるなら、 「いったろ?俺が応えられる事は少ないってさ。 でも、あんたのためにしてやりたいことが、出来ることがある。 それが、不死身となって側にいることでも構いはしないさ」 「あ……」 それを聞いてしまうと、もう止まらなかった。 声が掠れ、顔を男の胸に押し付け、ただただ嗚咽を上げる。 「俺のことは気にするな、俺が一緒に居たいんだから… 一緒に居たいのはあんたしかいないと思ったから決めたんだ」 ――数十分後、日付が変わり、新しい年が明けたとき、 妹紅の部屋には、月光を反射して鈍く光を映すおびただしい量の血の海と、 血を吐き、荒い息をつきながら寄りかかる女性、そして―― 「これで、いつまでも一緒だ……もう、一人じゃない」 「はぁ……はぁ……。ありがとう…」 「ああ……。愛してる、妹紅……」 ――口元から上半身、すべてに血のシミを作りながら その女性に寄り添うようにすわり、彼女を抱きしめる一人の蓬莱人がいた。 ……このことはとある烈風鴉の手によって幻想郷中に知れることとなる。 この後、男は慧音ともよろしくやることになるのだが、それは別の話。 =これより闘符(バトルチップ)の余白= シリアスモノが書き たかった。みょんな 事になったが後悔は =余白はここで途切れている= 誰かまじめに書こうとするととたんに活動飽和して 最後の最後にネタを入れてしまうこの脳を何とかしてください…… 355 ─────────────────────────────────────────────────────────── 355のものなんです。 ふと、おまけにこんなのを思いついたので忘れないうちに。 「妹紅!愛してるっ!!」 「あぁ~!傷が痛むから思いっきり抱きしめないでぇ…… ってか胸が無いからってお尻ばかり触らないでぇ!!」 『火の鳥・鳳翼天翔』 ……ごめんなさい。 402 ─────────────────────────────────────────────────────────── そこは妹紅の部屋……だった。 いまでは恋人たちの愛の巣なのだが。 「ふむ……これでよし、と。 あとは頼んで使ってもらうだけか」 「昨日から気になってたんだけど、何を作ってたのあなた?」 現在食事中の妹紅を尻目に、 『彼』は机に向かってなにやら工具を散らかしながら何かを作っていた。 「ああ、俺のスペルカード。といっても普通のじゃつまらんので(俺が) 形式を変えてみた。これが試作品」 それはピンク色をした縦長のカードのようなものだった。 しかし、見るものが見ればすぐわかるのだが、その下の部分には端子がついている。 ……幻想郷の人間は端子なんて解るわけがないだろうが。こーりんぐらいなものである。 「……これって?」 「他人の容姿とスペルカードを吸収し、改造するスペルシステムさ。 あえて名づけるとすれば、闘いの符ってことで闘符(バトルチップ)」 「…できるの?本当に」 妹紅は半信半疑だった。 まさか、簡単にコピーされるとは思ってないだろう。 「じゃぁ、試してみるか?」 結果として言えば、 妹紅が使った『フェニックスの尾』は、ものの見事に吸収されていた。 「闘符『藤原妹紅』」 と、一声あげるだけで、『彼』の目の前に妹紅の幻影が出現し、 オリジナルと同じ火炎弾を無数に放ち、撃ち終えると煙を出して消滅する。 妹紅が目を丸くするのも無理は無いだろう。 「まだ攻撃力の問題はあるが、普通の人外相手なら十分撃退できるかな」 「すごいわ…蓬莱人になったゆえの素質かしら…」 関心し、しきりにうなずく妹紅に、 「とりあえず、お前を守れる程度には強くなるのが目標だからな」 『彼』は、闘符を握り締めながらそんなことをつぶやくのであった。 モコウ『 http //coolier.sytes.net 8080/th_up2/src/th2_1035.png 』 闘符のウラ なんとなく作ったものの埋もれさせるのも惜しいのでとりあえずSSと一緒に投下。 今回は完全バトルチップネタです。知ってる人こそニヤリとするでしょうが。 あとは、ひたすら明るい未来を。『彼』等は追い求めていってほしいモンです。 413 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「永遠に生きる人間と一緒にいる、って怖くないのかい?」 「そうだな……。正直に言えば怖い」 「そうそう、真っ当な人間は私に関わるべきじゃないよ」 「……けど、それ以上に俺はお前が愛しい。今は一緒に居たい。 いつか死ぬことになろうとも、俺は一緒に居たいんだ」 「ふぅん。ま、せいぜい長生きすることだね」 3スレ目 597 ─────────────────────────────────────────────────────────── パカ 「もこたんインしたお!」 「ま、待ってくれ、話があるんだ!」 パカ 「もこたんインしたお!」 「聞いてくれ妹紅! 俺は君のことが!」 パカ 「もこたんインしたお!」 「妹紅おおおおおおーーーーーーーッ!!」 3スレ目 601 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「慧音ー。○○に新しいスペル作ってもらったんだ。見てくれる?」 「ほう。あの人間がか?」 「うん。“お前にぴったりの情熱的なスペルだ”って言ってた。ちょっと照れるね」 「ふふっ……。それじゃ、彼のお手並み拝見といこうか」 「そうだね。……骨まであっためてやるよ!」 「!?!?」 「うおおー! あっちー!」 「も、妹紅?」 「熱い! 熱くて死ぬぜ!」 「妹紅! 何をやってるんだ!?」 「○○が言ってたんだけど、スペカに書かれた文字を詠唱したら術式に○○が込めた愛に反応して、威力が飛躍的に増加するんだって」 「妹紅、お前彼に騙されてるんじゃないか?」 「私は○○を信じるよ。――漢符「スピキュール」!!」 ――ちゅどーん。 「ほら! すっごい威力! これなら輝夜だって余裕で炭に!」 「……全力で却下だ妹紅。避けれないスペルはご法度だぞ」 備考:スターオーシャン2のハニエルだったかな。 3スレ目 708 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「うー」 夏ってのは何処も暑いもので、幻想郷も元居た場所とは変わらずに暑い。 今唸っていたのは妹紅で、俺は妹紅の家にお邪魔させてもらっているわけである。 といっても、この暑さの中何もやる気がおきず二人で畳の上に寝転がっている状態だ。 「暑いな」 「暑いね」 「そういえば」 「何?」 「誰かが暑いっていったら余計暑くなるって言ってたっけな」 「そう」 「暑いな」 「暑いね」 そのまま二人とも黙り天井を見続けていた。 ~ 「妹紅はさ」 「ん?」 「冬は便利だけど夏は不便だよな」 そんなことを言ったら気配で睨まれた。 「なにそれ。人を暖房みたく言わないでよ」 「でもまぁ簡単に焼き芋が作れたりするのはいいよな」 「……確かに」 「暑いな」 「暑いね」 今回の会話終了。二人とも時折外を見ていたりした。 ~ 「なんか暑さ紛らわせるもの無いのか? ここの家は」 「無いよ」 「……そんなことだろうと思って、今日はいいものを持ってきた」 そういいながら体を起こす。 喜ぶかと思ったら少し違う反応が帰ってきた。 「敵のはりあーとか言ったら燃やす」 前に何も持ってきてないのに敵のハリアーと言ったことをまだ覚えているようだ。 あのときの妹紅の怒り具合は凄かったな。 「人が言おうとした事を……」 「よし、燃やす」 そう言って妹紅も体を起こした。 まぁ口調からして本気ではないだろう。若干怒ってるけど。 「まぁ落ち着け、俺を燃やしたらそのいいものとやらも一緒に灰になるぞ」 「む……」 「んで、いいものがコレ」 そう言って取り出した物を妹紅は怪訝そうに見る。 「なにこれ?」 「カキ氷機だ」 本当なら手動式まで言うべきなのだろうが、そもそも電気が通ってないので言わなかった。 「カキ氷?」 「氷を食べやすいように砕いた食べ物かな」 尚も首を傾げる妹紅に比較的簡単に説明してやる。 「で、このカキ氷機で氷を砕くわけ」 それを聞いて納得したようだ。 「氷は?」 「無い」 「…………」 「こんな夏に氷が手に入るなんて雪山にでも行かないと無理だ」 「行け」 そんなことを本気で睨みながら言ってきた。 とは言っても暑さのためかそんなに怖くは無いが。 「…………期待して損した」 そう言って再び妹紅は寝転がった。 それに倣い俺も寝転がる。 「どうせなら慧音に出してもらえばどうだ?」 「それがあったね」 「暑いな」 「暑いね」 ちょっと長い会話終了。外のセミの声をのんびりと聞く。 ~ 「妹紅」 「何?」 「好きだぞ」 「……暑さで頭でもやられた?」 「失礼な。しっかりと機能しているわ」 「そう」 「暑いな」 「暑いね」 会話終了。なんだよ、せっかく言ってあげたのに。 ~ 「○○」 「何だ」 「私も好きだよ」 「……暑さで頭やられたか」 「そうかもしれない」 「いや、否定しろよ」 「暑いね」 「暑いな」 その後やってきた慧音にそのだらけぶりは何だ、と二人揃って怒られた。 たまには日常生活っぽいのをゆったりと書きたかったんだ。 4スレ目 218
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藤原 妹紅 (ふじわらの・もこう) 能力:『老いる事も死ぬ事も無い程度の能力』 所属:フリー(第2回大会~第26回大会)(もこけーねとして活動するも、特定の軍団には所属していないため、フリー扱い) GM軍(第27回大会~第39回大会) ファイト・スタイル 不死鳥は蘇る パワーファイターに思われがちだが投打極のバランスファイター。 またその能力から非常に受けには強いが、過信しすぎての重要な試合を落とすケースもある。 しかし一貫して言える事はトータルレスリングを考えられたクリーンなファイトをみせる 非常に玄人好みの試合展開をするレスラーである。 フジヤマヴォルケイノ フジヤマヴォルケイノII フジヤマヴォルケイノイラプション フジヤマヴォルケイノ・瞬 妹紅が愛用する投げ技のバリエーション。 本項では一式、二式、イラプション、瞬と割愛する。 初期では一式乱発による制圧試合を行いがちで、 説得力はあるものの試合展開に疑問を持たれていたが、 後に二式、そしてフィニッシュに繋げるイラプションを開発し、 織り交ぜる事によって試合進行を魅せるようになった。 基本ムーブとしては、ボディスラムの要領で相手を抱えるが、 この際相手の頭部を下ではなく自分に対して横に向け 相手を旋回して頭部側を軸として背中側からリングに叩きつける。 一式は叩きつける際サイドに落とし、またロックを外していた。 より威力を求め二式ではロックを離さずまたやや反動が強めになり 自身に対して真正面に落とすようになる。 ついにイラプションでは背後から仕掛ける形になり、ロックも外さずに垂直落下式で叩きつけるため 開発が進むにつれてダメージ量が爆増するバリエーションホールドとなっている。 瞬は唯一事前ホールド無しのカウンター技で、ロープから返ってきた相手に仕掛ける。 オリジナルは、一式と二式がディー・ロウ・ブラウンのサドンインパクト、 瞬が森嶋猛などの使うスクラップバスター、イラプションが佐々木健介のヴォルケイノイラプション。 技名は、東方永夜抄で使用した『蓬莱「凱風快晴 ‐フジヤマヴォルケイノ‐」』より。 火の鳥-鳳翼天翔 妹紅が使う、トップロープからのムーンサルトプレス。アナウンスではよく「鳳翼天翔」とだけコールされている。 別名「フェニックススプラッシュ」 灰の中から甦り、大空へ羽ばたく不死鳥のごとく、 美しい回転から相手を容赦なく押し潰す。 橙の飛翔毘沙門天と同型であるが、こちらの場合は痛め技気味に使用されがちである。 デビュー当初から持っている事は示唆されたものの、初公開は毘沙門天より遅くなった。 技名は、東方永夜抄で使用した『不死「火の鳥 ‐鳳翼天翔‐」』より。 火吹き 妹紅ならではのギミック技。 妹紅の場合は本当に火を吹いても不思議ではないから困る。 ちなみにこちらの世界でも火を吹いたことのあるレスラーがおり、 『アラビアの怪人』ザ・シークや『インディーの帝王』大仁田厚などが妹紅のように口から火を吹いた。 メディスンの毒霧、萃香の酒霧と並び、 東プロ三大吹き技に数えられる。 (MDの毒霧? あれはまだまだ未熟者である) 竹林893キック プロレス的に解説すると、走り込みながら体を横に倒してのフロントハイキック。 判りやすく言えば、映画やテレビドラマでちんぴらがよくやっている、手をポケットに 突っ込んだままゲシゲシと蹴るあれである。 妹紅の代表的スタイルの1つ。ロープへ相手を振って、反動で戻ってきたところにカウンターで決めるものや、 コーナーポストへの串刺し式のものなどがよく使われている。 威力重視よりは、屈辱を与える意味が強い。 オリジナルは新日の蝶野正洋選手のヤクザキック。 (テレビ放送では放送コードの関係上からか、ケンカキックと呼ばれている)。 海外ではマフィアキック、フーリガンキックなどと呼ばれる。 その他の技 DDT、ブレーンバスター、スイング式ネックブリーカー、ハーフネルソン・スープレックス、 パワーボム、刈龍怒(慧音との合体技) スタンダードなプロレス技を多く駆使し、そのタフな耐久力とあいまって、どちらかといえば小柄ながらヘビー級のような選手である。 戦績 [部分編集] +全戦績 -ネタバレを含むので注意- 以下は、第40回興行時点。 大会 試合 形式 対戦相手 試合動画 試合結果 備考 第02回大会 第1試合 SINGLE『美鈴五番勝負』一番勝負 美鈴 sm2527673 ○(9 14フジヤマヴォルケイノ) Xとして登場初勝利/初ピン 第03回大会 第2試合 5WayBR 魔理沙,フラン,藍,輝夜 sm2565529 ○(13 54フジヤマヴォルケイノ・藍)●(15 52 フラン・そして誰もいなくなるか?) 残り3人で脱落 第05回大会 第2試合 LTWタイトルトーナメント(慧音) 輝夜,永琳 sm2628654 ●(24 12 輝夜・ブリリアントドラゴンスープレックス) ピンを取られたのは慧音 第06回大会 第5試合(メイン) LSW次期挑戦者決定戦 幽々子 sm2695846 ●(17 21 バタフライデリュージョン) 第⑨回大会 第3試合 TAG(慧音) 魔理沙,アリス sm2809925 ○(22 40ブレーンバスター・魔理沙) 第10回大会 第4試合 LTW次期挑戦者決定戦(慧音) 萃香,魔理沙 sm2844343 ○(20 04 寺子屋ピラミッドドライバー(慧音)・萃香) 第11回大会 第5試合(メイン) LTWタイトルマッチ(慧音) レミリア,フラン sm2876409 ○(14 06フジヤマヴォルケイノイラプション・レミリア) 二代目LTW王者戴冠ベストバウト選出試合 第14回大会 第4試合(メイン) LTWタイトルマッチ(慧音) 紫,幽々子 sm2979188 ○(21 27 寺子屋ピラミッドドライバー(慧音)・紫) LTW防衛1回目 第16回大会 第5試合(メイン) LSWタイトルマッチ フラン sm3115874 ●(15 52 スターボウブレイク) ベストバウト選出試合 第17回大会 第6試合(メイン) LTWタイトルマッチ(慧音) 霊夢,萃香 sm3186064 ●(24 57 霊夢・ノーザンライトボム→片エビ固め) LTW防衛失敗 第19回大会 第2試合 TAG(慧音) レミリア,咲夜 sm3335803 ○(23 29フジヤマヴォルケイノII・咲夜) 第20回大会 第2試合 TAG(慧音) 輝夜,てゐ sm3414652 ○(17 53 日出づる国の天子(慧音)・輝夜) 第21回大会 第4試合 SINGLE『NoMercyRoyalDeathMatch』 輝夜 sm3495097 ○(17 32フジヤマヴォルケイノイラプション) 第22回大会 第2試合 TAG(慧音)『このリングには神がいる』 神奈子,諏訪子 sm3580718 ●(21 07 神奈子・片羽絞め) ピンを取られたのは慧音ベストバウト選出試合 第24回大会 第2試合 TAG(慧音) 藍,橙 sm3716686 ○(18 19フジヤマヴォルケイノII・藍) 第26回大会 第3試合 SINGLE『永江衣玖デビュー記念戦』 衣玖 sm3863085 ○(14 14フジヤマヴォルケイノ・瞬) 第27回大会 第6試合 3vs3『Coop. Now』(慧音,衣玖) 幽香,永琳,魔理沙 sm9503327 ●(21 07 幽香・ダブルスタンプ) ピンを取られたのは衣玖ここからGM軍入り 第28回大会 第2試合 2vs3(慧音,天子) 幽香,永琳 sm4004575 ○(17 16フジヤマヴォルケイノイラプション・永琳) 第29回大会 第6試合(メイン) LTUタイトルマッチ『蓬莱の殺人医師』(慧音,輝夜) 幽香,永琳,雛 sm4172888 ●(20 38 幽香・VFT) ピンを取られたのは慧音ベストバウト選出試合 第30回大会 第3試合 4vs4(慧音,てゐ,リリカ) 霊夢,アリス,萃香,鈴仙 sm4228092 ○(18 25 幸せ四つ葉のクローバー(てゐ)・鈴仙) 第31回大会 第6試合 LTWタイトルマッチ(慧音) 霊夢,萃香 sn4340481 ○(0 00) 試合放棄による四代目LTW王者戴冠 緊急試合 LTWタイトルマッチ(慧音) アリス,萃香 ○(21 56 日出づる国の天子(慧音)・萃香) LTW防衛1回目 第32回大会 第4試合 4vs4(慧音,霊夢,輝夜) メディ,鈴仙,アリス,萃香 sm4413129 ○(23 51 夢想封印(霊夢)・アリス) 第33回大会 第5試合 3vs3(てゐ,リリカ) 橙,メルラン,幽々子 sm4903044 ○(14 09 ベーゼンドルファー(リリカ)・メルラン) 第34回大会 第5試合 TAG(霊夢) 紫,藍 sm5401890 - 無効試合 緊急試合 TAG『Phantazm Down』(霊夢) 紫,ミスティア ○(18 51フジヤマヴォルケイノイラプション・紫) 第35回大会 第7試合(メイン) 『SEVENSシリーズ』第3試合 3vs3(X1,X2) X3,X4,X5 sm5598534 ●(17 37 X5・高角度前方回転エビ固め) ピンを取られたのはX2 第36回大会 第6試合(メイン) LTWタイトルマッチ(慧音) 幽香,早苗 sm5664417 ○(19 53フジヤマヴォルケイノイラプション・幽香) LTW防衛2回目 第37回大会 第7試合 3VS3(輝夜,衣玖) レミリア,フラン,咲夜 sm5842889 ●(11 43 フラン・スターボウブレイク) ピンを取られたのは衣玖 第39回大会 第6試合 LTWタイトルマッチ(慧音) 文,小町 sm8430195 ●(17 28 文・なんだかよく分からないけどすごい技 ピンを取られたのは慧音LTW防衛失敗この後GM軍から離脱 第40回大会 第3試合 2vs3ハンディキャップマッチ(妹紅) 輝夜,てゐ,リリカ sm9327725 ●(11 32 リングアウト) リングアウトを取られたのは慧音東プロ初のリングアウト決着 シングル 5戦3勝2敗 タッグ 16戦11勝4敗1無効試合 (妹紅のフォールによる勝ちは6回・妹紅がフォールされての負けは1回)もこけーね(慧音とのタッグ) 14戦10勝4敗 (妹紅のフォールによる勝ちは5回・妹紅がフォールされての負けは1回) 6人タッグ 5戦1勝4敗 (妹紅がフォールによる勝ち・負けはなし) 8人タッグ 2戦2勝0敗 (妹紅のフォールによる勝ちはなし) その他5WayBR 1戦0勝 ハンディキャップマッチ 2戦1勝1敗 多いフィニッシュ技フジヤマヴォルケイノシリーズ (10回)フジヤマヴォルケイノI (2回) フジヤマヴォルケイノII (2回) フジヤマヴォルケイノ・瞬(1回) フジヤマヴォルケイノイラプション (5回) タイトル歴 LTW 第二代王者(パートナー:上白沢慧音)、防衛1回 第四代王者(パートナー:上白沢慧音)、防衛2回 ハードコアデスマッチ『NoMercyRoyalDeathMatch』 対輝夜戦、勝利。 受賞歴 2008年度東方プロレス大賞 最優秀タッグ賞(もこけーね(慧音)) 人間関係 上白沢慧音 (もこけーね。親密な関係である。) GM比那名居天子 (GM軍参入時にボディガード契約。服従してはいるが関係は薄い) 輝夜 (犬猿の仲。デスマッチを経た後GM軍でまさかの結託。しかし内心では納得がいっていない部分もある。衣玖への態度などを巡って再度関係悪化の兆しがある) てゐ (エンターティナーであるこのう詐欺のやり方には内心はあまりいい印象はないが、我関せずなスタンスなので基本的にはどうでもいいらしい) 入場曲 月まで届け、不死の煙 評 [部分編集] -激しく燃える不死鳥時代 旗揚げ~第26回大会 激しく燃える不死鳥時代 旗揚げ~第26回大会 タイトル争いへはタッグもこけーねとして参戦。 奇しくも混乱不和を起こしていた初代LTW王者レミリア・フラン組(紅魔館)を破り 二代目LTW王者に戴冠する。その後1度の防衛を挟むが陥落。 しかし東プロでも限られた『タッグパートナーを絶対に代えないタッグ』として 相互の信頼は厚い。 妹紅は、滅多なことではシングルマッチは受けなかったが、 唯一LSWタイトルへの挑戦だけは過去に行った事がある。 それもパートナーである慧音が 当時のLSW王者フランとの試合で善戦するも敗れた後、 フランが慧音を小馬鹿にして敬意を示さなかった事に対する怒りによるものであり、 二人の絆の深さを再確認する事となった。 残念ながら試合には敗北、その後は運営方針によりシングルは封印して もこけーねとしての活動を行う。 しかし、その後LTWの王座からも陥落。 LSW、LTWの2大タイトルへの挑戦が共に遠のいてしまい、 かといって3人目のパートナーがいない関係でLTUに参加する事も出来ず 積極的なマッチメイクもしてもらえない不遇の時期の中、 東プロ外での長年の因縁相手、輝夜(当時永遠亭)との関係が爆発、 リング上でお互いを『殺す』発言を交わした事により、 本部長判断でハードコアデスマッチが決定。 今日まで東プロ唯一のハードコアデスマッチ戦となった 『NoMercyRoyalDeathMatch』に生き残り、 もこけーねの連携も再度高まっていった頃にLSW,LTWへの再挑戦を宣言。 そしてLTUのための3人目の存在をにおわせる発言をした。 +黒く甦った不死鳥時代 第27回大会~第33回大会 黒く甦った不死鳥時代 第27回大会~第33回大会 しかしその宣言から一時期、一切の露出をせず イベントマッチにも召集されないという事態が続き、ファンが違和感を感じ始める。 その後第27回大会のGM天子登場の際には何とボディガードとして慧音と共に登場。 東プロきってのクリーンタッグが共にダークサイドに移籍するという事態にファンは大混乱した。 この移籍契約はGM天子との直接契約で、寺子屋の耐震補強と 優先的マッチメイク権という優遇措置があるとしている。 妹紅本人は優先的マッチメイク権に強く興味があると発言している事から、 本人らが試合参戦を強く望みつつも、U3級の躍進、 O.D.S対反O.D.Sの動きとそれに絡む形で 進行していたタイトル争いからは距離感がありすぎたがために、 メインのアングルから干される形となっていたことに対して 想像以上に不満を抱えていたことが伺える。 GM軍移籍後はその権利を存分に行使して出場機会が大幅に増え(第27回大会以降は全興行に出場中)、 第31回大会にはLTWタイトルもGM天子を利用した謀略により強奪。 もこけーねとして四代目王者となり東プロ史上初の再戴冠となったが、 それを讃える者は誰もおらず、即座に展開された防衛戦で 相手を完膚なきまで黒く焼き尽くしたその力にただファンは呆然とするしかなかった。 初期のうちは立場上馴染めていないような素振りもみせていたが 日に日に身も心もGM天子に忠誠を示すようになってしまっており GM軍筆頭守護として爆炎で近づく者を焼き尽くす番人と化してしまった。 +黒炎、爆砕 第34回大会~第36回大会 黒炎、爆砕 第34回大会~第36回大会 GM軍後は、もこけーね(慧音)以外の選手とも組んで試合をして、充実した様子である。 以前の不満の反動か、その後の試合は容赦なき紅蓮の炎である。(実質黒き炎) 第34回大会で、霊夢とタッグで八雲紫と八雲藍の両名と対戦が決定。 GM軍として抗争の渦に。 そして運命の第34回大会、GM軍特有の罠があったが、 試合は、八雲紫の殺人的な技の数々を受けきった妹紅が、フジヤマヴォルケイノイラプションでフィニッシュ。 不死身の耐久力で重鎮を跳ね除けた勝利であった。 第35回大会にて四軍連合との抗争には負けたが(そもそも抗争自体に興味があるか疑問だが) 直後、メンバーであった東風谷早苗と風見幽香がLTWに挑戦し、これを受諾。 第36回大会、ゆうさなとして向かってきた両名を、もこけーねが粉砕、防衛2回目を果たした。 特に妹紅は、怒涛の攻めをした幽香の攻撃を受けきっての勝利なので、その恐るべき耐久力が 無差別級の選手の壁となるのだろうか。 団体の方針上、今後も波乱含みの試合を余儀なくされるが、 妹紅自身はGM天子絡みのいざこざより、試合ができれば何でもいいスタンスだろう。 余談だが、天子が屈辱的な要求なんぞ呑めるかとごねた時に従わせるのは彼女の役目らしい。 +燻り始めた火種 第37回大会~ 燻り始めた火種 第37回大会~ 一方ではGM軍内部では揺らぎとも取れる出来事が。 第37回大会では、輝夜と衣玖と組んで参戦するも敗戦。 試合終了後の輝夜の暴言となり、メンバー内で確執が発生。 GM天子がいさめることに。 それでも、ベルト防衛戦には前向きで、かつGM軍の立場から 第38回大会、次の相手に決まった文と小町の試合に乱入。 文にフジヤマヴォルケイノを叩き込んで失神させ、 黒い炎はいまだ健在をアピールした。 しかし、翌第39回大会のタイトルマッチで、王座陥落。 しかも、試合後のGM軍メンバーとのやりとりから、慧音がGM軍から離脱を表明。 妹紅にも、一緒に着いてきてほしいと頼む慧音に、一度はそれを断るが、 調子に乗って囃し立てた輝夜にぶち切れ、ヴォルケイノを叩き込んで 慧音と共に自らもGM軍を離脱することを宣言した。 +永遠の腐れ縁・輝夜 永遠の腐れ縁・輝夜 輝夜とは遙かな過去からの因縁関係があるのは周知の通りだが、東プロではなかなか複雑な関係にある。 リングでの最初の接触は、もこけーね対蓬莱てるよの対決となったLTW初代王者決定トーナメント1回戦だが、 ここでは輝夜が終始まともにやり合おうとせずにのらりくらりとかわされたあげくに、最後だけ必殺のブリリアントドラゴンで しかも妹紅ではなく慧音を沈めるという、見事な(?)頭脳プレーであっさりと逃げられる。 その後、永琳の離反・紅魔館への移籍から端を発した永遠亭対紅魔館の抗争時には、 当時のLSW絶対王者フランに自ら挑戦することで、そのフランを対抗戦から外すという、 永遠亭陣営への側面からの支援を行う。 しかし、それ以降「難題者」に傾倒していく輝夜と、正統派の妹紅ではやはりそりが合わず、もこけーね対輝夜・てゐの タッグ戦を前哨戦として、ついに前代未聞のデスマッチ戦『NoMercyRoyalDeathMatch』での直接対決となり、 この2人の決裂ぶりは決定的で修復の余地など皆無と思われた。 それでも蓬莱人同士、何かが通じるものがあったのか、デスマッチ終了直後に輝夜が妹紅に礼を言ったのをマイクが拾っており(輝夜本人は否定)、 妹紅もLTUのためのもこけーねに加える3人目の存在をにおわせる発言をした時に、これは輝夜と手を組むことを想定しているのではないか、 というファンの意見があった。 そして、GM天子の登場と共に結成されたGM軍には、妹紅と共に輝夜の名前があり、 それ以後、もこけーねに輝夜を加えてLTUタイトルマッチに挑戦したのを始めとして、 何度もリング上で共闘を行っている。また、その言動に露骨に嫌悪感を示す慧音と違い、あくまでも慧音寄りとはいえ、妹紅の言動は 輝夜との間を取り持つかのようなものが多く、また輝夜から「もこたん」と呼ばれても怒らないなど、 2人の関係は過去に例がないほど良好なのが、第38回大会までの様子だった。 もっとも、短気なところのある妹紅と根っから我が儘姫の輝夜のこと。何かの弾みで火が付けば一瞬で大爆発するのはよくあることで、 そういう意味では実に緊張感溢れる関係と見られていた。 それが正鵠を射ていたことが明らかになったのが第39回大会でのLTWタイトルマッチ後。 GM軍離脱を宣言し、着いてきて欲しいと懇願する慧音に、「これだからいい子チャンは困る」と、一度は自らは残留することを 表明するも、それに乗って輝夜が慧音をあざ笑うや、いきなりぶち切れてヴォルケイノIIを輝夜に叩き込み、自らも慧音と共に GM軍を離脱すると宣言し直した。 こうして、ひとまずは再び(東プロとしては、である)それぞれの道を歩むことになった2人が今後どうなるのか、 ファンは注目せざるを得ないところであるといえよう。 このページを編集
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登録日:2021/10/25(四) 00 00 00 更新日:2024/04/16 Tue 22 40 37NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 ※18歳未満の方のご利用およびこのページの閲覧をお断りしております。 ※ネタバレあり、利用しているお方はご注意ください。 ※主にPCソフト、抜きゲーしばらく収録なし。 好きな妹キャラに投票してください。 順位 選択肢 得票数 得票率 投票 1 "新海 天" 24 (49%) 2 "瀬和 未来" 13 (27%) 3 春日野 穹 4 (8%) 4 "佐久真 詩" 2 (4%) 5 "凪間 ゆめみ" 2 (4%) 6 "青野 七" 2 (4%) 7 "折原 氷狐" 1 (2%) 8 瓜生樱乃 1 (2%) 9 "エビータ・ベルナルド" 0 (0%) 10 "小町 乃々香" 0 (0%) 11 "山吹 ありす" 0 (0%) 12 "常坂 三美" 0 (0%) 13 "常坂 二乃" 0 (0%) 14 "高乃 椎凪" 0 (0%) 15 "高峰 ななこ" 0 (0%) その他 投票総数 49 ※ファンディスク 2021年 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 12-24 ねこねこソフト YAMAYURI GAMES 神の国の魔法使い イモウトさま 実妹 - イモウトさまが好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 11-26 Aino+Links 創作彼女の恋愛公式 凪間 ゆめみ 従妹 攻略可 凪間 ゆめみが好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 11-26 ensemble 星の乙女と六華の姉妹 山吹 ありす 実妹 攻略可 山吹 ありすが好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 09-24 DESSERT Soft 彼女は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second 高峰 ななこ 実妹 攻略可 高峰 ななこが好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 09-24 Hulotte 俺の恋天使がポンコツすぎてコワ~い。 佐久真 詩 義妹 攻略可 佐久真 詩が好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 08-27 Circus D.C.4 Plus Harmony 常坂 二乃 義妹、従妹 攻略可 D.C.4 Plus Harmonyの常坂 二乃が好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 08-27 Circus D.C.4 Plus Harmony 常坂 三美 実妹 攻略不可 ※隠れ実妹、故人 常坂 三美が好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 05-28 Lump of Sugar まどひ白きの神隠し 高乃 椎凪 実妹 攻略可 高乃 椎凪が好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 04-30 CUBE 海と雪のシアンブルー 青野 七 義妹 攻略可 青野 七が好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 04-23 ぱれっと 9-nine- 新章 新海 天 実妹 攻略可(Hなし) 新海 天が好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 03-26 みなとそふと 我が姫君に栄冠を エビータ・ベルナルド 義妹 攻略可 エビータ・ベルナルドが好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 03-26 ASa Project 恋愛×ロワイアル 乃々香&蓮菜&由奈 ミニアフターストーリー 小町 乃々香 実妹 攻略可 小町 乃々香が好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 02-26 Circus D.C.4 Fortunate Departures ~ダ・カーポ4~フォーチュネイトデパーチャーズ 常坂 二乃 義妹、従妹 攻略可(Hなし) D.C.4 Fortunate Departuresの常坂 二乃が好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 02-26 ウグイスカグラ 冥契のルペルカリア 折原 氷狐 実妹 攻略可 ※隠れ実妹、瀬和未来の別人格 折原 氷狐が好きなら……\ポチッと/ 発売日 メーカー タイトル 名前 タイプ 攻略可否 備考 02-26 ウグイスカグラ 冥契のルペルカリア 瀬和 未来 実妹 攻略可 ※故人 瀬和 未来が好きなら……\ポチッと/ この項目が面白かったなら……\ポチッと/ ▷ コメント欄 [部分編集] 名前 コメント